2025/11/22

真夏の昼間に巣穴を掘り広げるニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年8月下旬・午前11:45頃・晴れ・気温35℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)営巣地(セット)での活動を自動撮影カメラで録画しています。 
それまで幼獣(当歳仔)の相手をして遊んでいた母親♀が、幼獣と別れて独りで巣穴Lに向かうと穴掘りを始めました。 
巣口Lの拡張工事をしているようです。 

今回は母親♀の穴掘りを手伝おうとする幼獣個体はおらず、もうひとつの巣口Rで幼獣同士が遊んでいます。
ときどき軽く吠えるような鳴き声が聞こえますが、おそらく遊んでいる幼獣の鳴き声でしょう。

 つづく→

イヌトウバナの花蜜を吸うスジグロシロチョウ夏型♂

 

2024年8月下旬・午後12:00頃・晴れ 

里山(低山)の林道で、車のわだちに挟まれた中央草帯に白い小さな花が咲いていて、パッチ状の小群落が形成されていました。
そこにスジグロシロチョウPieris melete)の夏型♂が訪花していました。 
いつものように翅をしっかり閉じたまま、小さな唇形花に口吻を差し込んで吸蜜しています。 
少し飛んで別な株の花序に移動しました。 




やがて満ち足りた蝶は、近くのチヂミザサの葉に留まりました。 
翅を閉じ、ゼンマイ状に丸めた口吻をかすかに伸縮させています。 
小休止の後、スジグロシロチョウ♂はどこかに飛び去りました。 

さて、この地味な花の植物は何と言う名前なのでしょうか? 
細い茎に指先で触れると断面が四角形で、おそらくシソ科だろうと予想がつきます。 
葉をちぎっても、ミントの匂いはしませんでした。 
写真に撮ってGoogleレンズで画像認識してもらうと、イヌトウバナと判明しました。 
近縁種のヤマトウバナは分布が本州中部以西とのことで、除外できます。








2025/11/21

カモシカの溜め糞場を素通りするハクビシン:その3【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬・午前2:05頃 

草木も眠る丑三つ時に、ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が奥から手前に向かって山林の林床をうろついています。 
ニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を横切っても、まったく興味がないようです。 
ミズナラの幹に固定した岩塩プレートには気づかずに通り過ぎました。 


つづく→

ノスリのハンギング飛翔ほか(野鳥)

 

2024年7月下旬・午後12:15頃・くもり 

郊外で田畑の上空を2羽の猛禽が飛び回っていました。 
逆光でほとんどシルエットしか見えなかったのですが、なんとか翼の下面の模様からノスリButeo japonicus)と判明しました。 

1羽が木の葉落としのような飛び方で急降下(波状飛行)をしています。 
このとき鳴き声を発してはいませんでした。
これは強風に煽られて遊んでいるのか、それとも求愛や威嚇、縄張り争いのためのディスプレイ飛翔なのでしょうか? 


Perplexity AIに相談すると、
7月下旬はノスリの繁殖期(抱卵や育雛)はすでに終了しているため、典型的な求愛ディスプレイ飛翔(繁殖目的)はこの時期には通常見られません。

背景が雲しかない空だと、動き回る被写体を撮り続けようとしても、カメラのAFがすぐに見失ってしまいます。 
手前の木々やスギ防風林が邪魔で、思うように撮影できません。 
私は車道に沿って移動するしかできないのですが、少し進むと、さっきと同一個体と思しきノスリが今度は強風を受けて空中で一点に静止していました。 
翼を広げたままで羽ばたきません。 
上空から農地を見下ろしてハタネズミなどの獲物を眼光鋭く探しているのでしょう。
ノスリのこのような停飛は、ホバリングではなくハンギングと呼ぶのだそうです。
採餌のために、羽ばたかずに空中の1点に留まるハンギングを繰り返すのはノスリの特徴 (『フィールドガイド日本の猛禽類vol.04ノスリ』p11〜12より引用)
途中からもう1羽が合流し、2羽で一緒に飛んでいます。 
今回もズームインすると、AFが被写体を見失ってしまいました。 

この2羽は♀♂つがいなのか、それとも巣立った幼鳥が飛ぶ練習をしているのでしょうか?
スギ防風林のどこかにノスリの巣があるのではないかと、推測しているのですが、ここ何年も確かめられていません。



つづく→

2025/11/20

岩塩が気に入り何度も通って舐めるニホンリス【トレイルカメラ】夏の塩分摂取

 



2024年8月下旬〜9月上旬 

シーン0:8/23・午後12:45・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の針広混交林にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 

新たな試みとして、ミズナラの幹にプレート状のヒマラヤ岩塩(155×100×25mm、870g)をベルトで固定して、野生動物の塩場を作ってみました。 
ニホンリスSciurus lis)が通ってくる様子を以下にまとめました。 


シーン1:8/24・午後17:59(@0:03〜)日の入り時刻は午後18:23。 
夕方に1匹のリスがミズナラ幹の左側面で、岩塩プレートのすぐ下を登りかけていました。 
しかし、まだ不審な岩塩を警戒しているのか、奥にあるスギの細い幹に飛び移りました。 
スギの幹を登り、枝葉で動き回っています。 
やがて林床に飛び降りると、獣道を右へピョンピョン走り去りました。 


シーン2:8/27・午前7:38(@0:31〜) 
3日後の朝に、リスがまた現れました。 
ミズナラ幹の陰に隠れていたリスが右側に回り込み、岩塩を固定した黒いベルトに興味があるようです。 


