2026/08/06

池の底でアカハライモリ♀がアカムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:40頃・晴れ 

里山の中腹にある池でアカハライモリCynops pyrrhogaster)が暮らしています。 
この時期はイモリの繁殖期で、♂は婚姻色を呈します。 
池の底で活動していた1匹の♀に注目すると、捕食シーンを続けざまに観察できました。 

まず動画の冒頭で、イモリ♀が水底のデトリタスから突き出て動いていた獲物をパクっと捕食しました。 
食べられない泥を口内で選り分けて、口を閉じたまま鼻腔から煙のように吐き出しています。 
口をパクパクと動かして獲物を飲み込もうとしていますが、黒っぽい小さなゴミを口から吐き出しました。 
続けて、細長い赤い獲物も口から吐き出しました。(@0:20〜) 
これは、いわゆるアカムシ(ユスリカの幼虫)ですね。 
吐き出されたアカムシはまだ生きていて、しばらく擬死してから、身をくねらせて水中を逃げて行きます。 
イモリは目の前でアカムシを凝視しているのに、もう一度捕食しようとはしないで見逃しました。 

次にイモリ♀は、左から来たミズムシを正面からパクっと咥えて捕食しようとしたものの、逃げられました。(@0:44〜) 

その次は、水底のデトリタスごと獲物を食べてから、アカムシを口から吐き出しました。(@0:53〜1:02) 

最後にアカハライモリ♀は左にダッシュして、水中を泳いでいたアカムシを見事に捕食しました。(@1:02〜) 
今度は獲物をしっかり飲み込んだようです。


【考察】 
アカハライモリがアカムシ(ユスリカの幼虫)を食べたり食べなかったり(選り好み)する理由が私にはよく分かりませんでした。 
吐き出したアカムシが飲み込めないほど大きかったとは思えないのですが、味に好き嫌いがあるのでしょうか? 
捕食されかけたアカムシがイモリの口内で暴れたり忌避物質を出したりして、吐き出させているとしたら、面白い話です。 
被捕食者が何かしらの対抗戦略を進化させていてもおかしくありません。

アカハライモリはフグ毒と同じテトロドトキシンを体内に蓄積して捕食者から身を守っています。
イモリの腹面に鮮やかな(毒々しい)赤い模様があるのは、毒があることをアピールする警告色なのです。
ところが孵化したばかりのイモリ幼生は無毒で、餌に由来するテトロドトキシンを少しずつ溜め込んでいることが分かっているそうです。(生物濃縮
テトロドトキシンを含む獲物だけをなるべく食べるようにアカハライモリが選り好みしているとしたら、面白い話です。
しかし、テトロドトキシン自体は無色かつ無味無臭なので、仮説としてはいまいちです。

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