2026年5月中旬・午後12:15頃・晴れ
山中にあるモリアオガエル繁殖池で、関東型のダイミョウセセリ♂(Daimio tethys)が、岸辺に堆積したスギの落葉落枝の上に留まっていました。
翅を全開にしたまま黒い口吻を伸ばして、泥で汚れた落葉落枝の表面を舐めています。
ダイミョウセセリの飲水行動は初見です。
(ダイミョウセセリは)各種の花を訪れるほか、吸水や獣糞での吸汁も行う。(フィールドガイド『日本のチョウ』p280より引用)
多くの蝶では、♂が性成熟のためにミネラル摂取するのですが、ダイミョウセセリではどうなのでしょう?
図鑑で性別の見分け方を調べると、
♂♀で色彩・斑紋はほぼ同様だが、♀の翅形はやや丸い、♂の後脚の脛節に長い毛束がある、♂の腹部は細く、♀はやや太く、腹端に毛が密生する。(フィールドガイド『日本のチョウ』p280より引用)とのことでした。
しかし今回の映像では、いずれの形質も隠れて見えません。
後半にようやくダイミョウセセリが向きを変えてカメラに対して正対してくれたときに腹部をよく見ると、「♀は腹端が太く毛が密生」という特徴が当てはまらなかったので、どうやら♂のようです。
長時間泥を舐めてミネラル摂取する蝶の中には、余分な水分をときどき排出したり、尿をかけてミネラル成分を溶かしてから吸い戻しをしたりする種類が知られています。
今回のダイミョウセセリ♂が吸水中に排尿しているかどうか、残念ながら腹端がよく見えませんでした。
撮影中は気づかなかったのですけど、微小のハエ類(複数種、種名不詳)が辺りを徘徊したり、翅を開閉・誇示したりしています。
微小なハエが歩いて近づいたり飛来して左翅に留まったりしても、ダイミョウセセリ♂はほとんど気にしませんでした。
ビクッと翅を閉じかけても、しばらくすると全開に戻りました。
ダイミョウセセリ♂は一心不乱に舐め続け、一向に飛び立とうとしません。
自発的に飛び立つまで撮り続けるつもりだったのですが、さすがに痺れを切らしました。
ズームアウトしてから歩いて蝶に近づき、強制的に飛び立たせました。
飛翔能力は正常だったので、「飛べないダイミョウセセリが池の岸辺に不時着していた」という解釈を排除できます。
池ではモリアオガエルやアマガエルがひっそりと鳴いていました♪
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