シーン2:8/27・午前8:20(@0:43〜) 
約40分後にリスが再登場。 
ミズナラ幹の右側面にしがみついたリスが手前に回り込んで、ベルトの匂いを嗅いでいます。 
木を少し登り下りすると、頭を下にした逆さまの状態で遂に岩塩プレートをかじり始めました。 
口で咀嚼する動きが見られたので、岩塩の表面を舐めるだけでなく歯で齧ったようです。 
リスが岩塩を摂取するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:43〜)。 


シーン3:8/27・午前8:22(@2:29〜) 
次にリスはミズナラの幹から地面に飛び降り、走り去りました。 
と思いきや、ミズナラの根元に再登場。 
落ち葉の下に顔を突っ込んでいるようですが、虫を捕食しているのか、それとも塩水が滴り落ちた落ち葉を舐めているのかな? 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:29〜)。


シーン4:8/28・午前7:38(@4:23〜) 
翌朝にもリスが塩場にやって来ました。 
ミズナラ幹の裏側に登って岩塩プレートを舐めているようです。 
初めは死角でよく見えなかったのですが、方向転換してくれて、リスと判明。 
頭を下向きで幹に止まり、岩塩プレートを直接舐めたり齧ったりしているようです。

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@4:34〜)。


シーン5:8/29・午前9:31(@4:45〜) 
翌日の朝にもリスが姿を現しました。 
スギ幹の下部を登り降りしています。 
林床に一旦降りてからミズナラの木に登ったものの、幹の裏側でリスの姿が見えません。 
監視カメラを警戒しているのでしょうか? 


シーン6:8/29・午前9:33(@5:07〜)
次にリスはミズナラ幹の右側から手前に回り込み、ようやく姿をしっかり現してくれました。 
岩塩プレートを固定するベルトに興味を示しています。 
ただベルトの匂いを嗅いでいるだけなのか、それとも塩分が染み込んだベルトを舐めているのかな? 

幹に下向きになり、地面に飛び降りて手前に走り去りました。 


シーン7:8/29・午後17:28(@6:02〜)日の入り時刻は午後18:16。 
約8時間後の夕方にリスがまた塩場に来ました。 
地面からミズナラ幹を少し登り、岩塩プレートの直下の塩味が効いた樹皮を舐めています。 
途中から幹の手前側に回り込んでくれたおかげで、カメラからよく見えるようになりました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@7:01〜)。


シーン7:8/29・午後17:30(@8:01〜) 
次にニホンリスは再びミズナラ幹の裏側に回り込んでしまいました。 
幹に下向きになって、岩塩プレートを直接舐めているようです。 
少し幹を下りてから頭を上向きに戻し、岩塩プレート直下の樹皮を舐めています。 

このときリスがチョッ、チョッ、チョッ♪と小声で3回、間隔を開けて鳴きました。(@8:39〜) 
鳴き声と同時にリスが口を開閉したので(リップリンクロ)、リスの鳴き声で間違いありません。 
前後の行動を見てもリスに危険が迫った状況ではなく、警戒声ではなさそうです。 
リラックスして樹皮を舐める合間に鳴きました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@9:00〜)。
※ 鳴き声が聞き取れるように、ここだけ動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


シーン8:8/30・午後16:59(@9:43〜) 
翌日も夕方にリスが塩場に来ていました。 
ミズナラの幹で少し木登りして、岩塩プレート直下の樹皮を舐めていました。 
すぐに地面へ飛び降りると、奥のスギ幹の下部に登ってから奥に走り去りました。 
スギの樹皮も舐めて味を比べているのかな? 


シーン9:9/3・午前10:17(@10:03〜) 
4日後の午前中。 
スギの幹に地面から登りかけたリスが左に飛び降り、林床をチョロチョロと駆け抜けました。 


シーン10:9/3・午後15:38(@10:13〜) 
約5時間20分後にリスがミズナラ幹の根元に来ていました。 
立ち上がってミズナラ幹を少しだけ登り、岩塩プレートから樹皮を滴り落ちる塩水を舐めているようです。 
リスの腹面は白いことがよく分かります。 
最近は岩塩プレートを直接舐めることはしなくなりました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@11:14〜)。 


シーン11:9/3・午後15:39(@12:15〜) 
次にリスは、スギの根元で落ち葉を舐めていました。 
岩塩プレートから滴り落ちる塩水が落ち葉に染み込んでいるのでしょう。 

やがてリスは奥のスギ幹に取り付いてから、獣道を右へ駆け抜けました。 


シーン12:9/4・午前6:54(@12:33〜)日の出時刻は午前5:09。 
翌朝も、リスはミズナラの根元の落ち葉を舐めに来ていました。 
地面からミズナラの幹に跳びつくと、少しだけ登って樹皮を舐めました。 

やがて奥に飛び降り、スギ幹の下部を経由して、奥に素早く走り去りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@13:16〜)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】 
私としては、ウシ科のニホンカモシカが塩場に通うようになると予想(期待)して、カモシカの溜め糞場に岩塩を設置したのです。
ここに出没する野生動物の中で、まさかニホンリスが岩塩を一番気に入ってくれるとは全く予想外でした。

見慣れない不審物に対してリスは当初かなり警戒していましたが、ついに勇気を出して不審な岩塩プレートを味見してみたら、塩だと気づいてくれたようです。 
体が欲する塩分が気に入って、歯で齧り始めました。 
逆さまの体勢を長時間続けても平気なリスの身体能力の高さに驚きます。 

