2020/04/20

ツマグロヒョウモン♂の求愛行動と♀の交尾拒否【HD動画&ハイスピード動画】



2019年10月下旬・午後13:25頃・晴れ

郊外の道端に咲いたセイタカアワダチソウの群落で多数のツマグロヒョウモン♀♂(Argyreus hyperbius)が訪花していました。
いつもと少し違うフィールドに足を伸ばしてみたら、過去最多の目撃個体数で驚きました。
ここ雪国でツマグロヒョウモンは越冬できないはずなのに、近年の地球温暖化で北進の勢いが増しているのでしょう。
全く珍蝶では無くなり、もはや普通種です。
翅が無傷のきれいな個体ばかりなので、台風による迷蝶とは考えにくいです。
個体の密度が高ければ同種の異性が出会う確率も高まり、おかげで私も念願の求愛行動を観察することが出来ました。




ツマグロヒョウモンは前翅の斑紋が分かりやすい性的二型ですから、野外観察中でも容易に雌雄を見分けることが可能です。
前翅の表側(上面)が名前の通り「端黒(つまぐろ)(前翅頂の周辺が黒い)」になっているのが♀の特徴です。

♀が翅を全開にしてセイタカアワダチソウの花蜜を吸っていると、その周囲を♂が忙しなく探雌飛翔しています。
♂が♀を見つけて近づこうとすると、♀は嫌がってセイタカアワダチソウの花から離れ、横のコンクリートブロックに避難しました。
追いかけてきた♂がホバリング(停空飛翔)で求愛しても、♀は半開きの翅を小刻みに震わせながら腹端を少し持ち上げました。
これはシロチョウ科と共通の交尾拒否姿勢です。
脈なしと悟った♂は諦めて飛び去りました。

♀がセイタカアワダチソウの花穂に戻って吸蜜を再開すると、戻って来た♂が♀の背後でまたしつこく求愛を始めました。
ツマグロヒョウモン♂の前翅には他のヒョウモンチョウ類♂と同じく発香鱗と呼ばれる特殊な鱗粉があるのですかね?(手元の資料を調べても分かりませんでした。)
だとすると、♀の背後で停飛する♂は、発香鱗の性フェロモンを♀に嗅がせるために羽ばたいて風を送っているのでしょう。
ところが♀はすぐに交尾拒否姿勢になり、厄介な♂のセクハラから隠れようと逃げ回ります。
セイタカアワダチソウの花穂の下側に回り込めば、♀の特徴である翅表が上空から見えなくなるのでしょう。
♀に拒否された♂は強引に交尾することはなく、紳士的に飛び去ります。
しかしすぐにまた戻ってきて求愛を試みます。

求愛と交尾拒否が何度も繰り返されるので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:56〜)
スローモーションで見ると一層よく分かります。

ツマグロヒョウモンに限らず、蝶の求愛が成就して交尾が成立する一連の過程を私は未だ一度も見たことがありません。
♀は羽化直後に一度しか交尾しないのかな?


関連記事(5年後の撮影)▶ 交尾したまま飛ぶツマグロヒョウモン♀♂【FHD動画&ハイスピード動画】連結飛翔


ツマグロヒョウモン♀@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜+交尾拒否姿勢
横のコンクリート壁に逃げて交尾拒否姿勢
ツマグロヒョウモン♀(左)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜+交尾拒否姿勢+♂(右)@求愛飛翔
♂上、♀下

同じタテハチョウ科のキタテハ(Polygonia c-aureum)秋型もツマグロヒョウモン♀と一緒に吸蜜していましたが、別種なので互いに無関心でした。
大きさを比べると、キタテハ<ツマグロヒョウモン。


ツマグロヒョウモン♀+キタテハ秋型@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜


オオバン(野鳥):警戒心の個体差



2019年11月下旬・午後16:15頃(日没時刻は16:22)


▼前回の記事
土手の草を食べるオオバンのペア(野鳥)


堤防の通行人に警戒したのか、土手にいた2羽のオオバン(Fulica atra)が採食を中断し、少し慌てて川の方へ逃げ出しました。
先導する個体が岸の砂地で脱糞しました。(@0:07)
そのまま川岸から入水し、オナガガモの群れに混じって川面を泳ぎ去ってしまいました。
川岸に残ったもう1羽の個体は砂地を歩き回り、未練がましく地面を啄んでいます。
おそらく草の実を食べているのでしょう。
ようやく警戒が解けたようで、土手の草地に戻って来ると単独で採食を再開しました。

それまでずっと行動を共にしていた2羽のオオバンはてっきり♀♂番(つがい)だと思っていたのに、警戒性に個体差があり別行動を取るようになったのが興味深く思いました。

オオバンは雌雄同色らしいので、残念ながら性差かどうかも不明です。
陸地に居残った方は気質が大胆なのか、それとも空腹で食欲に負けたのかな?
これでもし、食い意地の張った個体が猫や猛禽類などの天敵に陸上で襲われて捕食されてしまったら(自然淘汰)、用心深い個体が自然選択されたことになるでしょう。

これがもし多数の群れであれば、群れで行動する安心感を求めて多数決のように行動が決まりそうです。

つづく→川面で羽繕いするオオバン(野鳥)



2020/04/19

野菊の花を舐める黒いハエ(Phasia japanensis♀?)



2019年10月上旬・午後14:45頃

山間部の道端に咲いた野菊(種名不詳)の群落で見慣れない真っ黒なハエが訪花していました。



全身黒光りしていて複眼は赤く、平均棍を覆う鱗弁(?)は白っぽいです。
透明な翅の根元付近は褐色を帯びていました。
左右の複眼は僅かに離れていて接していないので♀かな?

飛び立つ瞬間を狙ってハイスピード動画に切り替えようとしたら逃げられてしまいました。
しっかり同定してもらうには高画質の写真を撮るか、または採集を決行すべきだった…と後から思うのですが、動画での行動記録をどこまで引っ張れるかいつも迷います。(動画屋にとって永遠の悩み)

いつもお世話になっている「みんなで作る双翅目図鑑 画像一括閲覧ページ」サイトを眺めてみると、ヤドリバエ科ヒラタヤドリバエ亜科に属するPhasia japanensis(和名なし)と素人目には似ている気がしました。
私が気になって撮るハエはどうも寄生ハエが多いようです。
もし間違っていたらご指摘願います。



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