2026/10/17

早朝に落ち葉をせっせと集めて巣穴に運ぶニホンアナグマ♀:5月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】巣材集め

 


2025年5月下旬

シーン0:5/7・午後14:25・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
一時期、アナグマが放棄した巣穴をホンドタヌキが使っていたのですが、春になってまたアナグマがときどき戻って来るようになりました。 


シーン1:5/21・午前4:31・気温14℃(@0:03〜)日の出時刻は午前4:21。 
日の出直後の早朝からアナグマ♀が巣材集めをしていました。 
すぐに巣外に出て来ると、林床のリター(落葉落枝、主に腐葉土)を掻き集めながら、手前から巣口Rへ後ろ向きで戻ります。 
マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)低木の若葉が生い茂っているのに、巣材としてその青葉(生葉)を積極的に採取することはありませんでした。 


シーン2:5/21・午前4:33(@1:03〜) 
薄暗い早朝なので(薄暮)、今度はモノクロの暗視モードで起動しました。(赤外線は照射せず。) 

アナグマは巣材の搬入を繰り返しています。 


シーン3:5/21・午前4:35(@1:33〜) 
フルカラーの映像に戻りました。 
トレイルカメラが暗視モードに切り替わるかどうかという閾値の照度(周囲の明るさ)になっている薄明薄暮の時刻に連続して起動すると、フルカラーとモノクロで交互に録画されるという症状が起こります。 

今回アナグマ♀が本入した巣材には緑の葉も少し混じっていました。 
巣材を集める地点を毎回変えています。 
巣口Rを中心として四方八方に出かけて行き、巣材を集めて帰ります。 


シーン4:5/21・午前4:37(@1:33〜) 
モノクロの映像に切り替わりました。 
巣口Rを塞ぐ落枝に巣材の一部が搬入中にいつも引っかかり、残ってしまいます。 


シーン5:5/21・午前4:39(@2:30〜) 
周囲がだいぶ明るくなり、フルカラーの映像になりました。 
左手前に来たアナグマ♀がマルバゴマキ低木の陰で身震いしてから、痒い体を掻きました。 

一休みしてから、左下隅で巣材集めを再開。 
リターと一緒に林床の下草も集めています。 
巣材に青葉も含まれているものの、後ろ向きで運ぶ途中でほとんど落としてしまいます。 


シーン6:5/21・午前4:41(@3:30〜) 
アナグマ♀が身震いしてから左へ立ち去り、しばらくセットには戻りませんでした。 


シーン7:5/21・午後12:36・晴れ・気温31℃(@3:39〜) 
同じ日のすっかり明るくなった昼下がりにたまたま撮れた現場の様子です。 
林床に木漏れ日が落ちています。 


※ アナグマ♀がガサガサと落ち葉を集める物音が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンアナグマの巣材集め行動の一部始終をようやく撮れました。 
アナグマが落葉掻きをした結果、巣穴の周囲は林床の落ち葉がほとんど無くなり、地面が露出していることになります。 

このアナグマ♀は、どこか別の場所にある巣穴で今季産まれた幼獣を連れて、このセットに転入(引っ越し)するつもりなのかな? 


2026/10/16

山中の水溜りに飛来して水を飲み顔を洗うフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月下旬・午後20:55頃・気温17℃ 

里山の湧水湿地にある水溜りを見張っている自動撮影カメラに、ある晩フクロウ(Strix uralensis)が写りました。 
飛来して水溜りのほとりに着地するシーンが撮れたのは珍しいです。(初めてかも?) 
監視カメラを頻りに気にしています。 
やがて警戒を解くと、慎重に歩いて入水して、水を飲み始めました。 
ときどき上を見上げて、嘴ですくった水を喉に流し込んでいます。 
次に顔を水に漬けたまま左右に振り、顔を洗っているようです。 

これから本格的に水浴びに移行しそうだったのに、飛び去るまで見届けられず、2分間の録画が打ち切られました。 


※ 遠くてカメラの赤外線があまり届かず暗い映像なので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

コカマキリの死骸に群がり引きずって巣に運ぶ怪力のクロヤマアリ♀

 

