2022/08/19

休耕田で採食中に高々と飛び上がるキジ♂の謎(野鳥)

 

2022年6月中旬・午後15:40頃・くもり・強風


雑草の生い茂った休耕田でキジ♂(Phasianus versicolor)がうろついて採食していました。
それまでは定期的に縄張り宣言の母衣打ちをしていたのに、なぜかもう披露してくれなくなりました。 
キジ♂は草地の地面をついばんでいます。 
採食メニューは不明ですが、頭を上げた際にときどき嘴に草を咥えていました。 
風が強く吹き、立ってカメラを構えている私の体ごと持っていかれそうになります。
体幹トレーニングでもっと鍛えないといけませんね。

長々と撮影していたら、キジ♂が突然、羽ばたきながら垂直に飛び上がりました。(@4:40) 
こんな行動は今まで見たことがありません。 
鳴き声を発することなく、ほぼ同じ地点に着地しました。 
謎のハイジャンプを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@4:44) 
その後は何事もなかったように、採食徘徊を続けています。 

明らかに用水路を飛び越える行動ではありません。 
草むらで蛇に遭遇して驚いたのでしょうか? 
しかしヘビが相手ならキジは捕食するはずです。 
巣穴から出てきた野ネズミに驚いたのかもしれません。
それとも、見通しの悪い草地で高々と飛び上がって周囲を警戒したのかな? 
キジは飛ぶのがあまり得意ではないので、しつこく撮影する私から逃げようと(遠くに移動しようと)飛び立ったものの、強い逆風に流されて真下に着陸してしまったのでしょうか?
普通、鳥が飛び立つ直前には予想がつくのですけど、今回のキジ♂は予備動作なしでいきなり飛び上がりました。 
関連記事(10年前の撮影)▶ キジ♂の飛び立ち【ハイスピード動画】
タゲリの求愛ディスプレイのハイジャンプを連想しました。
(当地でタゲリの実物を見かけたことはありません。)
私の知る限り、キジの求愛行動のレパートリーにハイジャンプは含まれていません。

※ 退屈な(冗長な)前半部を編集でカットしようか迷いました。
謎のハイジャンプを解釈するのに前後の文脈が大切かもしれないので、あえてノーカットでお届けしました。 
お忙しい方は4:30辺りまで一気にスキップしてご覧ください。
   

2022/08/18

飛びながら夜の池に着水するコウモリの目的は飲水か捕食か?【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事(撮影:2021年11月中旬):▶ 飛びながら池の水を飲むコウモリ【暗視映像:トレイルカメラ】
2022年6月中旬〜下旬 

山中の水場にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置すると、今季も毎晩のようにコウモリ(種名不詳)が飛来していました。 
今回は単独で飛来したシーンをまとめました。 
コウモリの活動時間帯は日によってまちまちのようです。 

トレイルカメラを新調したら画質が格段に向上(FHD:1920×1080)しただけでなく、フレームレートが15fpsから25fpsに上がったおかげで、コウモリの素早い羽ばたきが旧機種よりも滑らかに記録できるようになりました。 

夜行性のコウモリは池の水面スレスレを掠めるように低く飛びながらときどき一瞬だけ着水し、その度に水面に波紋が広がります。 
この着水時にコウモリは何をしているのでしょうか? 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、口ではなく足を水面につけているような気がします。 
てっきり私はコウモリが飛びながら池の水を飲みに来ているのだと思っていたのですが、海外のウオクイコウモリのように水中または水面の獲物を捕食している可能性が出てきました。 
残念ながら動画のフレームレートが25fpsでは未だ非力です。 
説得力のある映像を撮るためには、せめて60fpsは欲しいところです。
4Kや8K画質とかの高画質競争よりも、動画のフレームレートを上げてくれるようメーカーにお願いします。 
写真家なら複数のストロボを連続で焚いてコウモリが着水する瞬間を切り取る工夫を考えるのでしょうが、私はあくまでも動画で勝負したいのです。 
コウモリはツバメのように飛びながら水面に口を付けて水を飲むのではなく、とりあえず体を適当に濡らしてから後でどこかにぶら下がって口で毛繕いしながら水分補給するのかな?