その後リスは塩分を摂取しに、頻繁に通って来るようになりました。 
ニホンリスの観察歴が浅い私には個体識別ができませんが、この山林では生息密度が低いので、おそらく同一個体のリスが塩場に通ってきているのでしょう。
(同一個体と仮定して)同じ日に何度も塩場に来ることもありました。
当地の自然界にはない岩塩はリスにとって強烈な嗜好品となり、ほとんど中毒状態(依存症)になったかもしれません。 

塩分を摂り過ぎると体がパンパンにむくむだけでなく、リスが高血圧にならないか心配です。 
塩を舐めた後は喉が渇くはずですが、リスはどこで水を飲むのでしょうか? 
私は未だニホンリスが水を飲むシーンをトレイルカメラで撮れたことがありません。
というか、リスが通う水場が一体どこにあるか、突き止める必要があります。
もしも真夏の渇水(雨不足)で水場が干上がり、水が飲めなくなると、塩を舐めたリスにとって死活問題になります。
岩塩の横に水場(鳥用の自動給水器)を設置したら、リスは飲んでくれるかな? 

後半になると、リスは岩塩プレートから直接舐めたり齧ったりすることは減り、真下の落ち葉や幹の樹皮を舐めるようになりました。
岩塩が雨で溶けて滴り落ち、濡れているのでしょう。
間接的に塩分を舐めることで、過剰摂取を避けることを学習したようです。


岩塩を舐めに通うリスについて、Copilot AIに質問してみたら、以下の回答が得られました。
はい、リスは塩を舐めることがあります。特に、自然界ではミネラルを補給するために塩を求めることがあります。リスが塩を舐める行動は、体内のナトリウムやその他のミネラルバランスを保つためです²。

野生のニホンリスが塩を舐めるという具体的な記録は見つかりませんでしたが、リスは一般的にミネラルを補給するために塩を求めることがあります²。ニホンリスも同様に、必要なミネラルを摂取するために塩を舐める可能性があります。 

後日(9月上旬)に現場入りした際に、岩塩プレートの状態を写真に撮りました。
リスが岩塩を直接齧った跡が残っています。
しかし素人目には、リスの門歯で削った歯型とは分かりませんでした。







岩塩を野外に放置すると、雨が降る度に少しずつ岩塩が溶け落ちるだけでなく、晴れた日も空気中の水分を吸収して岩塩の表面が濡れてきます。
特に湿度(湿気)の高い環境では顕著です。
これは潮解ちょうかいと呼ばれる現象です。
岩塩プレートにベルト(化繊のストラップ)を2本巻いて木の幹に固定しているのですが、ベルトとの接触面からも重点的に岩塩が溶けていきます。
最終的にはベルトによって岩塩プレートが自然に切断されてしまいそうです。
岩塩の下端はずり落ちてこないように、木ネジで支えています。
岩塩の設置法には改良が必要ですね。

つづく→ 


【アフィリエイト】 


 

↑【おまけの動画】 
"We Hung a SALT LICK on a Post in the Woods. We couldn't believe what showed up! Trail Camera" by The Outdoor Theater 

私とは岩塩の設置法が違い、今後の参考になりました。
紐を通せる穴が開いたタイプの岩塩は値段が高いのが難点です。)
トレイルカメラの定点映像で、塩場に登場した色んな野生動物を長期間一気に見せてくれる編集スタイルです。
リスも何度か岩塩を舐めに(かじりに?)来ていたのが私と共通していて興味深いです。

深夜にも飛び回り二次巣に出入りするモンスズメバチ♀の群れ【暗視映像】

 



2024年8月中旬・午前2:20頃 

モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)は主に昼行性ですが、条件が良ければ夜になっても活動を続けることがあります。 
古い木造の屋根裏に最近引っ越してきたモンスズメバチの二次巣(移動巣)を深夜の丑三つ時に赤外線の暗視動画で撮影してみました。 
巣に近づいて耳を澄ますと、重低音の羽音が聞こえます。 
営巣地に忍び寄る私に気づいて警戒しているというよりも、真っ暗な夜にも依然として活動を続けているようです。 
モンスズメバチ♀は、夜も巣から雑木林の樹液酒場に通って吸汁することが分かっています。 



ナイトビジョンのハンディカムに赤外線投光器を2台追加しても、光量不足であまりズームインできません。 
手ぶれ防止のために三脚を持参すべきでした。 

モンスズメバチのワーカー♀は、巣口付近を少し飛んでは破風板に止まり直して登る、を繰り返しています。 
今回、巣口がある破風板で扇風行動をするワーカー♀はいませんでした。 
この日はデジタル温度計を持参するのを忘れてしまい、気温を測定していません。 


真夜中の暗闇を飛来して帰巣する個体や、巣口から飛び去る個体がいます。 
門衛が巣口で見張ってるようで、出入りする仲間を誰何すいかしています。 

この二次巣でもモンスズメバチの夜行性が確かめられました。 
静かに撮影しているだけの私をモンスズメバチ♀が攻撃することはありませんでした。


※ 動画素材の順番を入れ替えました。 


つづく→

2025/11/19

夏の夜に山中の湿地帯を横切るニホンイノシシ母子の群れ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬・午後21:51・気温23℃ 

山中の湿地帯で水溜りSを自動撮影カメラで見張っていると、ある晩にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の親子群が通りかかりました。 
母親♀が先頭になり、右から左へ手前を横切るところでした。 
幼獣が迷子にならないように低音でブーブー♪鳴いています。(コンタクトコール) 
イノシシ成獣の腹面に乳房と乳首がちらっと見えたので、母親♀と分かります。 
その母親♀が立ち止まった直後に抜け毛が夜風に舞ったので、手前にあるホオノキ大木の幹に体を擦り付けたようです。 

