2021/05/08

雪原で殻付き落花生を食べるハシボソガラスの群れ(冬の野鳥)

 

2021年1月上旬・午後13:50頃・晴れ 

深い雪に埋もれた畑の一角に3羽のハシボソガラスCorvus corone)が集まって何かを採食していました。 
農家のヒトが冬の間も生ゴミを捨てて堆肥にしている場所らしく、カラスは雪の下から掘り出して生ゴミを漁っているのでしょう。 
撮影中は白銀の雪が眩し過ぎてカラスの採食メニューがよく見えず、クルミやジャガイモを掘り出して食べているのかと初めは思いました。 
順光のアングルに回り込んでようやく、殻付きのラッカセイ(落花生)を食べているのだと判明しました。 
雪が積もる前にこの畑で落花生を栽培していた訳ではありません。
(私はこの地方で落花生の畑というものを見たことがありません。) 
ヒトが割ってピーナッツを食べた後の殻ではなく、未だ中身の種子が入っている殻付き落花生がなぜか大量に捨てられていました。 
充分に乾燥させた殻付き落花生は腐りにくく保存性に優れているので、惜しげもなく生ごみに捨てる意味が分かりません。 (※追記参照)
もしかすると、誰か近所の愛鳥家が厳冬期の野鳥に殻付き落花生を給餌しているのかもしれません。 
冬の庭にバードフィーダーを用意してピーナッツを給餌する例は珍しくありません。 
別に気取ったバードフィーダーを設置しなくても、殻付き落花生を適当にばら撒いておけば野鳥は喜んでやって来るのです。 

ハシボソガラスは雪の中に凍り付いた殻付き落花生を嘴で掘り出すと、足で押さえた殻を嘴でつついて砕きました。 
さすがに薄皮は剥かないようですが、栄養価の高い種子(ピーナッツ)を美味しそうに食べています。 
その場では食べきれない落花生を喉袋に溜め込んでいて、喉袋はパンパンに膨らんでいます。 

この3羽はおそらく家族群なのでしょう。 
写真を見直すと、嘴の中が赤い若鳥が少なくとも1羽混じっていました。
群れ内に序列があるようですが順番に採食していて、餌を巡る喧嘩はしませんでした。 
仲間が近寄ってくると横取りされないように、殻付きのまま落花生を咥えて飛び去り、少し離れた屋根の上など落ち着いた場所でゆっくり殻を割って中身を食べるつもりのようです。 
落花生の殻ごと呑み込んで後から未消化のペリットを吐き出す、という可能性も考えられますが、ペリットを吐く現場は見ていません。 
あるいは、食べ切れない落花生をどこかにこっそり貯食するのかもしれません。 

雪面に散乱した落花生を嘴でかき分けている際に、1羽のハシボソガラスが雪の中から白いビニール紐を嘴で引っ張り出しました。(@7:00) 
消化できないビニール紐を誤食するほどカラスは馬鹿ではありません。 
単なる好奇心の現れでしょう。 
春が来て繁殖期になれば、産座の巣材として人工物のビニール紐を積極的に集めることもあるはずです。 

ハシボソガラスがピーナッツを食べまくっている間、餌場(生ゴミ捨て場)の端で2羽のスズメPasser montanus)が順番待ちしていました。 
スズメはカラスが怖いようで餌場には近づけず、おずおずとピーナッツの欠片を狙っています。 
スズメが落花生を食べるシーンも撮影したかったのですが、いくら待ってもカラスが居座って独り占めしているので、私も諦めてしまいました。 
スズメの嘴の形状で落花生の殻を割れるのかどうか、興味があります。 

※【追記】
殻付き落花生の乾燥が不十分だったり湿気で濡れたりするとカビが生え、そのカビが作るアフラトキシンは発ガン性が高い猛毒なので、食べると非常に危険なのだそうです。
今回も誰かが野鳥に善意で給餌していたのではなく、カビが生えてしまった殻付き落花生を生ゴミとして大量廃棄したのかもしれません。
だとすると、それを食べたカラスやスズメの健康状態が心配です。

嘴の中が赤い若鳥
嘴の中が赤い若鳥


 【参考動画】
 
撮影:wasa639さん。 
ハシボソガラスが落花生畑で土の中から掘り出して食害しています。 

 
撮影:ペット記録チャンネルさん。 
ハシボソガラスの飼育個体は落花生の殻を割って中身を取り出しただけでなく、驚くべきことに薄皮も器用に剥いて食べていました。

養蜂の巣箱に出入りするセイヨウミツバチ♀の群れ【HD動画&ハイスピード動画】(出巣時の定位飛行など)

 

