2026年5月中旬・午前10:30頃・晴れ
山麓で沢から雪解け水が流れ込む池Hでアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)の求愛行動が始まりました。
池の水が濁っているせいで見えにくいのですが、♂の尻尾が薄紫色の婚姻色になっています。
上から見下ろすアングルでも、腹面の赤い模様がたまにちらっと見えました。
性成熟した♀は、総排出口からイモリンと呼ばれるペプチドの性フェロモンを分泌しているので、♂はまずその匂いを嗅いで確かめます。
♀が水底を歩いたり泳いだりして逃げようとしても、♂が先回りして妨害します。
♂は逃げ回る♀の進路を塞ぎながら、♀の目の前で尻尾を小刻みに揺らしていました。
♂は尻尾の婚姻色を♀に見せつけるだけでなく、総排出口からソデフリンと呼ばれるペプチドの性フェロモンを分泌して♀を誘引するのだそうです。
♂を引き連れて♀が浅い岸辺まで来てくれたので、アカハライモリの求愛行動を明瞭に観察できるようになりました。
しつこく求愛する♂を押しのけたり迂回したりして、♀が逃げ回ります。
この♂個体が気に入らなくて選り好みしているのか、それとも♀個体が充分に性成熟していないのでしょうか?
アカハライモリの♀♂ペアは求愛行動に夢中で、周囲のオタマジャクシを蹴散らしながら池を泳ぎ回っています。
水中で激しく求愛する♂は酸素の消費量が激しいようで、いつもより頻繁に息継ぎする必要があるようです。
求愛中に♂が水面に浮上してすばやく息継ぎすると、すぐにまた水中に潜りました。(@2:27〜)
その隙に♀が♂から逃げようと急いで泳ぎ去ります。
逃げる♀を♂が慌てて追いかけ、その行く手を塞いで求愛します。
一方、♀が息継ぎのため緊急浮上すると、♂も後ろから追いかけて来ます。
水面で息継ぎした♀はすぐにまた潜水するので、逃げられないように♂自身は息を止めたまま♀をひたすら追いかけます。(@4:04〜)
今回の♀♂ペアは交尾に成功したのでしょうか?
精包の授受が無事に行われたのか、素人目にはよく分かりませんでした。
♂から求愛を受けていた♀が体をひねりながら何か白っぽい塊を咥えたのですが、(@2:51〜)これが♂から受け取った精包なのかな?
その後も♂がしつこく求愛を続けているということは、私の勘違いかもしれません。
アカハライモリの求愛行動を実際に観察できたのは初めてで、感動しました。
飼育下での求愛が詳細に記述されていますが、野外での撮影は大変でした。
イモリが池の深い所に移動すると、濁った水を通しての撮影が難しくなりますし、水面が風で波立つだけでもピンぼけになってしまいます。
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アカハライモリの生態について調べるなら、この本が断然おすすめです。
かゆいところに手が届く資料で、フルカラーの写真も素晴らしく、充実した内容です。
情報量が多く盛り込んであるのは、イモリを実験材料とした生物学研究の歴史が古いからでもあります。
各分野のイモリ研究者が寄稿したコラムが巻末に何本も掲載されていて、お得です。
子供にも配慮して、すべての漢字にルビ(読み仮名)が丁寧に振ってありますが、内容は本格的で子供だましの本ではありません。
ほかの生物種についても、このぐらい濃密な本を出して欲しいものです。
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