2021/01/22

ヒミズの死骸に群がるアリとキンバエ♀

 

2020年9月下旬・午後15:50頃・くもり 

里山の峠道の舗装された路上にヒミズUrotrichus talpoides)が仰向けで死んでいました。 
素人目にはかなり新鮮な死骸で、目立った外傷や出血は認められませんでした。 
私の鼻には未だ何も死臭を嗅ぎ取れません。
穴掘りするモグラと違い、ヒミズの前脚は華奢です。 

クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀と別種の微小な赤アリ(種名不詳:腹部だけが黒っぽい)が死骸の毛皮の上を徘徊していました。 
2種のアリがニアミスしても争いにはならず、何事もなくすれ違いました。 

死臭を嗅ぎつけたキンバエの一種♀(Lucilia caesar?)が早速飛来すると、口吻を伸ばして死骸の表面を舐め回し始めました。 
どういう訳か、死んだヒミズの左後脚の足の裏を特に舐めていました。 

余談ですが、実は撮影の直前に、散歩していた近所の飼い犬2頭と放し飼いの状態ですれ違いました。 
(飼い主は後から少し遅れてついて来ました。)
嗅覚の優れたイヌが路上に転がっていたヒミズの死骸に気づかなかったはずがありませんが、何も興味を示さずに通り過ぎました。 
よほど躾の行き届いた飼い犬なのか、それともイヌはヒミズ(の匂い)が嫌いなのですかね? (※ 追記参照)
リードを離して飼い犬を自由に散歩させるのは都会(人口密集地)では問題になりますけど、過疎地の農村部では別に目くじらを立てることもないでしょう。(TPO次第) 
山歩きの際にツキノワグマとの遭遇事故を防ぐために最も効果的なのは、鈴を鳴らすことよりも番犬を連れて歩くことです。 
また、里の農作物を食い荒らす野生ニホンザルなどの害獣を集落から追い払うモンキードッグとしての役割も期待されています。


※【追記】
哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』でヒミズの死体について調べると、
体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)

ヒミズに特有の匂いを私はまだ感じた記憶がありません。 

ミゾソバの花蜜を吸うメスグロヒョウモン♀

 

2020年9月下旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓の道端に咲いたミゾソバの群落でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が訪花していました。 
右前翅翅頂および左後翅が破損した個体です。 
大きく開いた翅を軽く開閉しながら吸蜜しているのですが、背側からのアングルだと花も口吻もよく見えません。 
この組み合わせは初見だったのに、私が他の虫に気を取られている間にメスグロヒョウモン♀は逃げてしまいました。

2021/01/21

砂利道で巣材を集めるスズバチ♀(泥団子作り)

 

2020年9月下旬・午後13:30頃・くもり 

里山の峠道でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)がせっせと巣材を集めていました。 
砂利道の中でも砂利の少ない土が露出したわだちの部分を選んで採土してます。 
地面は乾いているのですが、口から水を吐き戻しながら地面を大顎で掘り、きれいな泥玉に整形します。 
完成した泥団子を抱えて飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
大顎と前脚で泥玉を挟み込んで泥巣に運びます。 
採土場を記憶するための定位飛行はしませんでした。 
残念ながら今回もスズバチ♀の営巣地を突き止められませんでした。

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