2021/12/28

夜の林道をパトロールするも溜め糞に興味を失ったホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬
前回の記事:▶ 夜の林道で溜め糞を調べ、排便、逃走するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

里山の林道に設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)の映像に3日間連続でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場しました。 
夜の出没時刻も進行方向もまちまちです。 
なんとなく同一個体ではないかと思っているのですけど、個体識別できていません。 
この期間のタヌキはなぜか溜め糞の匂いを嗅いでチェックするどころか近づくこともなく、林道を通り過ぎました。 
別個体が新たに溜め糞上に排便しない限り、異状なしと判断するのかな? 
林道の地面や落ち葉の匂いを嗅いで回り、採食に夢中なようです。 

シーン1:午前1:47 
シーン2:午後18:26 
シーン3:午前3:14 

シーン4:約12時間後の午後15:00頃
トレイルカメラの電池を交換するために現地入りしました。 
林道に点在する溜め糞aの動画を撮りながら歩いて行きました。 
ちなみに動画前半部のトレイルカメラの画角で言うと、右から左へ向かって進みました。 

以下の写真は、その日に溜め糞aの中で比較的新鮮な物を記録した写真です。 
ニクバエが1匹来ていただけで、他に食糞性の昆虫は見当たりませんでした。
秋になると糞虫の活動がめっきり低下し、あまり面白くありません。
どうもトレイルカメラが動画に撮り損ねた排便シーンがあるような気がしています。 
使われなくなった古い溜め糞は黒く固く乾燥して、最終的には地面に黒いシミのように残るだけになります。 
秋にはその上に落ち葉が降り注ぎ、埋もれてしまいます。
ちなみに、この溜め糞aは昨シーズン(2020年12月上旬)に見つけたものです。 




前年の記憶を頼りにトレイルカメラで監視する溜め糞ポイントを決めたのですが、当時のデジタル写真のEXIFを確認すると、GPSの座標が一致していました。 
つまり、タヌキは同じ溜め糞を長期間に渡って利用することが確認できました。 
ところがこの後、タヌキは縄張りを変えたのか溜め糞aをあまり利用しなくなり、新鮮な糞が滅多に追加されなくなってしまいました。 
これまでに撮れた排便動画を見るとタヌキはトレイルカメラの存在を明らかに気づいて警戒していたようなので、この溜め糞aを敬遠するようになり、溜め糞を変更したのでしょうか?
実は同じ林道を更に進むと、別の溜め糞が少なくとも2ヶ所あるのです。
個々の溜め糞の栄枯盛衰というか季節消長を調べるのも面白そうですが、監視するトレイルカメラの数をなかなか増やせないのが悩みです。

コシアブラ幼木の葉に群がるカクモンヒトリ(蛾)の若齢幼虫

 

2021年10月上旬・午後15:15頃・くもり 

里山の細い山道の横に自生するコシアブラの幼木の葉が虫の激しい食害を受けてほとんど丸坊主になっていました。 
葉が透け透けになった(レース状)食痕が面白い被写体なので写真に撮っていたら、黒っぽい毛虫が群がっている葉を発見。 
現場ではアメリカシロヒトリかオビカレハなのかな?と予想したものの、帰ってから調べてみるとカクモンヒトリLemyra inaequalis inaequalis)の若齢幼虫の群れと判明。 

計45匹(以上?)の群れのほとんどが葉裏ではなく、わざわざ目立つ葉表に集まっていました。 
各々が徘徊移動して互いの毛が触れないように牽制し合っている結果、互いに適度な間隔を開けて分散しているようです(スペーシング、ソーシャル・ディスタンス)。 
食事中の個体は居ませんでした。 
もしかすると夜行性なのかもしれません。 

コシアブラ幼木の下部の葉の多くはレース状に食い尽くされていました。 
ちなみにコシアブラの若葉は山菜としてヒトの食用になります。
アメリカシロヒトリやオビカレハの若齢幼虫と異なり、幼虫の巣網が見当たりませんでした。 

枝葉を揺らしてもカクモンヒトリ幼虫の群れは威嚇や逃避行動などは特に示しませんでした。 
毛虫の群れは無反応というか擬死したのかもしれません。 
毛虫の本体に直接触れたときの反応を確かめたかったのですけど、毒毛かどうか分からず躊躇してしまいました。 
自衛手段の毒毛に自信があるのかと思いきや、カクモンヒトリ幼虫の毛は別に毒毛ではないそうです。 

幼虫を採寸すべきでしたね。 
現場に三脚を立てて集団食害シーンを微速度撮影したかったのですが、秋の山中は日が落ちるのが早く、もはや相当薄暗くなっていたので諦めました。 

2021/12/27

稲刈り前の田んぼでイヌビエの茎に止まり虫を狙う冬羽のノビタキ(野鳥)

 

2021年10月上旬・午後16:40頃・くもり 

冬羽になったノビタキSaxicola torquata)が南へ渡る途中で秋の田んぼに立ち寄るのは季節の風物詩です。 
つまり山形県でノビタキは旅鳥です。
関連記事(2、3年前の撮影)▶  
秋の田んぼで虫を捕食する冬羽のノビタキ♂♀(野鳥)  
田んぼで羽繕いする冬羽のノビタキ♀♂(野鳥)
稲刈りが進行する田んぼもある中、収穫を待つ田んぼで水田雑草イヌビエの茎に冬羽のノビタキが止まっていました。 
なぜか翼を激しく小刻みに震わせています。 
尾羽を上下に動かしながら、周囲を見回しています。 

ノビタキはときどきイヌビエの茎から急に飛び降りては、少し離れた茎に移動する、という行動を繰り返しています。 
おそらく田んぼにいるイナゴやバッタなどの昆虫を捕食しているのでしょう。 
しかし、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみても、狩りの成功シーンは撮れていませんでした。
止まり直したイヌビエの茎で嘴を拭ったということは、空中で素早く捕食してすぐに獲物を飲み込んだのかもしれません。
羽繕いを開始。 

カメラをずっと向ける私を警戒したのか、ノビタキは最後にイヌビエの茎から飛び去ると田んぼを横断し、はるか遠くに居た仲間の近くに止まり直しました。 

少し遠くでコンバインが警告音を立てながら稲刈り作業をしています。 
コンバインが田んぼを動き回るとイネの茂みに隠れていたイナゴなどの昆虫が驚いて飛び出すはずですが、それを目当てにノビタキがコンバインの周囲に集まることはありませんでした。 
ヒトの農作業(コンバインの動き)を当てにせずに、あくまでも自力で獲物を探して狩るようです。 
どういう訳か当地ではノビタキに限らず、収穫期の田んぼでコンバインを利用した野鳥のオートライシズムは一切見られません。

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