2026/10/19

ハルジオンの花で採餌するハキリバチの一種♀の羽ばたき【ハイスピード動画】

 

2026年5月下旬・午後13:55頃・晴れ 

里山の中腹をトラバースする山道に沿ってに咲いたハルジオンの群落でハキリバチの一種が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
横および正面からの撮影アングルだったため、腹面のスコパ(集粉毛)に花粉の有無をしっかり確認できませんでした。 
スコパに白い花粉を集めているような気がします。

ハキリバチ♀は、なぜか腹端を高々と持ち上げた海老反り姿勢になって、花粉や花蜜を採餌しています。 
ハルジオンの花から飛び立っても、すぐ同じ花に舞い戻り、また倒立姿勢になりました。 

高画質のFHD動画と両方撮るつもりだったのに、逃げられてしまい、240-fpsのハイスピード動画しか撮れませんでした。


【考察】
訪花中のハキリバチが腹端を高々と持ち上げた海老反り姿勢になるのがいつも気になっています。
トンボが体温調節するためのオベリスク姿勢(倒立)を連想しました。 

関連記事(6、7、18年前の撮影)▶  

ハキリバチも同じく体温調節が目的の行動なのでしょうか? 
日陰で訪花するハキリバチの姿勢と比べれば、答えが見えてくるかもしれません。 
日向で訪花するハキリバチでも、私が撮影しながら手をかざして日差しを遮ってやり、もしも海老反り姿勢が解除されれば証明完了です。
しかし、急に影を作ったら、蜂は警戒して逃げてしまいそうな気がします。
(試して見る価値はありそうです。)
あるいは訪花中の対捕食者戦略だったり、蜜源植物の占有行動だったり、他の目的もありそうです。 

Perplexity AIに相談すると、全く別な定説があると知りました。
なるほどなー。
自分で思いつかなかったのが悔しいですけれども、納得してしまいました。

Q: 訪花中のハキリバチが、なぜか腹端を高々と持ち上げた海老反り姿勢になって、花粉や花蜜を採餌している。この奇妙な姿勢の意味や目的について研究されているか? トンボが体温調節するためのオベリスク(倒立)姿勢を連想した。あるいは訪花中の対捕食者戦略だったり、蜜源植物の占有行動だったり、他の目的もありそう。

A: はい、研究・解説が存在します。最有力の説明は、ハキリバチ類(とくにメス)が花粉を腹部腹面の「腹毛刷(scopa)」で運ぶため、訪花中に腹端を持ち上げて花粉塊を花に擦り落とさないようにしている、という機能形態的な仮説です。トンボのオベリスクのような体温調節目的というより、ハキリバチ特有の花粉運搬様式に強く結びついた姿勢と考えられます。 arboretumfoundation

なぜ腹端を上げるのか

ハキリバチ属 Megachile などのメスは、後脚の花粉かごではなく、**腹部腹面に密生する剛毛帯(scopa)**に花粉をためます。花の上を動き回る際、腹面を下ろしたままでは花粉塊が花弁・雄しべ・蜜腺などに接触して失われやすいため、腹部を高く持ち上げる姿勢が有利になります。 arboretumfoundation

  • 訪花中に腹端を上げる行動は、Megachile の特徴的姿勢として複数の解説で記載されています。 arboretumfoundation
  • 「花粉を腹面に載せたまま保持するため、腹部を高く持ち上げる」という説明は、飼育・保全ガイドやネイティブビーの解説でも繰り返し示されています。 honeybeesuite
  • 腹部腹面の花粉は後脚花粉かごに比べて露出度が高く、花との接触で落ちやすい。そのため、採粉時以外は接触を避ける姿勢が合理的です。 buzzaboutbees

「海老反り」の見え方

観察された「腹端を高々と持ち上げた海老反り」は、おそらく次の2要素の合成です。

  • 花粉保持:腹面のscopaを花から離す。
  • 姿勢制御・花面への適合:頭部を花芯に差し込み、蜜を吸いながら体幹を斜め〜逆立ち気味にする。花の向きが上向き・水平・下向きでも、ハキリバチは姿勢を変えて訪花します。 pmc.ncbi.nlm.nih

つまり、トンボのオベリスクのように「腹部を太陽光から離して冷却する」ことを主目的とする姿勢ではなく、花粉運搬器官を物理的に保護する採餌姿勢である可能性が高いです。 arboretumfoundation

