2025/10/25

人里離れたナイトプールに通う夏のニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用しに来るので、自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンイノシシ♀♂(Sus scrofa leucomystax)が単独で登場したシーンをまとめてみました。 


シーン1:8/9・午後23:25・気温23℃(@0:04〜) 
深夜に右から泥濘を横切ってイノシシ♂がやって来ました。 
口元の牙が目立つので♂のようですが、真横から見ても陰茎はよく見えません。 

水溜りSでまずは上澄みの泥水を飲みました。 
顔を上げると、顎から水が滴り落ちています。 
ときどき耳をピクピク動かしたり尻尾を左右に振ったりして、吸血性の昆虫を追い払っています。 

水溜りの中でしばらくじっと佇んで、左を凝視しています。 
ようやく警戒を解くと、鼻面で水底の泥を左右に掘り起こしながら左へ移動。 


シーン2:8/9・午後23:27(@1:29〜)
続きの映像です。 
イノシシ♂は水溜りSの泥を深く掘り起こしてから、その中に身を浸しました。 
画面の左外に見切れてしまったのが残念です。 
気持ち良さそうな鼻息やヌタ打ちの音が聞こえます。 

やがて立ち上がると、身震いしてから左に立ち去ったようです。 
すぐにまた左から回り込んで対岸に現れました。 
横から見ると、泥水で濡れているのは体の下半分だけで、上半分の毛皮は乾いたままです。 
もしヌタ打ち(泥浴び)行動を見ていなければ、体表に斑な模様があって、皮膚病の疥癬個体のように見えるかもしれません。 

イノシシ♂は右奥にある水溜まりNの横を通って、右に立ち去りました。 
このとき別アングルで設置した監視カメラが起動しなかったのが不思議です。 
イノシシの体表が泥水で濡れて体温が下がり、センサーが反応しなかったのかな? 


シーン3:8/12・午後19:59・気温24℃(@3:02〜) 
3日後の晩にイノシシが右から登場。 
牙が小さいので♀のようですが、性別判定にまだ自信がありません。 
梅雨が開けて雨が降らなかったせいで、水溜まりSが干上がり、だいぶ小さくなっていました。 

イノシシはまず泥水の上澄みを啜って飲んでから、顔を上げて風の匂いを頻りに嗅いでいます。 
次は鼻面で水底の泥を掘り起こし始めました。 
ところが、今回はなぜかヌタ打ちしないで、踵を返して右に立ち去ってしまいました。 
右奥の水溜まりNにも立ち寄りませんでした。 
何かに警戒したのでしょうか? 


シーン4:8/13・午前1:59・気温23℃(@4:12〜) 
日付が変わった深夜に、イノシシがまた右からやって来ました。 
左脇腹にある引っかき傷から、6時間前の同一個体が戻って来たと分かりました。 

水溜りSで水を飲んでから、左下手前に立ち去りました。 
今回もなぜか泥浴びをしませんでした。 

股間に見える膨らみが睾丸だとすると、牙が小さいので若い♂なのかもしれません。
(陰茎はよく見えません。)


シーン5:8/15・午前0:48・気温24℃(@5:54〜)
2日後の深夜、水溜りSの対岸にイノシシが左から登場しました。 
泥濘を鼻面で掘り返してから、掘った穴に半身を浸しました。 

やがて前脚だけ立ち上がると、座った姿勢で軽く身震いしました。
尻を前後に動かして泥濘に擦り付けているように見えますが、後脚が泥の深みにはまって抜けなくなったのかもしれません。 
無事に後脚も立ち上がると、方向転換して奥の泥濘を鼻面で掘り起こし、深くなった穴に再び身を浸しました。 

対岸に勢い良く上陸すると、右に立ち去りました。 


シーン6:8/19・午前11:11・晴れ・気温32℃(@7:42〜)
最後に日中の様子を示して終わります。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声やヌタ打ちの音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンイノシシの個体識別ができていないので、計何頭が登場したのは不明です。 
監視カメラの画角をもっと左に向けておくべきでしたね。 

