2020/11/09

オオイタドリの花蜜を吸うコアシナガバチ♀

 

2020年8月上旬〜中旬・午後・晴れ 

堤防路の横に咲いたオオイタドリの群落でコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀が訪花していました。 
6日後にも同じ群落で吸蜜していたので、同じ動画にまとめました。 

最後に、オオイタドリの葉の大きさを左手の掌と比べています。 
葉の根元がハート型になり、葉裏が白いのもオオイタドリの特徴です。
(ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑:夏』p119より) 
 

この夏はオオイタドリに訪花する送粉者を調べています。 
子供の頃はそこら中に自生していたように記憶しているのですが、現在ではイタドリが優占しています。 
珍しくなったオオイタドリを見るには、ようやく探し出した数カ所の自生地にわざわざ通わないといけません。
身長の低かった幼少期には、自分よりも背の高いオオイタドリが強烈な印象に残っていたのかも知れません。
道端のオオイタドリが草刈りされるんじゃないかと気が気でなくて、必死に通いました。 

 

2020/11/08

水たまりでミギワバエを捕食するハクセキレイ♀とホオジロ♂(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後13:15頃・晴れ 

河川敷の舗装路が水浸しになっていて、浅くても大きな水溜りになっていました。 
そこで2羽のハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)および1羽のホオジロ♂(Emberiza cioide)が走り回り、水面をピョンピョン跳ねる多数の小虫を捕食していました。 
ハクセキレイはもしかすると♀成鳥ではなくて、今年巣立ったばかりの若鳥の兄弟姉妹かもしれません。  

撮影後に私も獲物の正体をしっかり確認すべきだったのに、先を急ぐ用事があって怠りました。 
アメンボ類かもしれませんが、1ヶ月前に同じ河川敷の水溜りで跳びはねるミギワバエの大群を見ているので、おそらくこれでしょう。
▼関連記事:水たまりに集まり跳ねるミギワバエの一種
道の向こうから女性が歩いて来ると、ホオジロ♂は真っ先に気づいて飛び去りました。
 一方、近くにいたハクセキレイは、ホオジロにつられて飛び立つかと思いきや、もうしばらく粘ってから逃げました。 
やはり、未だヒトをあまり恐れていない若鳥なのかもしれません。 

捕食行動および飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
3羽の行動を眺めていると、捕食効率は良くありません。 
素早く跳びはねて逃げるミギワバエ?の反射神経に鳥はなかなか太刀打ち出来ないようです。
採餌経験の浅いハクセキレイの若鳥が闇雲に虫を追い散らして遊んでいるだけのような気もしてきました。

モンスズメバチの巣がある樹洞内を夜に覗いてみると…【暗視映像】

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#2

▼前回の記事 
八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチの門衛♀が近寄るアリやハエを撃退

2020年8月上旬・午前2:00頃・晴れ・外気温23.6℃・湿度78% 

2日後の深夜(草木も眠る丑三つ時)にモンスズメバチVespa crabro)が営巣するヤエザクラ(八重桜)の木をそっと見に来ました。 
モンスズメバチは夜行性とされているのに、外役ワーカー♀がなぜか1匹も活動していませんでした。
巣口を守る門衛役のモンスズメバチ♀の姿もありません。 
動画の冒頭で、樹洞の上縁からゲジが外の幹に這い出てきました。(@0:06) 
門衛のモンスズメバチ♀が不在の代わりに、樹洞付近の幹には多数のワラジムシPorcellio scaber)が徘徊しています。 
昼間にモンスズメバチの巣が駆除されてしまったのか?と嫌な予感がします。

赤外線の暗視カメラで樹洞の中を覗いてみると、在巣の蜂は無事でした。 
カメラを樹洞内に差し込むまで多少ガサゴソと物音を立ててしまったのに、蜂は意外と落ち着いていて、暗視カメラを目掛けて飛びかかってくることはありませんでした。 
昆虫の目に赤外線は見えませんから安全です。 
対スズメバチ専用の防護服は高嶺の花ですが、万一、撮影中に蜂が飛びかかってくることを用心して、白い服を着用してきました。 
後半は赤外線投光器2台を樹洞の底に置いて上の巣盤を照射しながら撮影しました。 
私はかなり慎重派なので、もしモンスズメバチが夜中も活発に巣から出入りしていたら勿論、刺される危険を冒して巣内を撮影することはなかったでしょう。 

樹洞は幹の内部で更に上まで侵食されており、その天井に多層の巣盤が吊り下げられていました。 
地面から巣口までの高さは約92cm。 
巣盤はほぼ剥き出しの状態で露出していましたが、これから天井部から下に向って巣盤全体が球状の外皮で覆われつつあるようです。  
樹洞の開口部を上から一部塞いでいる外皮に何の意味があるのか不明です。 
巣内の温度調節や外敵侵入防止にしても中途半端な気がします。 

樹洞内を覗くと、剥き出しの巣盤(大小2段構造)上で多くの成虫♀が覚醒していました。 
巣内で寝ている成虫♀もいます。 
在巣の成虫は計14匹ぐらい見えました。 
巣盤の隙間に隠れている個体も含めればもっと多くなりそうです。 
巣盤に居る♀のうちどれが女王蜂(創設女王)なのか、私には見分けられませんでした。 
体格が明らかに大きいはずですが、巣盤の奥に隠れて寝ているのかも知れません。  
上段の巣盤の中央付近の育房にはまるまると太った老熟幼虫が見えます。 
起きているワーカー♀同士がキスを交わして栄養交換しました。

ワラジムシは樹洞内でも活動していました。 
モンスズメバチの巣に同居(居候)する「好雀蜂性」の虫と呼べるかな? 

蜂が意外に落ち着いていますし、赤外線による暗視映像は色味が無いので、補助照明を白色LEDに切り替えて撮ろうか迷いました。 
しかし夜行性のモンスズメバチを刺激したくないので、暗視映像だけで我慢します。 

私が野外でモンスズメバチの巣を見つけたのはこれで2例目になります。 

▼関連記事のまとめ(6年前に撮影した定点観察シリーズ) 
モンスズメバチの巣(クヌギ樹洞):2014年

6年前に山中のクヌギ樹洞で見つけたコロニーでは、
  1. 夜も外役ワーカーが忙しなく出入りしていました。
  2. 気温が下がっても昼夜を問わずに門衛が巣口付近で扇風行動をしていました。
▼関連記事(6年前の撮影@気温16℃) 
涼しい夜も巣口で扇風行動するモンスズメバチ♀【暗視映像】

軒下や樹上の開放空間に営巣する(吊り下げ型)コガタスズメバチの場合、外気温が30℃を越えると巣内温度を下げるためにワーカー♀が外皮上で扇風行動を始めます。
これは教科書通りで理解できるのですが、外気温16℃なのに扇風行動するモンスズメバチが不思議でなりませんでした。
今回は6年越しの謎を解き明かしたくて、確かめに来たのです。 
ところが樹洞の入り口付近をガードする門衛は1匹も居ませんでしたし、巣内でも扇風行動は見られませんでした。 
未だ観察例が少ないので、どちらが正常なのか結論は出せません。 
6年前の巣では温度調節(過熱防止)以外に何か特殊な必要に迫られて(例えば過密状態で酸欠の危機? 発酵した樹液を飲み過ぎて酩酊?)巣内に日夜送風していたのではないかと現時点では考えています。 
図鑑や書物に書いてあるほど現実のモンスズメバチの生態は決まりきっておらず、コロニーによって個性があるのかもしれません。 



 

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