2024/12/01

イタチの越冬用巣穴の周辺で年末に餌を探す雪国の小鳥たち【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬 

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで監視しています。 
獣道となった雪面には、様々な野生動物の足跡が残されています。 
画面中央に見えているイタチの巣穴bの近くには手前から近寄らないよう(ヒトの足跡を付けないよう)注意しました。 
水平倒木に設置していたトレイルカメラを撤去したので、その部分だけ冠雪が取り除かれています。 
丸木橋のような細い水平倒木をくぐり抜けたすぐ左奥にもイタチの根曲がり巣穴aがあるのですが、隠れて見えません。

年末の昼間に様々な小鳥が採食に来る様子をまとめました。 
野鳥の種類によって別々の動画にしたかったのですが、カラ類は混群で来る場合があること、古いトレイルカメラの奇妙な癖で昼間に撮れた動画にピンク色のフィルターがかかって鳥の体色が正常に表示されないこと、奥の藪で小さく見える小鳥はしっかり見分けられないこと、素早く飛び交うことなどから、小鳥の同定を諦めた例が多くて、全部一緒にまとめることにしたのです。 


シーン1:12/24・午前9:41(@0:04〜) 
画面右端のスギ幼木の陰に小鳥が止まっていました。 
おそらく、土がついたまま風倒したスギの根の辺りを啄んだり餌を探しに来たようです。 
後半は数羽の小鳥の群れが飛び交いました。 


シーン2:12/25・午前10:10(@0:29〜) 
シジュウカラParus minor minor)がイタチの巣口bの手前で細い蔓(落葉樹の幼木?)に止まっていました。 
横に移動すると、土がついたまま風倒したスギの根の辺りを啄んだり餌を探しています。 
土そのものを食べに小鳥が通っているとしたら非常に面白いのですが、説得力のある映像は撮れていません。
後から群れの仲間も次々に飛来しました。 

耳を澄ますと、小鳥が鳴き交わす声がかすかに聞こえる他に、コツコツと鳥が何か硬い物をつつく音も断続的に録音されていました。 
おそらく、監視カメラを固定したスギの立木にも小鳥が止まって幹の樹皮を嘴でつついているのではないかと推測しています。 

最後は2羽のシジュウカラが相次いで同じ場所に飛び込んだことから、カラ類が風雪を凌ぐシェルター(隠れ家やねぐら?)としてスギ風倒木の抜根を利用しているのかもしれません。 


シーン3:12/26・午後15:00(@2:10〜) 
右から飛来したヤマガラSittiparus varius)が細い止まり木を経由してから、水平倒木の下(右端)の雪が積もらない場所に飛び込みました。(@2:42〜) 


シーン4:12/27・午前10:58・晴れ(@2:48〜) 
晴れて気温が上がったせいで、積雪がかなり溶けてしまいました。 
根雪だと思っていたのに、今季は暖冬で降雪量が少ないのです。 



2024/11/30

雪で埋もれたニホンアナグマの越冬用営巣地で換気口を発見?

 



2023年12月下旬・午後・晴れ 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を定点観察しています。 
トレイルカメラ2台の電池やSDカードを交換したついでに、根雪で埋もれかけた2つの巣口L、Rの様子を動画に撮りました。 
今季は異常な暖冬で積雪量が少ないです。
雪面の雪質は湿雪(いわゆる腐れ雪)のため、獣道に残る足跡は不鮮明でした。 
巣口付近の雪面は、アナグマが出入りするために黒い土で汚れています。 

巣口Lから2〜3m南の地点の雪面に開口している小さな丸い穴が気になりました。 
謎の穴の横に私の右手を並べて、大きさの比較対象としました。 
動画では眩しい雪面とのコントラストの差が大き過ぎて、穴の奥は真っ暗で何も見えません。 
肉眼で見ると、穴の奥に地面が露出していて、地中に小さな丸い穴が開いていました。

