2022/02/19

河畔林の溜め糞を夜な夜な利用するホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】

 



2021年11月中旬〜下旬 

ニセアカシア(別名ハリエンジュ)河畔林で見つけた溜め糞rvをトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視すると、予想した通り、夜な夜なホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独あるいは2頭(おそらく♀♂ペア)で訪れていました。 
タヌキは夜行性とされていますが、溜め糞rvへの夜の登場時刻はまちまちでした。 
暗視映像で林床に黒々と写っている2ヶ所(画面中央および左端)が溜め糞です。 
画面の左側に川があり、画面奥から手前に向かって流れています。


シーン1:11/18・午後18:42・気温2℃ 

画面下から単独で登場したタヌキが溜め糞の手前に生えた灌木の落葉しかけた葉の匂いを嗅いでいます。 
しかし、溜め糞そのものには興味を示さず、左に立ち去りました。

シーン2:11/20・午後23:10・気温3℃ 

 左から登場したタヌキが溜め糞Rの匂いを嗅いでいます。 
カメラに尻を向けて溜め糞に跨がり、下痢便を排泄しました。 
排便中はフサフサの尻尾が汚れないように上げています。 
排泄した糞を隠したりしないで右へ走り去りました。


シーン3:11/21・午前4:36・気温7℃ 

夜明け前の河畔林に濃い霧が立ち込めています。 
画面下から登場したタヌキが溜め糞の臭いを嗅いだだけで、排便せずに左へ通り過ぎました。

シーン4:11/21・午前5:35・気温8℃ 

1時間後に2頭のタヌキが続けて登場しました。 
おそらく♀♂ペアなのでしょう。
まだ濃霧が立ち込めていて分かりにくいのですが、左右の溜め糞RLで2頭が同時に排便していました。 
その後は一緒に右に立ち去りました。 


シーン5:11/21・午後17:03・気温3℃ 

同じ日に3度目のタヌキが現れました。 
溜め糞LRの臭いを頻りに嗅いでチェックしてから、足を少しだけ屈めて少しだけ排泄したように見えました。(@2:15) 
ただし、横向きで肛門がよく見えませんでした。(排尿かも?) 
左へ立ち去りました。
シーン5:11/22・午後20:07・気温8℃ 

雨が降り止んだ晩に右から登場したタヌキが溜め糞Rで後ろ向きに脱糞。 
珍しくコロコロした丸い固形糞を排泄しました。 
溜め糞Lには興味を示さず、立ち去りました。 

余談ですが、強風が吹くとニセアカシアの幹が左右に大きく揺れ、トレイルカメラの誤作動が増えてしまうことが分かりました。

シーン6:11/23・午後16:55・気温1℃ 

珍しく何もしないで溜め糞を通り過ぎました。 


シーン7:11/23・午後17:27・気温0℃ 

30分後にタヌキの写真だけ撮れていました。 
溜め糞Lをチェックしただけ? 



シーン8:11/27・午前2:53・気温3℃ 

トレイルカメラの電池が消耗すると、センサーが反応して起動しても動画がすぐに終了してしまいます。(設定では90秒間の動画撮影) 
明るい日中の撮影に比べて、夜間の暗視動画撮影は赤外線LEDを点灯するので電力の消耗がどうしても激しくなります。
2頭のタヌキが連続して右から現れ、溜め糞で排便した様子が辛うじて写っていました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

今季私があちこちのフィールドで調べた溜め糞の中で、ここは最も頻繁にホンドタヌキが利用していることが分かりました。
この辺り(河畔林)にはタヌキが何頭生息しているのでしょうか? 
撮影を積み重ねて、タヌキの個体識別ができるようになりたいものです。 
実は♀♂ペアは常につかず離れず行動を共にしていて、たまたま同時に便意を催したときだけ溜め糞に寄り道していく、という可能性も考えられます。 
つまり、単独個体が溜め糞に来たように見えたときでも、カメラの死角にパートナーが居たのかもしれません。
1ヶ所の溜め糞の周囲に複数台のトレイルカメラを仕掛けてみれば解決するかな? 
野生動物に対して無害で無臭の塗料がもしあれば、通りすがりに軽くスプレーするような装置を開発して個体標識できないだろうか?と妄想しました。 
(色々と問題がありそうなので、思いついただけで、実行していません。) 
そんなことをしたら、怖がったタヌキはこの溜め糞に寄り付かなくなりそうで、本末転倒です。
糞からDNAを分析して個体識別する方がまだ現実的かもしれません。
 

