2023年4月上旬・午後23:20頃
深夜に水を飲もうと暗い台所に行って照明を点灯すると、驚きの光景を目にしました。
皿を洗ってから、キッチンカウンター(ワークトップ)の水滴を拭いた雑巾を絞って広げ、乾かしています。
その上でなんと、イエユウレイグモ(Pholcus phalangioides)が吸水していたのです。
イエユウレイグモの飲水行動は初見です。
というか、そもそも造網性クモが自発的に水を飲むシーンを見たことがありませんでした。
慌ててカメラとハンディカムを持ってきて、薄暗い台所で動画撮影することにしました。
補助照明としてハンディカム内蔵の白色LEDを点灯しても、かなり薄暗いです。
ハンディカムを近づけても、クモは逃げませんでした。
歩脚が長いイエユウレイグモが、うずくまるような前傾姿勢で濡れ布巾に口を直接付けています。
天井からぶら下がっている「しおり糸」は見えませんでした。
まったく動かないので、死んでいるのかと心配になりました。
雑巾の繊維に絡まって身動きできないのでしょうか?
私が左手の人差し指でイエユウレイグモの歩脚にそっと触れると、慌てふためいて「引き糸」を登り返し、シンク(流し)の真上から照らす蛍光灯のフードに辿り着きました。
その辺りにはイエユウレイグモの不規則網が張り巡らされているのですが、映像では見にくいです。
大慌ての逃避行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:09〜)
この個体は喉が渇くと不規則網から夜な夜なシンクに懸垂下降して水分補給しているのでしょうか?
監視カメラを設置してみたら面白そうです。
もし私が邪魔をしなければ、濡れ雑巾から延々と吸水を続けていたかもしれません。
濡れ雑巾は決してきれいではなく、アンモニア臭(雑巾臭)がしたりします。
イエユウレイグモはむしろ、雑巾が吸い取ったミネラル成分やアンモニアなどが気に入って摂取していた可能性もありそうです。
時期的にイエユウレイグモの幼体または亜成体と思うのですが、しっかり調べるためには一時捕獲して採寸したり外雌器の状態を精査しないといけません。
少なくとも触肢の発達した成体♂ではありませんでした。
世の中にはイエユウレイグモをモデル生物(実験動物)として飼育している研究者もいるそうです。
飼育下ではどうやって水を飲ませているのでしょうね?
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