2013/10/15

オオマルハナバチ♀がタケニグサの花で振動集粉



2013年8月上旬

山地の道端に咲いたタケニグサオオマルハナバチBombus hypocrita)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
花に止まる度に翅を休めるのですが、耳を澄ませるとこのとき羽音よりも甲高い音がかすかに聞こえます。
これは振動集紛を行うために胸部の飛翔筋を震わせている音です。

振動集粉は一般に下向きに咲く花で行われることが多く、花粉の入った葯に止まって体を小刻みに振動させて落ちた花粉を体毛で受け止めて集める方法である。風媒花はこの振動集粉のおかげで受粉するが、ミツバチではこのような受粉はできない。(『日本産マルハナバチ図鑑』p167より)

オオマルハナバチ♀の振動集粉を声紋解析してみる

元のMTS動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出してから、適当に切り出した部分のスペクトログラムを描いてみました。
背景でセミが絶えず鳴き続けていたり、上空を通過するジェット機の騒音が邪魔ですね。
振動集粉と飛翔時の羽音(5〜6秒)の違いが出るかと期待したのですけど、余りはっきりしませんでした。
やはり専用の録音機材を揃えないと、声紋解析しようとしても無理があるようです。


2箇所の鋭いピークはノイズ。

繭を紡ぐヨシカレハ(蛾)終齢幼虫【30倍速映像】



2013年8月中旬

ヨシカレハの飼育記録1

里山でススキの葉に止まっていたヨシカレハEuthrix potatoria bergmani)の幼虫を採集してから4日後。
この間、女竹や葦など食草をあれこれ与えてやっても全く食欲がありません。
そのうちに徘徊が激しくなり、繭作りを始めそうな予感。
何度食草に戻してやってもボトッと床に落ちてしまいます。
プラスチックの飼育容器内では絹糸が足場にくっ付きにくいだろうと出してやり、ボール紙でできたティッシュの空き箱に幼虫を閉じ込めました。
箱上部の透明ビニールカバーが覗き窓となって好都合です。
(脱走防止のため、切れ目をセロテープで塞いでおきました。)
薄暗い方が幼虫も安心して繭を紡いでくれそうです。
いざとなったらすぐに紙箱をハサミで切り開いて観察できるという利点もあります。

少し仮眠してから深夜に目覚めてチェックすると、紙箱の側面に繭を作っているところでした。
無から形を創り上げる最初の過程を観察できずに残念。
後で思うと、透明プラスチックの飼育ケースに紙箱の隅の部分だけを切って入れてやれば、外から進捗状況を確認しつつ、繭を作る位置も指定できたかもしれません。

カイコの場合、平面吐糸では繭を作れない。糸を張る足場となる2面以上で囲まれた立体空間が必要。(『糸の博物誌:ムシたちが糸で織りなす多様な世界』第6章:チョウとガの糸 p148より)

慌てて紙箱を切り開き、微速度撮影を開始。
ジオラマモードで撮った10倍速の動画を更にスピードアップした30倍速映像をご覧ください。
撮り始めた時には既にハンモックのような白い繭が大まかに作られています。
しばらく警戒していましたが、ようやく営繭を再開。
狭い繭の中で時折Uターンしながら絹糸を口から吐いて繭を紡いでいます。
休みなく営繭を続けます。
途中から急に絹糸が褐色に変わり、繭の中が透けて見えなくなりました。
絹糸の種類を変えたのか、あるいは何か絹糸を変質させる酵素を分泌し始めたのでしょうか?
毛虫の体毛を繭に植えているのかもしれません。
繭全体が少しずつ褐色を帯びていきます。
繭の網目を漉して落下した黒い脱毛が紙箱の床に少しずつ細かな綿埃のように溜まっていきます。
これに素手で触れるとかぶれるので要注意!

・毒針毛は繭にもあるが、成虫にはない。(wikipediaより)

・カレハガ科のマツカレハなどの繭には幼虫時代の刺毛が含まれます。(『糸の博物誌:ムシたちが糸で織りなす多様な世界』p156より)

完成した繭は灰褐色でした。
近縁種タケカレハの繭に見られたような黒点は無く、形は似ていても色が違います。

関連記事→「繭を紡ぐタケカレハ(蛾)終齢幼虫(150倍速映像)

参考サイト:「ヨシカレハの観察日記」@晶子のお庭は虫づくし

つづく→「寄主ヨシカレハ(蛾)の繭から脱出するヤドリバエ幼虫


紙箱に営繭

繭の直下には脱毛が散乱

採寸

側面

側面

後日、繭を切り開いて調べてみると、紙箱に接した部分は絹糸を節約していることが分かりました。
また、繭の内側には何か漆喰のような粘液を塗った後で白く固まったものが見つかりました。




2013/10/14

羽化直後のエゾゼミ♂が歩いて転ぶ



2013年8月上旬

山道の休憩所にて、エゾゼミ♂(Lyristes japonicus)が床にひっくり返っていました。
脚をばたつかせるだけで、自力では起き上がれないようです。
徘徊中のクロアリがちょっかいをかけてきます。
セミを起こしてやると歩き始めましたが、飛べないようです。
腹弁を持つ♂なのに、拾い上げても鳴いてくれません。
休憩所のベンチの上を歩かせると、ベンチの簀子状の隙間に足を踏み外して転倒しました。
寿命が近いのか、とにかく衰弱した個体のようです。
私が数時間滞在している間にもこのエゾゼミ♂は動かずベンチでじっとしていました。


【追記】
YouTubeのコメント欄にて、tead deatさんより貴重なご指摘を頂きました。
腹弁の色、翅脈の色からすると弱ってるより羽化したてに見えます。ついでに鳴かないまで来ると羽化したてしかないなぁと。
その可能性は全く考えてませんでした。
セミに疎い私はてっきりセミは夜に羽化するものと思い込んでいたのです。(エゾゼミは昼間に羽化するのですか?)
上述したように山道の休憩所(東屋)でひっくり返っていたのですが、地中から出てきた幼虫が開放的な東屋に迷い込んだとしても不思議ではありません。
この動画を撮ってから数時間放っておいてもベンチから逃げずに(飛ばずに)じっとしていました。
私が帰る前にもう一度腹弁を撮れば色が変わっていたのかな?
この記事のタイトルも「瀕死のエゾゼミ♂が歩いて転ぶ」から変更しておきます。





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