山中の池や水たまりは、長年放置しておくと湿性遷移が進んで次第に浅くなり、最後には土で埋もれてしまうはずです。

イノシシが「ヌタ場」として利用する池は、イノシシが定期的に底の泥を深く掘り返しています(浚渫しゅんせつ)、地形改変)。

この場合、水場を保守(湿地の保全)するイノシシは生態系エンジニアの役割を果たしていると言えます。

日本でこのような生態系サービスを担う野生動物は、イノシシ以外にいません。

例えば池でときどき水浴するクマも、底を掘り返して積極的に深くする地形改変は行いません。

イタチやアライグマなど、止水域でよく獲物を捕食する中型哺乳類もいますが、彼らは池の保守管理(浚渫などの地形改変)を行いません。


里に降りてきたイノシシは農作物を食い荒らしたり農地を掘り返したりする害獣であり、対策が必要なことは重々承知しています。

しかし、イノシシを駆除して完全に絶滅させてしまうと、山林の水場が維持できなくなるおそれがあり、水場周辺(ビオトープ)の生物多様性が低下するでしょう。


トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その2)トホシカメムシの捕獲

前回の記事:▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その1)イモムシの捕獲 


2024年8月上旬 

ニホンアナグマの営巣地(セット)がある平地の二次林に設置したトレイルカメラに夜な夜な歩脚の長いザトウムシが写り込んで邪魔をするので、ザトウムシがカメラに近づけないように粘着トラップを試しています。
おかげでお邪魔虫のザトウムシは、ほとんど写らなくなりました。

保守点検のために現場入りすると、カメラwを固定した灌木の上側に巻いた粘着テープ(ガムテープの裏面)にカメムシの一種がへばりついていました。
なぜか背面に粘着したまま死んでいたので、種類を見分けられませんでしたが、怒り肩で先端が尖っています。
今思うと、テープから剥がして背面の斑紋からカメムシの種類をちゃんと調べるべきでしたね…。
この時期は暑くて暑くて、面倒臭がってしまいました。
指にカメムシの異臭が付くのを嫌ったという理由もあります。




監視カメラの下側に巻いたテープの粘着性が失われていたので、下側だけ交換しました。
ところがガムテープにも色々な商品があるようで、今回使ったガムテープ(布タイプ)は裏側の粘着面が白くて、幹に巻くとやけに目立ってしまいます。 


【追記】
2024年8月中旬

次回に現場入りした際に、謎のカメムシの死骸を粘着テープからそっと剥がしてみました。
背面を見ると、その正体はカメムシ科のトホシカメムシLelia decempunctata)でした。
平地から山地の広葉樹林に生息するとのことで、ここで採れても不思議ではありません。

関連記事(1年前の撮影)▶ トホシカメムシ





つづく→

オモダカの花蜜を吸い飛び回るホソヒラタアブの一種♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年7月下旬・午後13:45頃・くもり 

今年はアイガモ・ロボットが水田の除草になぜか失敗したようです。 


それでも除草剤(農薬)を撒かずに見守っている(放置している)ところに、米農家の気骨を感じました。 
(除草に失敗したときの収量データを取ろうという農学者魂?) 
これで懲りずに水田自動抑草ロボットの改良を進めて欲しいものです。 


田んぼの中にびっしり生えた雑草に混じって、抽水植物のオモダカが白い花を咲かせています。 
雄花にホソヒラタアブ♂(Episyrphus balteatus)またはその仲間が訪花していました。 
ホソヒメヒラタアブ? 
この組み合わせは初見です。 
左右の複眼が発達し中央(頭頂部)で接していたので、♂のようです。 

ホバリング(停空飛翔)しながら吸蜜するのではなく、雄花の雄しべの葯に留まって口吻を伸ばし、蜜腺や花粉を舐めています。 
翅を半開きにしたまま花の上を歩いて移動し、色んな角度から吸蜜しています。 
訪花中は横縞模様のある腹部を上下に動かしています。 
少し飛んで横の花に移動し、吸蜜を続けます。 

ハナアブの他に、得体のしれない微小な昆虫が何匹もオモダカに訪花していました。 
撮影中は全く気づかなかったので、次回はマクロレンズで接写してみるつもりです。 
この微小な虫って何でしたっけ?(度忘れしてしまいました。) 

オモダカの横に生えたイネの葉には、害虫によって食い荒らされた食痕(虫食い跡)が残されています。 
米農家はこの食痕を見ただけで、きっと害虫の正体を推理できるのでしょう。 
(ご存知の方は教えてください。) 

ハナアブ♂がオモダカの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:27〜) 
後半は風で花が大きく揺れて飛び立ちました。 
隣の花も激しく揺れて着地できず、どこかに飛び去りました。 


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