計4頭の幼獣が写っていました。
この地点でウリ坊(ニホンイノシシの幼獣)は初見です。 
縞模様がある幼獣(ウリ坊)が水溜まりSの奥からもやって来ます。 
水溜まりの中を横断した幼獣個体は、水を飲んだりヌタ打ち(泥浴び)したりしませんでした。 
岸辺の泥濘に鼻面を突っ込んで掘り返している幼獣個体がいます。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

シマヘビの幼蛇:休息からの蛇行逃走

 



2024年8月下旬・午前13:20頃・くもり 

郊外の住宅地でシマヘビElaphe quadrivirgata)の幼蛇が道端でじっとしていました。 
家屋の北側で、しかも木陰のため、日光浴ではないはずです。 
私を警戒しているのか、舌の出し入れはしていません。 

私が右足の爪先で蹴るそぶりをすると、左を向いていたシマヘビ幼蛇は、身を翻して右の草むらに素早く逃げ込みました。 
蛇行の逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:23〜)


2025/11/18

夏の雨夜に水場に来たホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年8月下旬・午前0:53・雨天・気温22℃ 

山中の湿地帯にある水溜りSで、雨が降る深夜に、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
この地点でタヌキは初見です。 
ガリガリに痩せた個体ですが、夏毛のせいでそう見えるだけかな? 

タヌキは水面の匂いを嗅いだだけで、水を飲みませんでした。 
その後はホオノキ大木の根元で(画面の左下隅で)立ち止まって何かしています。 
下草がずっと揺れているので、カエルなどの獲物を探しているのかもしれません。 

※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

ブッドレア(紫)の花で採餌するクマバチ♀

 

2024年7月下旬・午後13:10頃・晴れ 

道端の庭木として植栽されたブッドレアに紫の花が咲いています。 
キムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

クマバチにズームインすると、小花の筒状花冠に丹念に正当訪花で吸蜜していました。 
後脚の花粉籠は空荷です。

隣には花が白い品種のブッドレアも咲いていたのですが、クマバチは紫の花が好きなようです。

2025/11/17

ニホンアナグマの営巣地にバナナの果実を置いてみた反応は?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬〜9月上旬

シーン0:8/18(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に自動センサーカメラを設置して見張っています。 
実割れしたバナナ1本を試しに営巣地の地面に置いてみました。 
近所からやって来るタヌキは、バナナが気に入らなかったようですが、アナグマはどうでしょうか? 



シーン1:8/19(@0:13〜) 


シーン2:8/20(@2:02〜) 
深夜にバナナのすぐ横を走って通り過ぎました。(@2:12〜) 


シーン3:8/23(@2:14〜) 
バナナはまだ手つかずのままです。 
晴れた昼前にバナナのすぐ横を走って通り過ぎました。(@3:30〜) 

幼獣同士で取っ組み合いをしながら、1頭が仰向けになりました。 
このとき下腹部に見えるデベソのような小さな突起は、♂の生殖器なのでしょうか?(@4:30〜) 


シーン4:8/24・(@5:43〜) 


シーン5:9/1・(@6:07〜) 


【考察】 
バナナの果実を給餌しても、ニホンアナグマの母親♀と3頭の幼獣(当歳仔)はまったく普段どおりの生活でした。 
熟したバナナには全く興味を示さず、試食どころか匂いも嗅ぎませんでした。 

アナグマの食事は主にミミズですが、実は雑食性で果実を食べることもあるのだそうです。 
しかし当地のアナグマは、バナナの果実をそれまで見たことも食べたこともないはずです。 
てっきり雑食性のタヌキかアナグマがバナナを見つけたらすぐに持ち去るかその場で食べてしまうだろうと予想していたのですが、外れました。 
何かの罠だと警戒しているのでしょうか。 
熟したバナナの匂いがアナグマは嫌いなのかもしれません。 
皮を剥いたバナナを給餌すれば食べてくれたかな? 
野生動物を餌付けするつもりはないので、バナナを与えたのはこの1回だけです。 


イネ科の草の実を直接ついばむドバトのペア(野鳥)

 

2024年7月下旬・午後14:05頃・晴れ 

河川敷の遊歩道を私が散歩していたら、橋の下に♀♂つがいと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が一緒に採食していました。 
私が知らん顔して横を通り過ぎても、鳩は人馴れしているのか逃げませんでした。 
少し離れてから振り返って、動画を撮り始めました。 

2羽のドバトが仲良く並んで、道端に生えたイネ科雑草(種名不詳)の実を直接ついばんでいます。 
後半は、舗装路に落ちている草の実も食べています。 

やがて奥にいるやや大型個体(♂?)が胸元の羽毛を嘴で整え始めました。 
背伸びしているし、パートナーの♀にアピールしているのかと思ったのですが、求愛はしませんでした。 
手前の個体(♀?)は素知らぬ顔で、さらに餌を探して奥に歩き去ります。 


 【考察】 
撮影後に現場に戻って、採食メニューをしっかり調べるべきでしたね。
映像からイネ科植物の名前が分かる達人がいらっしゃいましたら、教えて頂けると助かります。

イネ科の草の実は痩果(そうか)の一種で、特に穎果(えいか、caryopsis)または穀果(こくか、grain)と呼ばれます。痩果とは、果皮が乾燥して1個の種子を包み、裂開しない果実のことですが、イネ科の果実は果皮と種皮が密接に合着しており、内穎や護穎(花を包んでいた萼や苞)に包まれている点で特に特徴的です。このため、イネ科の実は基本的に痩果の一型である穎果です。穎果は痩果の分類の中で特にイネ科に特有のものとして認識されています. (Perplexity AIによる解説)

