2022/02/18

川のプラスチックごみ問題に悩まされるカワウ(野鳥)

 

2021年11月中旬・午後14:45頃・晴れ

カワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れのほとんどが川岸の倒木に並んで休んでいる間に、1羽の個体が川で採餌しています。 
潜水漁を何度も繰り返すと、浮上した嘴に咥えていたのは半透明のビニール袋でした。 
腹を空かせたカワウが消化できないプラスチックごみを誤飲するのではないかと心配したのですが、幸いカワウが持て余すほど大きな袋だったので鵜呑みにされずに済みました。 
カワウは諦めてゴミを捨てたかと思いきや、その後も同じビニール袋のゴミを水中から拾い直しては捨てるという行動を繰り返しています。 
漁の練習や遊びの行動なのでしょうか? 

そこへ下流から2羽のカワウが同時に飛来しました。(@0:44) 
1羽は川を跨ぐ長い倒木にフワリと直接着地しました。 
もう1羽は長い倒木の真下に着水すると、川面を渡って右岸の倒木に飛び乗りました。 
2羽の乱入に気を取られてしまいましたが、本題に戻って川でゴミと遊ぶ個体の観察を続けましょう。 

潜水漁を試みた後に浮上すると、今度は何か茶色の細長い物体を咥えていました。 
少し遠い上に夕日を浴びて何を咥えているのかよく見えませんが、飲み込まずに捨てたので、獲物ではなく落枝などゴミのようです。 
しばらくすると、再び同じゴミを拾い上げたり捨てたりして遊んで(?)います。 

潜水から浮上した個体が再びゴミ(落枝)を咥えたまま、右岸の倒木に近寄って来ます。(@2:31) 
何度も水でゆいだ後で、落枝を捨てました。 
どうやらこの川にはカワウの獲物となる小魚が(少なくともこの時間帯は)ほとんど居なくなっているようです。 
潜水漁に成功して川魚を捕食するシーンをこの日は一度も撮れませんでした。 

川や海がプラスチックのごみで汚染される問題は深刻さを増すばかりです。
カワウの胃内容物を調べたら、消化されないプラスチックを水鳥がどれだけ誤飲して健康を害しているか分かるはずです。

漁に失敗続きのカワウ個体は苛立ってるのか、右岸の倒木付近で休んでいたマガモ♀に八つ当たりして追い払いました。(@3:36)
失敗続きの潜水漁に疲れたカワウ個体は右岸の倒木群の中から上陸地点を物色しています。 
カワウの群れの止まり木(コロニー)として既に混み合っているのに、小競り合いの末に先客を倒木から追い出してようやく上陸に成功しました。(@3:44) 
生き物の陣取り合戦では多くの場合は先住者が強いという先住者効果があるのが普通です。 
ところが、今回は後から来た個体が先住者を実力行使で追い出したことが意外で、少し驚きました。 
若鳥が成鳥に追い払われたのでしょうか? 
お気に入りの止まり木を追い払われた個体は、川面を一回りしてから右岸に戻って来ると、ほぼ同じ止まり木に空席を見つけたようで、無事に再上陸できました。 
(前後の遠近感が分かりにくいのですが、前後に離れた別の倒木に移動するはめになったのかもしれません。)


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