2021年8月下旬・午後13:40頃・くもり時々小雨
イチジク(無花果)の熟果に群がっていたシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)2匹を手掴みで捕獲しました。
前回の記事:▶ イチジクの熟果を舐め枝を登るシロテンハナムグリ
初めの1匹はうっかり掴み損ねて地面にポロリと落ちてしまいました。
捕獲したもう1匹を平らな岩の上に置いて腹面を観察しました。
腹面も金属光沢ですが、この日は天気が悪いので輝きがいまいちです。
私は甲虫を仰向けにした時にどうやって自力で起き上がるのか、観察するのが子供の時から密かな楽しみです。
起き上がれなければそのまま力尽きて死んでしまいますから、昆虫にとって死活問題です。
甲虫はそれぞれの体型に適した方法で起き上がります。
進化の過程で生き残ってきたということは、必ずや自力で起き上がる方法を編み出しているはずです。
これまで色々な種類の甲虫で起き上がり運動を少しずつ動画に撮りためてきました。
横に寝返りを打つ種類もいれば、コメツキムシなどはパチンと跳ねて起き上がります。
AIBOやASIMOなどロボット開発でも起き上がり運動は重要です。
今回のシロテンハナムグリは仰向けの状態から起き上がろうとジタバタもがくものの、いつまで経っても起き上がれませんでした。
この個体はなぜか脚の爪先(跗節)がなぜか欠損しており、そのため岩の表面に爪先がひっかからないようです。
この動画はボツだな…と思いつつ、仰向けのシロテンハナムグリを元に戻してやって解放しました。
しかし、これはもしかして面白い問題ではないかと思い直しました。
テントウムシやカツオブシムシなど丸い体型の甲虫は、仰向けにされると足が地面に届かないので、翅を開く力を利用して後転するように跳ね起きます。
関連記事(7、15年前の撮影)▶
ハナムグリの仲間は鞘翅を閉じたまま後翅だけ羽ばたいて飛ぶことで有名です。
関連記事(2年前の撮影)▶ ヒメジョオンの花から食後に飛び立つシロテンハナムグリ
したがって、起き上がり運動のために鞘翅を開く筋力が退化しているのではないか?と後になってから思いつきました。
つまり、ハナムグリは翅の力で起き上がる方法を使えないのかもしれません。
この仮説を検証するために、もっと多数の個体で実験すべきでしたね。
翅が使えないハナムグリはどんなやりかたで起き上がるのでしょうか?
しかしこのとき小雨が降り始めてカメラを濡らしたくなかったのと、尿意を我慢していて近くのコンビニに早く行きたかった私は、じっくり落ち着いて観察できませんでした。
次回ハナムグリ類を見つけたら、重点的に起き上がり運動を調べてみることにします。
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