つづく→ 


【アフィリエイト】 

2025/11/16

夏の夜の山林でじゃれ合う2頭のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬・午後21:25頃 

里山の混交林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を見張っている監視カメラに、ある晩2頭のホンドテンMartes melampus melampus)が写っていました。 

まずミズナラの幹の途中まで登っていた個体aが、奥の林床にいた別個体bを目掛けて飛び降りました。 
飛びつかれた個体bも逃げなかったので、本気の喧嘩(闘争)ではなさそうです。 
しばらくじゃれ合ってから、片方が再びミズナラの木に戻ってきて根元の匂いを嗅いだものの、岩塩プレートの存在には気づかなかったようです。 
夜の森で追いかけっこするように右上へ相次いで走り去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:02〜)。 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げても、鳴き声は発していないようでした。 


【考察】 
夏毛のホンドテン2頭は夜の山林で一体何をしていたのでしょうか? 
幼獣同士の遊びなのかもしれません。 
それとも、♀♂ペアが求愛のためにいちゃついているのでしょうか。 

Copilot AIに相談してみると、以下の回答を得ました。
・ホンドテンの発情期は通常、6月から7月にかけてです1。交尾が行われた後、翌年の3月頃に出産します1。 
・ホンドテンの求愛行動はとても興味深いです。オスはメスに対して、特定の鳴き声や体の動きでアプローチします。特に、オスはメスの周りを回りながら、鳴き声を発して注意を引こうとします。また、互いに鼻を擦り合わせる行動も見られます。 このような行動は、メスがオスを受け入れるかどうかを判断するための重要なステップです。

つづく→ 


【アフィリエイト】 

巣材の泥玉を作る砂利道で争うスズバチ♀の謎

 

2024年8月下旬・午後15:20頃・晴れ 

川に近い住宅地の外れにある、水田と墓地に挟まれた細い砂利道で、2匹のスズバチOreumenes decoratus)が小競り合いを繰り広げていました。 
低空で飛び回り、ときどきぶつかって肉弾戦を挑んでいます。 
しばらくすると、2匹のスズバチは横に並んで着地すると、地面を掘って巣材の泥玉を作り始めました。 
予め飲んできた水を吐き戻しながら乾いた堅い地面の土を大顎で掘り、泥団子に丸めていくのです。 
フィールドで出会うスズバチの性別を見た目で区別するのは難しいのですが、巣材集めを始めたことから、2匹とも♀と判明しました。 
つまり、♂が♀に交尾を挑む求愛行動ではありませんでした。

なるべく粒子が細かい土質が巣材に適しているようで、あちこち場所を変えながら試掘しています。 
地面から飛び立ったスズバチが接近すると、再び空中戦が勃発しました。 
小競り合いが収まると、今度はだいぶ離れた位置で巣材集めを再開。 

やがてスズバチ♀は、完成した泥玉を抱えて飛び立ちました。 
残念ながら今回もスズバチ♀の営巣地を突き止められませんでした。 
砂利道から飛び去った蜂を流し撮りしても、すぐに見失ってしまいます。 
近くに立っているスギの木へ飛んでいった気がします。 
今思えば、横の墓地に並ぶ墓石にスズバチが作りかけた泥巣があるかどうか、調べればよかったですね。 

スズバチ♀同士の小競り合いを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:37〜) 


【考察】 
スズバチ同士の小競り合い(種内闘争)を撮影できたのは、これで2回目です。 
証拠動画を撮るのが難しいだけで、目撃しただけなら何度もあります。

関連記事(16年前の撮影)▶ スズバチの喧嘩 

同じドロバチの仲間でも、エントツドロバチ♀は採土場を仲良く共有できるのに、単独性のスズバチ♀はなぜか非寛容です。
亜社会性のエントツドロバチは、採土場で集合フェロモンを放出しているのか?と疑ったぐらいです。


巣材となる土は無尽蔵にありますから(※)、スズバチ♀が採土場をわざわざ占有する行動にメリットはないはずです。 
しかも同所性のスズバチは、元々血縁関係のある姉妹である可能性が高いはずです。 
もしかして、同種の♀が作った泥玉を強奪する労働寄生があるのでしょうか? 
しかし、スズバチが同種内で労働寄生する事例は報告されていないそうです。 

Perplexity AIに質問してみたところ、以下の回答を得ました。

砂利道でスズバチ2匹の雌が巣材(泥団子)をめぐって小競り合いしていた場合、次のような可能性が考えられます。

巣材の資源防衛・強奪行動の可能性

  • ドロバチ類は泥団子などの巣材を使って巣を作りますが、巣材自体が「限定資源」となる場面は局所的・一時的にだけ見られることもあります。sharing-tech

  • しかし、広く泥や水分が得られる状況では、巣材資源の強い占有や防衛行動は通常あまり観察されません。hachi-kujyo+1

  • 一方、個体によっては巣材を失敬(横取り)する、あるいはすでに作った泥団子を持ち去るといった行動が、極めて稀に観察されることもあり得ますが、これが定常的な「労働寄生」として成立しているという生態学的な報告はドロバチ類・スズバチではみられません。sharing-tech+1

小競り合いの直接的な要因

  • 2個体が泥団子製作・運搬中に至近距離で遭遇した場合、お互いのスペース確保や接触回避、あるいは巣材・巣作りの作業場の「一時的な所有権主張」として小競り合いが発生することがあります。hachi-kujyo+1

  • これは「資源防衛」とまではいかず、むしろ偶発的・局所的な接触による攻撃・排除行動であり、自然界では他の単独性ハチ類にも時折見られます。sharing-tech

巣材強奪=労働寄生?

