2014/01/28

巣口から排泄するコガタスズメバチ♀



2013年7月下旬

軒下に営巣したコガタスズメバチの定点観察#3

この日の天気は雨。
コガタスズメバチVespa analis insularis)は巣内で盛んに活動しているようですけど、ほとんど外出しませんでした。

内役していた♀(ワーカーまたは創設女王)が巣口から腹端を出し、透明の?液体を大量に排泄しました。
腹端から出たので、口から水を吐き戻したのでは無いと思います。
映像の後半は1/4倍速のスローモーションでリプレイ。

偶然撮れた映像ですが、スズメバチ類の脱糞シーンは初めて見ました♪
巣内を汚さないよう巣口から外に排便するとは感心、感心。
晴天の日は外役のついでに飛びながら排泄すると思われます。(外役に出かけない女王蜂は常に巣口から脱糞?)


つづく→シリーズ#4



【追記】
どうやらこの排泄行動は、スズメバチにしては珍しいようです。
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
スズメバチやマルハナバチの脱糞は巣の中でおこなわれるが、ミツバチだけは、必ず巣の外で、飛んでいる最中におこなう (p256より引用)




飛べ!ヤマトシリアゲ♂【ハイスピード動画】



2013年6月上旬

薄暗い林床の下草にヤマトシリアゲ♂(Panorpa japonica)が止まっていました。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。



2014/01/27

巣材の樹皮を丸ごと巣に搬入するコガタスズメバチ♀の謎



2013年7月下旬

軒下に営巣したコガタスズメバチの定点観察#2

コガタスズメバチVespa analis insularis)の巣に出入りするワーカー♀の活動を観察していたら、非常に興味深い映像が撮れました。

何か細長い褐色の物体を大顎で咥えた蜂が画面を横切って飛来し、巣の横の白壁に一瞬止まりました。
映像をスロー再生(1/4倍速)で見直すと、獲物ではなく生の樹皮を剥いだものでした。

実はこの建物のすぐ横に針葉樹(メタセコイアの高木)が聳え立っており、巣から幹までの直線距離は約3mもありません。
巣材集めの蜂がその樹皮を力任せに剥がした際に、勢い余って壁まで飛んで来たのかな?
「どこかに止まり直し、樹皮をゆっくり噛みほぐしてペレット(団子状のパルプ)にしてから巣に搬入するのだろう」とこれまでの常識から想像しました。

ところが、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮影を続けると、意外な展開になりました。
外被の上部で増築作業を続けているワーカーがいる一方で、細長い樹皮を咥えた(先程の?)ワーカーが帰巣しました。
未加工で嵩張る巣材を巣口から中に搬入しようと苦労しています。
門衛(門番)役の蜂に中から押し戻されているようにも見えます。
更に別個体が帰巣し、巣口で渋滞になりました。
ようやく2匹とも巣内に入りました。
巣材を噛み解す作業は巣内で行うつもりなのでしょう。
樹皮が大量に採れたときは仲間に分配し、手伝ってもらうのかもしれません。
(獲物の肉団子を幼虫に給餌する際は、狩りから帰った蜂が在巣のワーカー仲間に肉団子を分配することがあります。)

この異例の行動は、巣材を採取する樹木と巣がきわめて近距離にあるために起きた珍事なのでしょうか。
それとも、外役経験の浅い不器用なワーカーなのかな?


つづく→シリーズ#3


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