2026年9月中旬・午後14:55頃・くもり 

山麓の農村部で路上にコカマキリ(Statilia maculata)の死骸が横たわっていました。 
やや乾燥した死骸ですが、おそらく舗装路を横断中に車に轢かれて死んだロードキルのようです。 

クロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀が3匹、コカマキリの死骸に集まっていました。 
コカマキリの頭部が失われているのは、アリなどのスカベンジャーに解体されたのか、それとも交尾中に性的共食いされた♂なのかもしれません。 
ただし、死んだコカマキリの性別を調べていません。 

1匹のクロヤマアリ♀がコカマキリの左鎌を大顎で咥えると、死骸を丸ごと後ろ向きに引きずって運び始めました。 
もの凄い怪力ですね! 
他の2匹のアリは協力しないで、コカマキリの死骸に乗って噛みつきながら一緒に運ばれていくだけです。 
しばらくすると、2匹目もコカマキリの鎌を咥えて一緒に運び始めたものの、すぐに止めて別の箇所に移動してしまいました。 
無理しないで死骸を細かく解体した方が得策だと判断したのかな? 


【考察】
コカマキリで性的共食いの事例が報告されているのかどうか、Perplexity AIに訊いてみると、可能性はあるものの、野外での確実な観察記録はないそうです。




【追記】
後日(2026年10月中旬)に郊外を15kmぐらい散歩した際に見つけたコカマキリのロードキルを写真で記録してみました。
4匹中3匹で、車に踏み潰されて破裂した腹部から黄色い卵巣が露出していて痛々しいです。
なんとも気が滅入るラインセンサスですが、交通量の少ない過疎地の路上でこれほど多くのロードキルが見つかるとは驚きです。
輪禍の犠牲になるのは、コカマキリの♂よりも身重な♀が多いのかもしれません。
自動運転で路上の「虫けら」もできるだけ回避しながら安全に走行できるように改良して欲しいものです。







舗装路を横断中の生きたコカマキリも5〜6匹ぐらい(数え忘れた)救出し、片っ端から道端の草むらに移動してやりました。
♀は産卵に適した場所を探し歩いているのでしょう。

関連記事(8年前の撮影)▶ 農道を横断するコカマキリ♀


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昆虫のロードキルについては本も出版されておらず、哺乳類に比べて研究があまり進んでいないようです。
その点についてPerplexity AIに訊くと、以下のように回答してくれました。

はい。哺乳類に比べると、昆虫のロードキル研究はかなり少なく、分類群・地域・季節によって研究の空白も大きいです。ただし「研究がほとんどない」というより、近年は昆虫を対象にした研究が増えており、問題は調査・同定・個体数への影響評価が難しいため、実態が過小評価されやすいことです。

なぜ研究が少なく見えるのか

哺乳類は死体が比較的大きく、種同定や発見が容易です。一方、昆虫では次の問題があります。

  • 車に轢かれると体が飛散し、短時間で乾燥・破壊される。
  • アリ、ハエ、カラス、タヌキなどにすぐ除去される。
  • 走行車両に付着したり、道路脇へ吹き飛ばされたりする。
  • 種同定には顕微鏡や専門知識が必要で、科や目までしか同定できないことも多い。
  • 死亡個体数が非常に多く、全数調査が難しい。
  • 飛翔中に衝突した個体と、道路を歩いて横断中に轢かれた個体を区別しにくい。

そのため、哺乳類のロードキル本のように「種ごとの記録」が蓄積しにくく、研究ではしばしば「昆虫全体」「ハチ類」「チョウ類」「双翅目」といった大きな分類群で扱われます。無脊椎動物の道路死亡は、実際には多いのに、多くが科・属レベルにも同定されないという指摘があります。 mdpi

すでに分かっていること

代表的なのは、道路を飛び越える昆虫が車両に衝突する「vehicle strike」の研究です。カナダの高速道路で行われた調査では、約90 km/hの道路で10万匹以上の死んだ無脊椎動物が確認され、特にハチ類、チョウ類、ハエ類などが多く含まれていました。別の整理では、ハチ類が約26.9個体/km/日、チョウ類が約10.1個体/km/日という値が示されています。 anl.bayern

