2020年11月中旬・午後15:20頃・晴れ
夕方に川岸の倒木で夕日を浴びながら休んでいるカワウ(Phalacrocorax carbo hanedae)の群れを撮影していると、急に止まり木から川に次々と飛び込みました。
計5羽のカワウが川の一箇所に集まって集団で漁をしています。
釣りをしない私は魚の習性に疎いのですが、おそらく水中の捕食者に追われた小魚の群れが川面でピチピチと跳ね、水面の魚群を目ざとく見つけたカワウが直ちに駆けつけたのでしょう。
カワウは通常、単独で漁を行い、全身が完全に水中に潜って魚を捕ります。(単独潜水漁)
一方、今回の集団漁では水中に首だけ突っ込んで浅いところから獲物を捕食していました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:36〜)、ピチピチ暴れる小魚を嘴で咥え飲み込んでいるのが分かります。
突発的な集団漁は残念ながらすぐに終わってしまいました。
カワウの集団漁を初めて観察できて興奮しました。
素人目には「囲い込み漁」と呼べるほど高度な連携の取れた漁ではなく、参加者が我先に捕食している印象でした。
中川雄三『水辺の番人カワウ』によると、
小魚の群れを追うときには集団で、大物を狙うときには個々にばらばらになって魚を追いかけます。(p26より引用)集団漁が解散すると、カワウは次々に川面を岸に向かって遊泳し、止まり木へ戻りました。
川岸の倒木には更に5羽以上の個体が残っていました。
集団漁に参加したのは、カワウの群れの一部だけでした(構成は若鳥2羽と成鳥3羽)。
漁場に残っていた1羽のカワウが川面で翼をばたつかせて濡れた羽根の水気を切りました。
そこへ2羽のカワウが続々と下流から飛来し、急降下すると川面に着水しました。
また別個体の1羽が上流へ向かって助走し、飛び立ちました。
急上昇してから右に旋回し、下流へ飛び去りました。
直接下流に向かって助走・離陸しなかったのは、風向きの影響なのでしょう。
(向かい風が無いと重いカワウは飛び立てない)