波紋が広がる直前の水面にミズスマシやアメンボは居なかったので、水生昆虫の捕食が目的ではなさそうです。 
着水ポイントの水中にオタマジャクシなどの獲物の姿は見えませんでした。 
また、私はこの小さな池で小魚を見たことはありません。

コウモリの着水地点が毎回ほぼ同じであることも、飲水説を裏付けていると思います。 
もし池の獲物を捕食しているのであれば、コウモリは水面のあちこちで(ランダムに)着水するはずです。 
被捕食者も天敵に狩られないように必死で逃げたり隠れたりするはずだからです。

雨が降る夜にコウモリが水場に飛来しないことも飲水説を支持しています。 

エコロケーションのためにコウモリが発する超音波をヒトの可聴域に変換するバットディテクターとトレイルカメラの動画を組み合わせて同時に記録できたら面白そうです。(今後の課題) 
獲物を狩る直前に発する超音波と、飲水行動の際の超音波は声紋パターンが違うはずです。
なによりも、超音波の声紋だけでコウモリの種類を同定できるかもしれないという可能性が魅力的です。


シーン1:6/20・午後19:54・気温19℃ 

シーン2:6/20・午後20:48・気温20℃(@0:53) 
池の上を低くぐるぐる回っただけで奥に見える森に飛び去りました。 

新しいトレイルカメラでは気温データも映像の下に表示されるようになりました。
しかし、連続して動画撮影するとカメラ内部の発熱により、気温が急上昇しているように見えるため、気温データの解釈には注意が必要です。 
夜が更けているのに短時間で気温が1〜2℃不自然に上がります。 
昼間の撮影ではこの症状が出ないので、暗視映像のための赤外線投光器が特に高熱を発するようです。 
トレイルカメラをしばらく放置するとすぐに冷めます。 

シーン3:6/20・午後23:05・気温18℃(@1:04) 

シーン4:6/21・午前00:15・気温18℃(@1:13) 

シーン5:6/21・午後20:20・気温19℃(@1:51) 

シーン6:6/23・午後21:24・気温18℃(@2:06) 
池を何周も飛び回った後に、画面右上隅に写っている此岸のスギの枝葉を掠めるようにコウモリが飛び、枝葉が揺れました。(@2:20) 
コウモリの翼がうっかり杉の枝葉に触れてしまったのか、それとも杉の枝葉に止まっていた虫を素早く捕食した可能性もありそうです。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、狩りをしたかどうか分かりませんでした。(@2:51) 

シーン7:6/23・午後21:42・気温19℃(@4:49) 
ガガンボや夜蛾などの昆虫が暗闇の水場で飛び回っていますが、コウモリがそれを狙って飛びながら狩りに成功したシーンは今のところ撮れていません。 

シーン8:6/23・午後22:55・気温18℃(@5:12) 

シーン9:6/25・午後19:53・気温19℃(@5:46) 
池の上をコウモリが低空で何度も飛び回ります。 
今回はカメラに近いところで着水してくれました。 
珍しく画面に対して横向きで飛びながら着水するシーンが撮れました。 

シーン10:6/25・午後20:24・気温21℃(@6:50) 

シーン11:6/25・午後21:48・気温20℃(@7:08) 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@7:29) 

シーン12:6/25・午後22:16・気温21℃(@8:16) 

シーン13:6/26・午前00:03・気温20℃(@8:33) 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@8:49) 

シーン14:6/26・午後20:04・気温21℃(@9:23) 
得体の知れない虫が多数、夜の池で活動しています。 
水面を素早く遊泳したり、空中を飛び回ったりしています。 
小さな尺取虫が池の落枝の上で途方に暮れたように徘徊しています。 
これらはコウモリの獲物として小さ過ぎる(超音波で探知できない?)のか、飛来したコウモリは狩ろうとしていないようです。



2022/08/17

河畔林でタヌキの溜め糞に群がるオカダンゴムシ♀♂

 

2022年6月中旬・午後13:00頃・くもり 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が河畔林の地面に残した溜め糞場rvに微小のアリ(種名不詳)に混じって多数のオカダンゴムシ♀♂(Armadillidium vulgare)が集まっていました。 
♀も♂も両方いて、大小様々な個体が含まれていました。 
タヌキの糞をせっせと食べて分解してくれているのでしょう。 
糞塊の真上よりも辺縁部に好んで集まるようです。 

ところで、ダンゴムシと言えば外来種(普通種)のオカダンゴムシしか私は知りません。 
しかし森林性の在来種コシビロダンゴムシの可能性もありますかね?(見分け方を私は知らないので、真面目に検討していません。)
日本にはもともと、コシビロダンゴムシという土着のダンゴムシがいたが、コシビロダンゴムシはオカダンゴムシより乾燥に弱く、森林でしか生きられないため、人家周辺はオカダンゴムシが広まっていった[3]。(wikipediaより引用
現場はニセアカシアが優占する河畔林です。
溜め糞の横に立つニセアカシアの幹をダンゴムシが何匹も登り降りしていて、根際にも多く見つかりました。 

山中など他のタヌキ溜め糞場ではダンゴムシが集まっているのを見た記憶がありません。 
念のためにこのブログを検索してみたら、単に私が忘れているだけでした。(汗)
関連記事(6年前の撮影@水辺のコンクリート護岸)▶ タヌキの溜め糞とオカダンゴムシ♀

 

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