ただし、この数値は道路、速度、交通量、季節、天候、周辺植生によって大きく変動します。高交通量の道路では、1 kmあたり1日250個体程度という推定もあります。 cb.iee.unibe

また、道路脇の環境が昆虫を引き寄せる場合、道路は単なる移動障害ではなく、**「生息場所に見えるが、利用すると死亡しやすい生態学的わな」**になる可能性があります。花の多い草地や植生中央分離帯は、ハナバチやチョウを誘引する一方、道路横断や車両衝突を増やすことがあります。 link.springer

「昆虫全体が大きな影響を受ける」とは限らない

ここは重要です。道路上で大量の死骸が見つかっても、それだけで個体群への影響が大きいとは限りません。

2024年のレビューでは、道路を利用する成虫のうち、車両衝突で死亡するチョウの割合は、調査例ではおよそ0.6~7%と推定されています。これは道路脇を利用する成虫を分母にした値であり、地域全体の個体群への影響を直接示すものではありません。 academic.oup

一方で、影響が大きくなりやすいのは次のような昆虫です。

  • 飛翔能力が低く、道路を歩いて横断する種。
  • 飛べない種や地表性の種。
  • 毎年、繁殖地・越冬地・餌場の間を道路横断する種。
  • 生息地が道路によって分断された小個体群。
  • 道路脇の花や灯火に誘引される種。

特に飛べない甲虫や大型の地表性昆虫では、直接の轢死だけでなく、道路が移動を妨げる「障壁」になることが問題になります。道路を避けることで、餌場や繁殖場所に到達できなくなったり、個体群が分断されたりするためです。 academia

日本で不足している点

日本でも、道路が昆虫に及ぼす影響についての研究はありますが、哺乳類・両生類・爬虫類のロードキル研究ほど体系化されていません。特に不足しているのは次の分野です。

  • 日本の農道・林道・山間道路での昆虫死亡率の長期データ。
  • コウチュウ目、バッタ目、カメムシ目など、飛翔性以外の分類群の比較。
  • 水田、ため池、湿地周辺でのトンボ類・水生昆虫の道路影響。
  • ヘイケボタルなど、成虫の移動距離が短い種への道路の障壁効果。
  • 道路照明と昆虫の誘引・衝突・捕食リスクの関係。
  • 車に付着して死ぬ個体と、道路上で轢死する個体の区別。
  • 道路死亡が地域個体群の維持率や遺伝的交流に与える影響。

日本語で「昆虫のロードキル」と検索すると、哺乳類のロードキルに比べてまとまった単行本や一般向け記録が少なく見えるのは、このような調査上の難しさに加えて、研究テーマとして長期観測されにくかったためだと思われます。

観察するなら

身近な道路で調べる場合、単に死骸を拾うよりも、次のような設計にすると有用な記録になります。

  • 同じ道路区間を固定し、毎回同じ距離を調査する。
  • 調査時刻、気温、降雨、風、路面の湿り具合を記録する。
  • 道路の幅、制限速度、交通量、周辺植生を記録する。
  • 道路中央、路肩、側溝、植生側を分けて記録する。
  • 同じ死骸を繰り返し数えないよう、チョークや小石などで位置を管理する。
  • 可能なら調査前後を動画撮影し、清掃者や捕食者による死骸消失を確認する。
  • 種同定に自信がなければ、無理に種名を付けず「ハナバチ類」「双翅目」「小型甲虫類」などに留める。

例えば、ため池へ向かう細い農道では、トンボやハナバチの衝突数だけでなく、道路を横断する個体数、横断方向、周辺の開花植物、時間帯を記録すると、「道路が殺している」のか、「道路脇の環境が誘引して横断を増やしている」のかを区別しやすくなります。

つまり、昆虫のロードキルは「研究がない」のではなく、死亡数の把握までは進んでいるが、種別・地域個体群・長期的影響まで結びつけた研究が不足している、というのが現状です。 link.springer

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