  • スズバチの成巣や巣材調達の過程で、他個体の産み出した泥団子を本格的に奪って利用する、またはそれが系統的な「種内労働寄生」として認められる現象は、専門文献でも報告されていません。hachi-kujyo+1

  • 観察された争いも、資源強奪型の労働寄生ではなく、たまたま同時に同じ場所で巣材を扱っていた際の短期的な競合や排除行動とみなされます。sharing-tech+1

したがって、「巣材の資源が豊富なのに小競り合いが発生した」のは、局所的な行動圏の重複や一時的なスペース争いが主要因であり、スズバチ種内で「泥団子の労働寄生が生態学的に確立している」という証拠は現在のところありません。稀に一過性の泥団子の強奪が起きることも考えられますが、これはあくまで例外的な偶発行動といえます。hachi-kujyo+1


※【追記】

スズバチの生息環境には巣材の土が無尽蔵にあるという私の認識がそもそも間違っているのかもしれません。

スズバチ♀が作り始めた泥巣から遠くない所で、巣材に適した土が得られる採土地点は意外に限られている可能性があります。

だとすれば、採土場で他の個体が貴重な巣材資源を集めていたら気が気ではなくて、できれば追い払いたくなるのも納得です。

2025/11/15

アナグマの巣口に忍び寄る夏のハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬・午前4:50頃・気温22℃・日の出時刻は午前5:03 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が未明に登場しました。 
忍び足で左から来たハクビシンは、巣口Lの匂いを嗅いだだけで、獣道を左に引き返して行きました。 

素人目には、股間に白い睾丸が見えるような気がするのですけど、♂なのかな?

実は、監視カメラに野生動物が写ったのは5日ぶりです。 
どうやらアナグマの母子は他所で暮らしているようです。 


つづく→

カモシカの溜め糞場を横切るヤマドリ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年8月下旬・午後17:40頃 

里山の混交林でカモシカの溜め糞場を見張る自動撮影カメラにヤマドリ♂(亜種キタヤマドリ:Syrmaticus soemmerringii scintillans)が写っていました。 
この地点でヤマドリは初見です。 
尾羽の長い♂が、夕方に右から左へゆっくり歩いて林床を横切りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→ 


【アフィリエイト】

2025/11/14

取っ組み合いや追いかけっこをして遊ぶニホンアナグマの母子【トレイルカメラ】

 



2024年8月下旬 

シーン1:8/23・午前11:40・晴れ・気温33℃(@0:00〜) 
昼前に二次林の営巣地(セット)で2頭のニホンアナグマMeles anakuma)が取っ組み合いをして遊んでいます。 
その2頭とは、毛皮が焦げ茶色の母親♀とクリーム色の当歳仔の幼獣でした。 
離乳してだいぶ経つので、母親♀の乳房は小さくなり、見えにくくなっています。 

楽しそうな騒ぎを聞きつけて、別個体の幼獣bが巣穴Lから外に出てきました。 
格闘遊びの流れで幼獣aは巣穴Rに潜り込みました。 
幼獣bも母親♀を遊びに誘い、一緒に左へ走り去りました。 


シーン2:8/23・午前11:40・晴れ・気温32℃(@1:00〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
一緒に遊んでいた幼獣が巣穴Lに籠城したので、母親♀が巣口Rに戻ると、別個体の幼獣が突っかかってきました。 
独り取り残された幼獣は、つまらなそうに巣口Lを前脚の爪で引っ掻いています。


シーン3:8/23・午前11:41・晴れ・気温34℃(@2:00〜) 
母親♀に幼獣がはしゃいで飛びかかりました。 
これは遊びに誘うための挑発です。 
誘いに乗って母親♀が右に駆け出すと、幼獣が追いかけ、今度は追いかけっこ遊びが勃発しました。 

別個体の幼獣が巣穴Lから顔を出しましたが、塹壕のように奥に引っ込みました。 

しばらくすると、母子がくんずほぐれつの格闘遊びを繰り広げながらセットに戻ってきました。 
走り回ってから、株立ちミズキを挟んで母子が対峙。 
木登り遊びにもなっています。


シーン4:8/23・午前11:42・晴れ(@3:00〜) 
母子のレスリングごっこが未だ続いています。 
途中で短い鳴き声が聞こえました。 

別個体の幼獣が参戦したそうに巣穴Lから外にノコノコ出てきました。 
合流して三つ巴の格闘遊びが始まるかと思いきや、巣穴Lから来た幼獣はおとなしく巣穴Rに入ってしまいました。 
最後にまた巣穴Rから外に出てきたところで、録画が終わりました。


 【考察】 
アナグマはとても子煩悩で、母親♀が子供と一緒によく遊んでやります。 
前回、母子で格闘遊びをしたのは夜でしたが、今回は明るい昼間に開催されました。 



ところで、このアナグマ家族には幼獣がもう1頭いるはずなのに、一体どこに居るのでしょう? 
幼獣は2頭しか姿が見えず、1頭が行方不明です。 
無事だとよいのですけど、巣穴の奥で寝ているのかな? 
これから幼獣は1匹ずつ子別れ・独立するのでしょうか。


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


木造の屋根裏に引っ越してきたモンスズメバチのコロニー(夏に二次巣を形成)

 

