2024年6月下旬・午後13:55頃・くもり
里山の砂利が敷かれた林道で、美しいクジャクチョウ(Inachis io geisha)と出会いました。
翅を全開に広げて砂利道に静止していますが、曇天で日差しがないので、体温を上げるための日光浴ではなさそうです。
翅に破損がない、きれいな個体でした。
さすがに越冬明けの個体ではなく、羽化直後の個体と思われます。
寒冷地では年一化なのだそうです。
腹部をかすかに上下動させています。
途中から翅をピクピクと動かし始めたのは、飛び立つ前の準備運動なのでしょうか?
やがてクジャクチョウは翅を閉じて、小刻みに翅を震わせています。
赤く美しい翅表が見えなくなり、黒い地味な翅裏を見せてくれました。
タテハチョウ科なので、昆虫なのに脚は4本しか見えません。(前脚が退化している)
準備運動で体温が十分に上がったのか、素早く飛び去りました。
温度計を持ってこなかったので、このときの気温は不明です。
私の体感では、別に肌寒い日ではありませんでした。
大型の蛾ならともかく、気温の高い初夏に飛翔前の準備運動が必要とは知りませんでした。
クジャクチョウは北方系の蝶なので、気温の低い山地でも活動できるように適応しているのでしょう。
クジャクチョウは飛び立っても、砂利道の林道を少し往復しただけで、ほぼ同じ地点に着陸する印象でした。
縄張りを張っているのでしょうか?(占有行動)
クジャクチョウの成虫は外見に性差が乏しく、フィールドで単独個体の性別を見分けるのは至難の技なのだそうです。
少し飛んだだけで、砂利道の少し離れた地点に留まり直しました。
今度は斜め前方から撮れたのですが、クジャクチョウはゼンマイ状の口吻を縮めたままでした。
小石を舐めてミネラル摂取している訳ではありません。
クジャクチョウが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:02〜)
閉じた翅を小刻みに震わせていたのですが(準備運動?)、警戒を解いたのか、翅を全開に戻しました。
急に力強く羽ばたいて、飛び立ちました。
※ 説明のために、撮れた映像素材の順番を入れ替えました。
本来なら、冒頭のただ翅を広げて静止しているだけの退屈なシーンは編集でコンパクトにカットすべきなのは分かっています。
久しぶりに出会えた憧れのクジャクチョウが息を呑むほど美しく、見とれてしまったので、あえてノーカットでお届けします。
もう細かいことは覚えていないのですが、「林道を下山中に複数個体を撮影」と野帳には書き残してあります。
関連記事(2ヶ月前の撮影)▶ 春にセイヨウタンポポの花蜜を吸う越冬明けのクジャクチョウ
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