2021/11/19

奴隷狩りで蛹を運ぶサムライアリ♀

 

2021年8月下旬・午前10:30頃・晴れ 

里山の山道(標高約600m地点)で大きな白い蛹を運んでいるアリを2匹見つけました。 
前後にアリの大行列は形成されていなかったのですが、これはサムライアリ(Polyergus samurai)のワーカー♀が奴隷狩りをしている現場なのでしょうか?
サムライアリはクロヤマアリなどの巣を攻撃して働きアリやその蛹を攫い、奴隷として働かせることが知られる。奴隷とする為の蛹を連れる「奴隷狩り」は、主に夏の蒸し暑い日の午後に行われる。サムライアリの働きアリは奴隷狩りに特化しており、女王の世話、卵や幼虫の世話、餌の回収なども行わない。また、奴隷狩りと結婚飛行以外はほとんど地上にも出ない。こうした奴隷狩りの習性は、アカヤマアリのようなヤマアリ属の一部の種やヤドリムネボソアリなど、いくつものアリで知られている。しかしそれらの働きアリは同時に通常の労働にも従事することが多く、自分でほとんど働かないサムライアリやその同属近縁種とは異なる。(wikipediaより引用)

(サムライアリは)巣からマユ(サナギ)と大きくなった幼虫を持ち帰る「奴隷狩り」を行う。主にマユを持ち帰り、マユから成虫になった働きアリは、サムライアリの巣で一生働く。奴隷刈りは午後行われることが多く、1日に2度、3度出撃することも珍しくない。(文一総合出版『アリハンドブック』p68より引用)
道中で仲間とすれ違いました。
落枝に隠れてサムライアリ♀の行く先を見失ってしまいました。 
今回の奴隷狩りはあまりにも小規模ですけど、寄主の巣穴を襲撃して奴隷の蛹をほとんど狩り尽くした後なのか、それとも未だ午前中なので、これから午後にかけて奴隷狩りが本格化するのでしょうか? 

このとき私は他に用事があって急いでいたので、サムライアリの巣穴も、寄主(クロヤマアリ?)の巣穴も見つけられませんでした。 
すぐ近くの地面に(蟻の巣口にしては大き目の)穴が開いていたのですけど、アリは出入りしていませんでした。

2021/11/18

タヌキ溜め糞の横で縄張りを張るキイロコウカアブ♂の飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年8月下旬・午後14:25頃・晴れ 

里山の尾根道に残されたホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞を観察していたら、糞塊の近くで見慣れないアブが思わせぶりに居座っていました。 
溜め糞でよく見かけるベッコウバエではなく、初見の種類です。 
帰宅してから調べてみると、どうやらミズアブ科のキイロコウカアブ(Ptecticus aurifer)らしい。 
溜め糞そのものには一度も着陸せず、近くの木の葉に止まります。 
飛び立ってもすぐに同じ葉または近くの別な木の葉に舞い戻りました。 
止まる植物の種類にこだわりは無いようです。 
溜め糞に集まる昆虫を狙う捕食性のアブなのか、あるいは♂が縄張りを張って♀を待ち伏せしているのだろうと予想しました。 
キイロコウカアブは湿地や便池(べんち)でよく見られるらしいので、♀はおそらくタヌキの溜め糞に産卵しに来るのでしょう。 

腹部に横縞模様があるらしいのですが、止まっているときは翅を閉じているため隠れて見えません。 
 飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:35〜) 
羽ばたいた際に、腹部背面の黒い横縞模様がしっかり見えました! 
ラストシーンでは離陸直後に急速左旋回しています。 

コウカアブの仲間は複眼の形状では性別を見分けられないのかな? 
行動から、この個体は♀を待ち伏せする♂と言い切って大丈夫でしょうか。 
残念ながら交尾シーンは見ていません。

キイロコウカアブについてネット検索していたら、面白そうな論文を見つけました。
櫻庭知帆, 小林秀司, and 髙﨑浩幸. "キイロコウカアブはニホンアナグマを対象とした自動撮影カメラの設置適地を教えてくれる." Naturalistae 20 (2016): 57-60.
巣穴周辺の定期的な観察から,キイロコウカアブがアナグマの新鮮な糞のにおいに反応し,巣穴の入口付近や溜め糞に,オスが繁殖縄張りを形成することがわかった. すなわち,「入口周辺にキイロコウカアブが飛び回る巣穴は、高確率でアナグマが利用中である」と判断できる.付近にトレイルカメラを設置することによって,キイロコウカアブの成虫期には効率的なアナグマの調査が可能となる.(和文要約より引用)
アナグマだけでなく、どうやらタヌキの溜め糞にもキイロコウカアブ♂が縄張りを形成するようです。
私も実際にこの溜め糞に狙いを定めてトレイルカメラを設置したところ、見事にタヌキの脱糞シーンを動画で記録することに成功しました。
関連記事(同じ日の夜に撮影)▶ 夜の山道で溜め糞に排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】


タヌキの溜め糞をめぐる生き物たちの営み(生態系)がますます面白くなってきました。 


 

クリ樹洞の巣口を守りキマワリを追い払うモンスズメバチ♀門衛

前回の記事:▶ 早朝からクリ樹洞の巣口を守るモンスズメバチ♀門衛

2021年8月中旬・午後15:45頃・くもり 

珍しく明るい昼間に様子を見に来ました。 
クリ樹洞の巣口で1匹のモンスズメバチ(Vespa crabro)のワーカー♀が門衛を務めています。 
縦に裂けた樹洞の割れ目に陣取って周囲を常に警戒しています。 
門衛役は特定の同一個体が専任しているのか、個体標識して調べてみたいものです。 
なんとなく、羽化後の日齢が若い個体の役割ではないかと個人的には想像しています。 

冒頭で帰巣した外役ワーカーを門衛が誰何しました。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
同じ巣の仲間だと(おそらく匂いで)認識したようで、外役ワーカーは無事に入巣しました。 

続けて1匹のキマワリ(Plesiophthalmus nigrocyaneus)がクリの太い幹を上から歩いて降りて来ました。 
キマワリがモンスズメバチの巣口にうっかり近づくと、門衛がすぐに気づいて撃退しました。 
侵入者に噛み付いたかどうか、1/5倍速のスローモーションで見ても死角で写っていませんでした。 
キマワリは慌てて逃走。 
キマワリは朽木やキノコを食べるらしいのですが、スズメバチにとっては無害です。 
たまたま通りかかっただけのキマワリは災難でした。
関連記事(3年前の撮影@今回と同じクリの木)▶ クリの樹皮を噛り幹を登るキマワリ
外役ワーカーが出巣しようとしただけでも門衛は喧嘩腰に素早く振り返り、警戒を怠りません。 
誰何を受けた外役ワーカーが無事に外出しました(出巣)。 


 

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