2020年11月中旬・午後13:45頃・晴れ 

山間部の原っぱに多数の巣箱を並べた養蜂園がありました。 
野生動物が巣箱に近づかないように敷地の周囲を低い電気柵で囲っています。 
私も養蜂に興味はあるものの、なかなか実際に巣箱を観察する機会がありません。 
私のフィールドは農業が盛んな地域で定期的に様々な農薬を撒くため、ミツバチは飼えないのだろうと諦めていました。 
ここは農村部の公道のすぐ横に巣箱があるので、通りすがりに見学させてもらいました。 
年季の入った木製の巣箱が原っぱに点々と置かれていて、縦に重ねて積んである巣箱もありました。 
全ての巣箱で蓋の間に白い布(紙?)が挟まっているのは何ですかね?
ミツバチの天敵であるスズメバチを捕殺するトラップも設置してありました。 

セイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が巣箱に出入りする様子を撮影してみました。 
多数のセイヨウミツバチ♀が巣箱の前面下部にある巣門の周囲を飛び回っています。 
蜜源植物が乏しい晩秋なので、帰巣するどの個体も後脚の花粉籠は空荷でした。

迷子になって巣箱側面にあるスリットの周囲でウロウロしている個体もいましたが、網戸になっているためミツバチは通り抜けられないようです。
おそらく空気穴(通気口)なのでしょう。  
採餌後に帰巣するワーカー♀は自分の巣箱をどうやって見分けているのでしょう? 
巣箱に分かりやすい色やマークなどは記されていませんでした。 
定位飛行しながら自分の巣箱の周囲の風景をで視覚的に記憶するだけでなく、おそらくコロニー毎に匂いが微妙に異なるのでしょう。 
例えば巣箱の周囲の雑草を一気に刈り取ったり巣箱の位置をずらしたりしてしまうと、景色が一変して帰巣できずに迷子になる個体が続出すると予想されます。

巣門付近にしがみついたままじっとしている数匹の個体は門衛なのかな? 
気温が高くないので、扇風行動はしていません。 
それとも出巣のタイミングを窺ったりサボっている個体? 

巣箱に出入りするセイヨウミツバチ♀の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:16〜) 
帰巣したワーカー♀は巣箱の側面に止まると、歩いて巣門に降りて入巣しました。 
一方、出巣する個体の多くは巣門から真っ直ぐに飛び去りました。 
初めて外役に出るワーカー♀なのか、出巣の直後に定位飛行する個体も少数ながらいました。 (@4:14)
その場合、巣門から離陸直後に空中で巣箱の方へ向き直り、蛇行しながら上昇しています。 
こうして扇状に飛びながら蜂は周囲の景色を記憶するのです。
帰巣する個体も巣箱の手前で蛇行するように飛来していました。 
巣箱の正面ではなく横から狙えば定位飛行がもっと分かりやすく撮れたかもしれません。
相次いで出巣した2匹が空中で衝突するシーンが撮れていました。 
巣口付近で渋滞し、帰巣個体同士が空中で軽くぶつかったり、周囲に生えた雑草にひっかかったりしています。

2021/05/07

川で逆立ちして水底採餌するマガモ♀♂(冬の野鳥)

 

2021年1月上旬・午後12:20頃・晴れ 

様々なカモ類の群れが川で採餌活動する中で、マガモ♀♂(Anas platyrhynchos)の水底採餌に注目してみました。 
川面に浮きながら頭を水中深くに突っ込んで逆立ちのような体勢になり、川底の水草などを食べるのだそうです。 
マガモの代表的な採餌法らしいのですが、♀♂ともに見れたのは初めてかもしれません。 
マガモは体の作り上(解剖学的に)、水中に全身で潜って採餌することができません。
つまり潜水ガモとは同じ川でもニッチを棲み分けているのです。 

フィールド版『カモ類の観察:身近な水鳥の観察ガイド』によると、
マガモの採餌 よく逆立ちして採餌する。 淡水ガモはくちばしが届く浅いところで、逆立ちして水草を食べる。 さらに浅いところでは、首から先だけを水中に入れ、水草を食べる(p12より引用)
初めはマガモ♂だけが採食していたのですが途中から同種の♀が近寄って来て、♀♂ペアが並んで逆立ち採餌を披露するようになりました。
確かに岸辺の浅い所では首だけを水中に突っ込んでいました。 
途中からは川の深い所でお尻を上げて逆立ち姿勢になりました。 
逆立ちの際、水かきを激しく動かして水飛沫を上げることがありました。 
水中カメラで動画撮影できたら楽しそうです。

マガモ♀が何か茶色(オレンジ色)の食物を水中から咥えて浮上し、食べ始めました。(@2:00〜) 
1/5倍速のスローモーションでまずはご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。 
水草には見えないのですが、落葉なのかな? 
私には熟柿のようにも見えたのですが、川に落ちた熟柿なら川底には沈まずに浮く気がします。 
マガモには歯がないので、謎の食物を咀嚼して飲み込むのに苦労しています。 

 『これがカモ!:カモなんでも図鑑』によると
鳥には歯はありませんが、くちばしの周辺には、串状の突起があります。(p11より引用)
左が♀で右が♂

ランダムに記事を読む