2020/11/06

オオイタドリの葉を舐め回すルリイロハラナガハナアブ♀の謎

 

2020年8月上旬・午後14:50頃・晴れ 

堤防路に沿って自生するオオイタドリ群落の葉の上で、ルリイロハラナガハナアブの一種が奇妙な動きをしていました。 
腹端を中心として扇状に(ジグザグに)歩き回るのが異性を惹きつける誇示行動(ディスプレイ)なら面白いと思ったのですが、よく見ると摂食行動でした。
葉の表面を効率的に(無駄なく)走査するように舐め回すための動きなのでしょう。 
少しだけ飛んで隣の葉に移動し、謎の摂食を続けます。 

オオイタドリの花から葉に落ちた白い花粉を舐めているのだとすれば、どうして訪花して直接舐めないのでしょうか? 

イタドリの仲間には葉柄の根元に花外蜜腺の存在が知られています。 
葉の表面もほのかに甘いのでしょうか? 
だとすれば、アリのように花外蜜腺を直接舐めに行かないのは不思議です。  
▼関連記事(4、12年前の撮影)


後半はマクロレンズを装着して接写してみました。 
被写体の動きが素早いために目が回って酔いそうな映像なので、1/5倍速のスローモーションでご覧頂きます。(@2:36〜)
どうやらルリイロハラナガハナアブ♀は、葉の表面に粉を吹いたような白い点々を舐め取っているようです。 
この白い粉状の物体はアブラムシが排泄した甘露なのかな? (※追記参照)
一方、鳥が葉に落とした白い糞?には執着しませんでした。(@4:15)  

最後、葉上の落花を見つけて舌で触れた途端に、飛んで逃げてしまいました。(@4:30) 
口吻を葯に押し付けたら落花が動き、それに驚いたようです。  

左右の複眼が離れているので♀です。 
撮影後にビニール袋で採集を試みたものの、間一髪で逃げられてしまいました。 
おそらくナミルリイロハラナガハナアブXylota amamiensis)またはミヤマルリイロハラナガハナアブ(Xylota coquilletti) だと思います。



※【追記】
日本植物病理学会『植物たちの戦争:病原体との5億年サバイバルレース』という本(ブルーバックス・シリーズ)を読んでいたら、「オオイタドリの葉の表面が白い粉を吹いていたのは、うどんこ病の一種かもしれない」と思いつきました。
ルリイロハラナガハナアブがうどんこ病の白い菌糸?(胞子?)を積極的に摂取しているのだとしたら、とても興味深い習性です。
宿主特異性が高いので、昆虫が植物病原菌を食べても病気になることはまずありません。
ルリイロハラナガハナアブは、植物群落でうどんこ病の感染を広める媒介生物になっている可能性が考えられます。(※追記2参照)
植物病理学に関して私は未だ勉強を始めたばかりなので、全く的外れな仮説かもしれませんが、備忘録として残しておきます。
この分野もなかなかエキサイティングですね。

「日本植物病名データベース」サイトで検索すると、タデ類を宿主とするうどんこ病の病原菌が突き止められているそうです。
宿主 タデ類, イブキトラノオ, ツルソバ, イタドリ, ツルタデ, ミズヒキ, ヤナギタデ, サナエタデ, オオイヌタデ, イヌタデ, タニソバ, オオケタデ, イシミカワ, ハナタデ, ママコノシリヌグイ, アキノウナギツカミ, ミゾソバ, ムカゴトラノオ
Polygonum spp.
病名 うどんこ病
病名読み udonko-byo
病名英名 Powdery mildew
病原 Erysiphe polygoni de Candolle
文献 野村幸彦ら:東農大農学集報 22:301, 1977
丹田誠之助:日本植物病害大事典(岸 國平編):1206, 1998
備考 イヌタデ・オオイヌタデに発生
外部サイト 日本植物病害大事典 (BOUJO.net)
この菌(Erysiphe polygoni)は、タデ類の他にキュウリやオシロイバナなども宿主とするらしい。