他の仮説の評価

仮説 評価
花粉塊の保護 最有力。腹面scopaによる花粉運搬と直接対応する。 arboretumfoundation
体温調節 可能性はあるが、ハキリバチ訪花時の腹端挙上を体温調節とする強い実験的証拠は見当たらない。ミツバチ・マルハナバチでは摂餌時の腹部呼吸運動や胸部温度上昇が研究されているが、これは別の種群・文脈である。 labs.biology.ucsd
対捕食者戦略 説明としては考えられるが、腹端挙上に特化した証拠は現時点で弱い。クモや捕食性昆虫が花上にいる場合、体幹を上げることで腹部先端を遠ざける効果はあり得る。
蜜源占有・縄張り オスではあり得る。ハナバチのオスは花を縄張りとして利用し、訪花メスとの交尾機会や他昆虫の追い払いに関わることが知られる。 ffpri.go ただし花粉を腹面で運ぶメス特有の「腹端を高く上げる」姿勢とは区別すべき。
交尾シグナル・受容姿勢 メスが受容的な場合は腹端を挙げて針を反転させ、交尾に至る行動が記載される。 sare ただし花粉採餌中に繰り返し見られるなら、交尾受容ではなく花粉保持・姿勢制御の可能性が高い。

観察で見分ける方法

ご自身の映像で、次を比較すると仮説検証になります。

  • メスかオスか:腹面に濃密な花粉刷がある、または花粉塊が腹面に見えればメス。メスなら花粉保護仮説が強まる。 honeybeesuite
  • 花粉の有無:腹面が白・黄・橙などに見えるときほど、腹端挙上の角度が大きくなるか。
  • 花種・花の向き:上向き花、水平花、下向き花で姿勢角がどう変わるか。花の向きは訪花姿勢と花粉移動効率に影響することが示されています。 pmc.ncbi.nlm.nih
  • 行動の前後:蜜だけ吸っている時と、雄しべ上を這って花粉を腹面に擦り付けている時で角度が違うか。
  • 他個体との接触:同種や他昆虫が近づいた時だけ角度が増えるなら、威嚇・回避の要素も検討できる。
  • 気温・直射日:同じ花で日陰と直射下、朝と昼を比較し、姿勢角が温度条件だけで変化するかを見る。体温調節仮説の検証になります。 labs.biology.ucsd

結論

その姿勢は、まず**ハキリバチの腹面花粉運搬に適応した「花粉塊を花に擦り付けないための挙腹姿勢」**と解釈するのが最も筋が通ります。 ただし、個体・性・花種・気温・周囲の捕食者によって複数機能が重なっている可能性は残るため、「花粉保持が基本、状況次第で体温調節や捕食者回避が付加的に効いている」という段階的な見方が妥当です。 arboretumfoundation


Q2: なるほど。自分で思いつかなかったのが悔しいですけど、納得してしまいました。対立仮説を検証する方法についても回答してくれたのは高評価です。今後ハキリバチの訪花行動を観察する上で、新たな目の付け所が分かりました。

A2: ありがとうございます。観察の着眼点としては、むしろ「腹端挙上=体温調節か、防御か、占有か」と複数の機能を並べて考えられた点が優れています。ハキリバチの場合だけ、花粉を腹面に載せるという解剖学的制約が強く効いている、という整理です。

今後の観察では、特に次の1点が決定的になります。

  • 同じ個体で、花粉塊がほとんどない時と満杯の時の腹端角度を比較する
  • 蜜だけ摂っている花と、雄しべを這って花粉を採っている花での角度を比較する
  • メスとオスを区別して記録する(オスは腹面scopaがなく、花粉保持目的ならメスに偏るはず)

もし花粉量と角度が相関し、オスでは同じ挙上が出にくいなら、花粉保護仮説がかなり強まります。逆に花粉量と無関係で、直射・高温時にだけ顕著なら、体温調節の寄与も再検討する価値があります。ハキリバチの腹面scopaは花粉運搬の主要器官であり、これを保護する姿勢は機能的に自然な説明です。 arboretumfoundation

「悔しい」と書かれましたが、対立仮説を先に立てて検証可能な予測に落とせる観察者は、むしろ珍しいです。次は「角度を定量化する」だけで、感想ベースの観察が行動生態の小さな検証実験になります。


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