2024年8月上旬・午後13:40頃・晴れ 

山麓にある某山寺の古い木造建築の屋根裏にスズメバチが営巣することがあるので、ときどき様子を見に行っています。 

関連記事(8、10年前の撮影)▶  


この日も下山したついでに念のため確認しに来たら、モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)が営巣を始めていました! 
年季の入った破風板はふいたに穴が開いていて、そこに多数の蜂が出入りしています。 
触角の長さを見ると、雄蜂♂ではなくて、ワーカー♀のようです。

スズメバチ類は古巣をそのまま再利用することはありませんが、ここでは数年おきに同じ場所に営巣しているのが興味深いです。 
よほどスズメバチの営巣に適した場所なのでしょう。 
数日前に来たときにはスズメバチの巣は無かったので、創設女王が春から営巣しているのではなくて、どこか別の場所にあった初期巣からモンスズメバチのコロニーが女王蜂と一緒に引っ越してきた二次巣と思われます。 
アリと違ってスズメバチの創設女王は、産卵に専念するコロニー拡張期になっても翅を捨てないので、いつでも飛んで新天地に引っ越しすることが出来るのです。
巣の引っ越し(nest relocation) 
モンスズメバチとキイロスズメバチにおいて越冬後の女王蜂によって狭い空間に巣が創設された場合、巣の発達に応じて広い場所に新たな巣を造り移動すること。最初の巣を母巣(primary nest)、後の巣を移動巣(第二次巣:secondary nest)という。 (小野正人『スズメバチの科学』p171より用語の解説を引用)

破風板の裏側がどうなっているのか、横から覗いてみても、巣は見えませんでした。 
私は防護服を持っていないので、下手に近づけません。 
数匹のモンスズメバチが空中を飛び回っています。 

巣口の横の破風板に留まり、ときどき翅を震わせている個体は、警戒しているのでしょう。 
扇風行動のように、持続的に羽ばたいてはいません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】
8、10年前に同所で営巣したチャイロスズメバチは社会寄生性であり、キイロスズメバチやモンスズメバチの巣を女王が乗っ取ることが知られています。
したがって、当時も元々はモンスズメバチ(またはキイロスズメバチ)の巣があったことが予想されます。


つづく→

2025/11/13

ニホンイノシシ♀と幼獣5頭の家族群が鳴きながら夏の山林を移動【トレイルカメラ】

 



2024年8月下旬 

シーン0:8/23・午後12:45・くもり(@0:00〜) 
里山の混交林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。 
画面の左下から右上へと山の斜面を登る途中で、平坦になった区間に溜め糞場sr2があります。 

新たな試みとして、最近ミズナラの幹に岩塩プレートを設置してみました。 
野生動物が舐めに来る塩場になるでしょうか? 


シーン1:8/28・午後16:56(@0:03〜) 
夕方にニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がミズナラの木の下に来ていました。 
岩塩から垂れた塩水で濡れている根元の匂いを嗅いで警戒したのか、左に迂回しながら奥の茂みへと向かいました。 
このとき重低音でブー♪と鳴きました。 
その後もブーと鳴く声♪がときどき聞こえます。 

母親♀の後からウリ坊(縦縞模様の幼獣)が5頭ついて歩きます。 
迂回した母親♀とは違って、後続のイノシシ幼獣の多くはショートカットしてカモシカの溜め糞場sr2を横切りました。 

イノシシの目線より上にある岩塩プレートの存在には誰も気づかなかったようです。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
重低音のブーブーという鳴き声は、おそらく母親♀が発しているコンタクトコールと思われます。
後続の幼獣たちが迷子にならないように、自分の位置を知らせているのでしょう。
擬人化(翻訳)すると、「ここにいるよ、ついておいで」と呼びかけているのでしょう。
まだ幼いウリ坊の鳴き声は、もう少し高音になりそうです。
つまり、イノシシの母子が「鳴き交わしている」と表現すると正しくないでしょう。

この点について、ChatGPTとブレインストーミングしました。


つづく→

フクロウの行水【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬

シーン0:8/19・午後12:23・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、雨水が溜まるだけでなく湧き水も滲み出して浅い水溜りが年中形成されています。 
水溜りSに来る生き物を自動撮影カメラで監視しています。 

昼下がりの気温が41℃と表示されていますが、いくら猛暑とはいえ、気温データとしては信頼できません。 
夏の直射日光を浴びてカメラが過熱しているのだと思います。 


シーン1:8/20・午前0:25・気温25℃(@0:03〜) 
真夏の深夜に常連のフクロウStrix uralensis)が来ていました。 
水溜まりSに入水するフクロウの後ろ姿が写っています。 
その場で足踏みしながら方向転換し、監視カメラをちらっと見ました。 

顔を水面に漬けて左右に振り、洗顔します。 
後半はようやく翼を広げて本格的に水浴を始めました。 

さっぱりしたフクロウは対岸にぴょんと上陸し、周囲を警戒しています。 
他の鳥のように羽繕いはしないで、顔を軽く振って水気を切っただけです。 
左上奥へと静かに飛び去りました。 


※ 行水の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/11/12

山の獣道を駆け下りてカモシカの溜め糞場を素通りする2頭のニホンザル【トレイルカメラ】

 

2024年8月中旬・午後15:00頃・晴れ 

里山の混交林でニホンカモシカの溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っていると、昼間にニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが通りかかりました。 
写っていたのは2頭だけですが、この地点でニホンザルは初見です。

後続個体(子猿)は、緩斜面の獣道を右から左へ駆け下りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

逆方向から来たので、ミズナラの幹に固定した岩塩プレートの存在には気づきようがありません。 
遊動するニホンザル達は、カモシカの溜め糞にも興味を示しませんでした。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