※【追記2】
例えばキイロテントウIlleis koebelei)は、成虫・幼虫ともに、植物につくうどんこ病菌などの菌類を食べる益虫として知られています。



2020/11/05

ヒマワリ畑で種子を食べ脱糞するカワラヒワ♂(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後16:20頃・晴れ 

カワラヒワ♂(Carduelis sinica)がヒマワリ(向日葵)のうなだれた頭花の裏面に乗って、隣の株の種子を外側から啄んでいました。 
結構長い時間居座り、種子を次々に食べています。 
近くでスズメの群れも同様にヒマワリの種を食べに来ていたのですが、カワラヒワ♂はスズメと混群を作らずに少し離れて採食していたのが興味深く思いました。 
共に種子食性ですから、ライバル関係にあるのでしょう。 


しばらくするとカワラヒワ♂は、嘴が届く範囲の種子を食べ尽くしたようです。
今度は食べていたヒマワリの頭花の上に飛び乗り、今度は足元の種子を啄み始めました。 
ようやく日向に出て来てくれたおかげで、頭部が緑色っぽい♂で間違いありません。 
次は左側の小さな頭花のてっぺんにピョンと移動しました。 
それまで立っていた頭花の下側を覗き込んで、種子の出来具合を調べています。 
結局、 元の体勢に戻って採食を再開。 
食事の合間に白い糞をポトリと排泄しました。(@3:28)
鳥が木の実を食べた後に脱糞すると普通は種子散布になりますが、カワラヒワは種子そのものを割って食べる種子捕食者ですから、ヒマワリは食べられ損です。
食べ放題でもなかなか満腹にならないようで、カワラヒワ♂は飛び去る気配がありません。
▼関連記事(6年前の撮影) 
ヒマワリの花から種子を啄むカワラヒワ(野鳥) 
ヒマワリの種子を口移しで給餌♪するカワラヒワ(野鳥)の親子

ところで、ヒマワリの花は東に向いて咲くとの俗説があります。 
しかし、ご覧の通り、花が向いている方角は揃っておらずバラバラでした。 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチの門衛♀が近寄るアリやハエを撃退

 

八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:#1 


2020年8月上旬・午後15:00頃・晴れ 

ヤエザクラ(八重桜)の根際から高さ2mぐらいまで縦に裂けたような樹洞が開いていて、モンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が出入りしていました。 
樹洞内の上部に巣があるようです。 
縦に長い樹洞入り口の上半分は、モンスズメバチによって巣の外皮で塞がれていました。 
営巣木は枯木ではなく、上を見上げると枝には葉が青々と茂っていました。 

1匹の門衛♀が巣口付近で警戒しています。 
その間、他のワーカー♀が採餌や巣材集めなど外役のため巣に出入りしています。 
その度に門衛♀はちょっと警戒姿勢になるものの、仲間の通行は許しています。  
幹の割れ目や小さな虫食い穴(虫孔)から黒いアリが出入りしています。 
樹上営巣性のアリのようですが、近づけないので私には種類が見分けられません。 
モンスズメバチの門衛♀は樹洞に近づくアリに気づくと露骨に警戒し、追い払いました。 
樹洞入り口を塞ぐ外皮は、アリ対策のために作られたのかもしれません。 (侵入経路を少しでも塞ぎたい) 
しかし外皮をよく見ると、小さな穴がいくつも開いていて(破損? 手抜き工事?)心許ないですね。 
外皮の下縁が濡れているのは、おそらく追加(増築)されたばかりの箇所なのでしょう。  
これから樹洞入り口を外皮で完全に塞いでしまうのか、注目です。
アリを追い払った門衛は、「やれやれ」とばかりに前脚で触角を拭い、身繕いを始めました。
外皮の左に小さなハエ(種名不詳)が着陸した途端に門衛♀が敏感に反応し、ダッシュしてハエを追い払いました。 



【追記】
この桜樹洞の樹種がずっとはっきりしなかったのですが、ソメイヨシノではなくヤエザクラと判明したので訂正しておきます。

出巣する外役ワーカー♀を門衛が誰何

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