池の水を浴びるハイタカ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2021年11月中旬・午前8:20頃・晴れ・気温4℃
前回の記事@10月下旬:▶ 里山の池で水を飲み水浴するハイタカ?(野鳥)【トレイルカメラ】

無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で監視している山中の水場でハイタカAccipiter nisus)が水浴していました。 
今回はフルカラーで水浴シーンを記録することができました。 

落ち葉が降り積もって浅くなった池の中央部で小型の猛禽が油断なく辺りをキョロキョロと見渡しています。 
やがて警戒を解いて本角的に行水を始めました。 
後半になるとパタパタ♪と水面を打つ羽音が聞こえます。 
今回ハイタカは池の水を飲みませんでした。 

画面の奥に見える林は晴れているものの、水場には朝日が射していません。
水浴後にハイタカが飛び去る瞬間は残念ながら撮れていませんでした。 

2022/02/18

川のプラスチックごみ問題に悩まされるカワウ(野鳥)

 

2021年11月中旬・午後14:45頃・晴れ

カワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れのほとんどが川岸の倒木に並んで休んでいる間に、1羽の個体が川で採餌しています。 
潜水漁を何度も繰り返すと、浮上した嘴に咥えていたのは半透明のビニール袋でした。 
腹を空かせたカワウが消化できないプラスチックごみを誤飲するのではないかと心配したのですが、幸いカワウが持て余すほど大きな袋だったので鵜呑みにされずに済みました。 
カワウは諦めてゴミを捨てたかと思いきや、その後も同じビニール袋のゴミを水中から拾い直しては捨てるという行動を繰り返しています。 
漁の練習や遊びの行動なのでしょうか? 

そこへ下流から2羽のカワウが同時に飛来しました。(@0:44) 
1羽は川を跨ぐ長い倒木にフワリと直接着地しました。 
もう1羽は長い倒木の真下に着水すると、川面を渡って右岸の倒木に飛び乗りました。 
2羽の乱入に気を取られてしまいましたが、本題に戻って川でゴミと遊ぶ個体の観察を続けましょう。 

潜水漁を試みた後に浮上すると、今度は何か茶色の細長い物体を咥えていました。 
少し遠い上に夕日を浴びて何を咥えているのかよく見えませんが、飲み込まずに捨てたので、獲物ではなく落枝などゴミのようです。 
しばらくすると、再び同じゴミを拾い上げたり捨てたりして遊んで(?)います。 

潜水から浮上した個体が再びゴミ(落枝)を咥えたまま、右岸の倒木に近寄って来ます。(@2:31) 
何度も水でゆいだ後で、落枝を捨てました。 
どうやらこの川にはカワウの獲物となる小魚が(少なくともこの時間帯は)ほとんど居なくなっているようです。 
潜水漁に成功して川魚を捕食するシーンをこの日は一度も撮れませんでした。 

川や海がプラスチックのごみで汚染される問題は深刻さを増すばかりです。
カワウの胃内容物を調べたら、消化されないプラスチックを水鳥がどれだけ誤飲して健康を害しているか分かるはずです。

漁に失敗続きのカワウ個体は苛立ってるのか、右岸の倒木付近で休んでいたマガモ♀に八つ当たりして追い払いました。(@3:36)
失敗続きの潜水漁に疲れたカワウ個体は右岸の倒木群の中から上陸地点を物色しています。 
カワウの群れの止まり木(コロニー)として既に混み合っているのに、小競り合いの末に先客を倒木から追い出してようやく上陸に成功しました。(@3:44) 
生き物の陣取り合戦では多くの場合は先住者が強いという先住者効果があるのが普通です。 
ところが、今回は後から来た個体が先住者を実力行使で追い出したことが意外で、少し驚きました。 
若鳥が成鳥に追い払われたのでしょうか? 
お気に入りの止まり木を追い払われた個体は、川面を一回りしてから右岸に戻って来ると、ほぼ同じ止まり木に空席を見つけたようで、無事に再上陸できました。 
(前後の遠近感が分かりにくいのですが、前後に離れた別の倒木に移動するはめになったのかもしれません。)


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