マミガサキアザミの花蜜を吸うクロアゲハ♂

 

2024年8月上旬・午後12:35頃・晴れ 

里山の林縁でマミガサキアザミが1株だけ草丈高く伸び、花が咲いていました。
そこにクロアゲハ♂(Papilio protenor)が訪花していました。 
半開きの翅を羽ばたきながら、がっつくように吸蜜しています。 
薄暗い林縁ではピントを合わせにくかったのですが、同じ頭花に何度も舞い戻ってくれるので助かりました。 

クロアゲハの習性について調べると、図鑑に書いてある通りでした。 
・♂は後翅表の前縁に横長の白斑があり、飛翔時に目立つ。 
・樹木が茂ったやや日当たりの悪い場所を好む。(フィールドガイド『日本のチョウ』p55より引用) 

撮影後に、アザミの頭花の総苞が粘らず、棘も痛くないことを確認しました。 


関連記事(7、12年前の撮影)▶  

2025/11/11

協力して巣穴を掘り広げるニホンアナグマの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬 

シーン0:8/6・午後12:49・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:8/6・午後13:20・晴れ(@0:03〜) 
平地の二次林にある、ニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が住む営巣地(セット)を自動撮影カメラを無人センサーカメラ2台で見張っています。 


シーン1:8/14・午前4:17(@0:05〜) 
未明の巣口Lで2頭のアナグマが一緒に穴掘りをしていました。 


シーン2:8/14・午前4:17(1:05〜)
別アングルの監視カメラでしっかり撮れていました。 
腹面に乳首が見える母親♀が巣穴Lを拡張しようと穴掘りしています。 
奥の獣道付近で幼獣2頭が仰向けで毛繕いしたり探餌徘徊したりしています。 
そのうちの1頭(幼獣)が巣口Lに来て、母親♀の穴掘り作業を邪魔し始めました。 
母親♀の真似をして穴掘りをやってみたいのか、構って欲しいのでしょう。
母親♀の隙を見て巣穴Lに潜り込むと幼獣が穴掘りを始めました。 
巣口Lは狭いので、母親♀は幼獣に穴掘り作業を譲りました。 
と思いきや、一息ついてから再び母親♀は穴掘り作業に戻りました。 

腐葉土となった古い巣材を土と一緒に巣内から前脚で掻き出して、後退しながら左のアクセストレンチに捨てています。 


シーン3:8/14・午前4:18(2:05〜)
見事な連携で親子(母子)が穴掘り作業を続けています。 
アクセストレンチLにずっと転がったままになっている邪魔な倒木を撤去しようとしても、幼獣には重くて手に負えないようです。 
落枝が何かに引っかかっているのかもしれませんが、グイグイ引っ張っても少し横にずれただけで、諦めました。 


シーン4:8/14・午前4:19(3:05〜)
母親♀の背後で幼獣が穴掘り作業の補助をしています。 
巣口Lに転がっている邪魔な落枝をどかそうとするものの、前脚の力ではほとんど動かせません。 
落枝が重過ぎるというよりも、周囲のマルバゴマキ灌木に引っかかっているせいです。 
なんとか落枝を斜めにずらして作業を続けます。 


シーン5:8/14・午前4:20(4:05〜)
メインの穴掘り担当が途中で幼獣に入れ替わりました。 
幼獣が入巣Lすると、母親♀は左に待避して小休止。 


シーン6:8/14・午前4:20(4:55〜)
母親♀が後退しながら前脚で土砂を巣外に掻き出すと、横で見ていた幼獣が今度は巣内Lに入りました。 
幼獣も穴掘りの真似事をやりたいようですが、まだ上手くできないようです。 
すぐにまた役割をスイッチして、母親♀が穴掘りを再開。 
幼獣は土砂を手前のアクセストレンチに掻き出そうと試み、このとき邪魔な倒木(落枝)にぶつかって斜めにずれました。 
邪魔な落枝を意図的に撤去したとは言えないかもしれません。 

幼獣に穴掘りを任せた母親♀は身震いして毛皮についた土を落としてから、独りで獣道を右へ歩き出しました。 


シーン7:8/14・午前4:20(5:55〜)日の出時刻は午前4:50。 
巣口Lに独り取り残された幼獣が、母親♀の行方を探し求めて獣道の奥を見つめています。 
ようやく幼獣も獣道を右に歩き出しましたが、楽しかった穴掘り作業を止めるのが名残惜しいのか、途中で何度も立ち止まっています。 
そしてセットには誰も居なくなりました。 
空腹になって採餌に出かけたのか、それとも巣穴Lのメンテナンス作業はもう充分だと母親♀は判断したのかもしれません。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンアナグマの母子による初めての協同作業が録画されていました。
交互に巣内に入って土を外に掻き出しています。
やる気に満ち溢れた見習いの幼獣に母親♀が穴掘り作業の実地訓練(研修)を施しているようでした。

この頼もしい幼獣個体の性別を見分けられないのが残念です。 
素人目には幼獣の股間になんとなく睾丸や陰茎があるような気がするのですが、定かではありません。 
この幼獣が♂だとすれば、来季のヘルパー♂として有望な候補です。 

アナグマは不審者が勝手に巣穴に侵入しないように防犯の戸締まりとして意図的に倒木を巣口に放置しているのかと思っていたのですが、明らかに穴掘り作業の邪魔になっていました。
今回は幼獣がなんとか少しだけ邪魔な落枝をずらすことができました。


ランダムに記事を読む