野ネズミの巣穴かと初めは思ったのですが、巣口に出入りする野ネズミの足跡や尻尾の跡が雪面に全く残っていません。
トレイルカメラをもう1台設置して、謎の小穴から野ネズミが出入りしているかどうか監視したかったのですが、限られた数の撮影機材をやり繰りして複数のプロジェクトを同時進行しているために、実現できませんでした。

野ネズミの仕業ではないとすれば、ここだけ地熱が高い理由は何でしょう?
もしかするとアナグマの巣穴の換気口(空気穴)かもしれない、と思いつきました。 
中で冬眠・越冬するアナグマ家族の吐く息が暖かいために、換気口の周囲の雪だけが早く溶けたと考えれば説明できそうです。 
地面の黒い土が雪原に少しでも露出すれば、昼間の太陽光で温められて周囲の雪が更に急速に溶けるでしょう。
雪国では冬に巣口が積雪で埋もれてしまうことがありますから、換気口を別に開けておかないと、巣内のアナグマは窒息してしまいます。 
アナグマが意図的に作った換気口とは限らず、トンネルが地中の浅いところに掘られている場合は、天井の薄い部分がたまたま崩落して小さな穴が開いてしまった可能性もあります。 
寒い冬に謎の小さな穴から白い湯気が立ち昇っていたら換気口だと確信がもてるのですけど、それはまだ見たことがありません。
精密に測定できるサーモグラフィカメラは高嶺の花ですが、もしそれで謎の巣穴を撮ったら、穴居性動物の暖かい呼気を検出できるでしょうか?

謎の穴にファイバースコープを突っ込んで調べてみたいのはやまやまなのですが、越冬中のアナグマ家族を怖がらせたり邪魔したくありません。 
高性能の長いファイバースコープは高嶺の花なので、翌年(2024年)の秋に、一脚の先端に取り付けたハンディカメラを巣口Lにそっと差し込んで巣内を初めて撮影してみました。(映像公開予定) 
一脚の長さが短いために、奥の居住区まで見れませんでしたが、少なくとも巣口Lからトンネル(巣坑)は南に向かって真っ直ぐ伸びていることが確かめられました。 
つまり、雪深い厳冬期に見つけた謎の穴はアナグマの換気口だろうという仮説を私はまだ信じています。






【追記】
実は5日前にもアナグマの越冬用営巣地(セット)に現場入りしていて、このとき初めて換気口らしき謎の小穴を雪面に見つけていました。
写真だけ撮っていたので、載せておきます。
このときも穴の周囲の新雪に小動物の足跡は残っていませんでした。








ヒメアオキ:斑入りの葉

2023年12月中旬

平地の二次林の林床には常緑低木のヒメアオキがパッチ状に点在しているのですが、斑入りの葉の群落を見つけました。 
緑色の葉全体に黄色い斑点が散りばめられています。 
このような斑入りは庭木の園芸植物としては見かけたことがあるのですが、ここでは完全に野生株です。 
斑入り群落の隣には、葉全体が緑色の正常株のヒメアオキ群落と隣接していました。

ヒメアオキは耐陰性の高い植物です。
植物の葉が斑入りになると、一般的に光合成の効率が落ちて耐陰性も下がります。
ヒメアオキの場合はなぜか例外で、逆に斑入り株のほうが耐陰性が優れていると言われているそうです。
この理屈が私にはさっぱり分かりません。
今回見つけた斑入り群落に隣接する正常株の群落のほうが少しだけ高く成長していたので、反証(一般論が正しい)になるかと思いました。
しかしAIのGeminiに相談すると、林床の日照条件が隣接する群落でも違う可能性が高いですし、各株の年齢も土壌の性質も揃っていないことから、反証にはならないと指摘されてしまいました。
厳密には採集・栽培して実験的に確かめるしかなさそうです。

ヒメアオキの自然史では種子散布や虫こぶの話も面白そうなので、自分なりに追々調べていけたらと思います。
 
手前が斑入りの群落、奥が正常株の群落(またはヒメユズリハかも?)

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