2023年3月下旬・午後15:50頃・くもり
体重の重いハクチョウは、飛び立つ揚力を得るのに長い助走を必要とします。
川では風上に向かって水面を走ってから飛び立っていました。
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泥濘の雪解け田んぼでコハクチョウは助走できるのでしょうか?
しっかり踏み固められた畦道や農道を走るのかな?
飛び立つ様子を観察したくても、雪解け田んぼに散開した大群の中で、次にどの個体が飛び立つのか予想するのは困難です。
ひたすら長撮りを繰り返していたら、迫力のある離陸シーンがたまたま撮れてラッキーでした。
雪解けが進む広大な田園地帯で採食するコハクチョウ(Cygnus columbianus bewickii)の大群を撮影していると、左の方で騒々しい小競り合いが勃発しました。
鳴きながら羽ばたき威嚇して相手を追い払います。
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その後、♀♂ペアと思われる2羽が頷くように首を上下に動かしながら鳴き交わし始めました。
この動きがシンクロしてくると、離陸の合図です。
横に並んでいたペアが一緒に羽ばたきながらカメラに向かって走り出しました。
田んぼは畦道(一段高い障害物)で囲まれているので、その手前で飛び立つ必要があります。
川から飛び立ったときよりも短い助走で済みました。
泥濘でも地上では水面よりも走りやすくて助走のスピードが出せるのでしょう。
あるいは、この日は強い向かい風を利用できたのかもしれません。
雪解け田んぼから飛び立ったペアを三脚カメラで流し撮りすると、横風に煽られたのか左に旋回して別の区画に舞い降りました。
ペアは互いに少し離れて着地しました。
着陸直後の行動に注目してもう少し長く撮り続けるべきでした…。
それにしても、大群の中でコハクチョウはどうやってパートナーを個体識別してるのですかね?(鳴き声の声紋に個性がありそうです)
迫力のある助走からの飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:58〜)
雪解け田んぼの泥水をバシャバシャ跳ね上げています。
両足を揃えて跳ぶカワウのコミカルな助走と異なり、コハクチョウの助走は両足を交互に前に出す普通の走り方です。
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最後にペアの飛び立ちを1/2倍速のスローモーションで逆再生してみました。(@1:48〜)
てっきり喧嘩に負けたカップルが飛び立ったのかと初めは思いました。
しかし逆再生してみると、飛び去った2羽は喧嘩したグループの中心部ではなく辺縁部に居て、しかも互いに少し離れていました。
意外にも、ご近所トラブルで周囲の個体から直接的な攻撃を受けて餌場から追い払われた訳ではありませんでした。
混雑する餌場で小競り合いを始めた別の2家族のとばっちりを食らい、辟易して逃げ出したような印象を受けました。
残念ながら喧嘩が発生した理由は不明です。
トラブルを避けるために白鳥密度の低いエリアに移動したのなら理解できるのですが(レッド・オーシャンから競争の少ないブルー・オーシャンへ)、ペアが舞い降りた先も先客が多いエリアでした。
餌場で周囲に仲間が居ないと心細いのでしょう。
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