2012/11/25

アオゲラの喧嘩?と警戒声の声紋解析【野鳥】



2012年8月中旬

杉の幹に止まった2羽のアオゲラが何やら喧嘩のような行動をしていました。
AF頼みでは終始ピントが合ってないのですが、羽を広げて威嚇?しています。
途中でケケケケケッ♪とけたたましい鳴き声を発しました。

手前の杉木立が邪魔でよく見えません。
もう一本奥の幹で何事か行われています。
撮り易いアングルを求めて私が一歩でも横に動いたら間違いなく逃げられると思い、我慢してそのまま撮影を続けました。
アオゲラは幹に止まったまま顔を左右に振っています。

幹の周りで隠れんぼ?
最後は相次いで2羽とも飛び去りました。

とりあえず2羽の性別を知りたいところです。
番(つがい)だとすると求愛行動かもしれません。

素人目にはなんとなく♀同士の喧嘩のような気がしますが、どうでしょうか?

日本列島の特産種アオゲラの♂は額から後頭にかけて全体が赤く、後頭部だけ赤いのが♀です。
てっきりキツツキ類の縄張り争いはドラミング行動という音声コミュニケーションで行われると思っていたのですが、ここまで接近して闘争に至ることもあるのでしょうか。

【追記】
巣立った幼鳥が幹に止まって親から餌をねだっている、という可能性は?(参考:『科学のアルバム:キツツキの森』p22)



後頭部しか赤くないので♀?
アオゲラの鳴き声を声紋解析してみる

オリジナル動画のMTSファイルからいつものように音声パートをWAVファイルにデコードしてから、ケケケケッ♪と鋭く鳴いた警戒声?のスペクトログラムを描いてみました。
ノイズが多いですけど、辛うじて読み取れます。





フタモンクモバチ♀に狩られ麻痺状態のイシサワオニグモ♀を調べる




2012年8月中旬

フタモンクモバチ♀(旧名フタモンベッコウ;Parabatozonus jankowskii
)に狩られ巣に運ばれる途中で採集したイシサワオニグモ♀成体です。
前の記事はこちら→「イシサワオニグモ♀を曳くフタモンクモバチ♀」
毒針で刺された獲物は翌日も完全に麻痺が残っています。
ピンセットで仰向けにすると、ゆっくりと歩脚を縮めました。
真夏の暑さでも何日も腐らず新鮮なので、蜂の子が食べる餌として安心して与えることができます。

腹面の外雌器を接写すると、昨日はあったはずの垂体が見当たりません。
クモバチに砂利道を引きずられた際に垂体が取れてしまったようです。
麻痺からの回復は望めず植物状態で餓死するだけなので、フタモンクモバチ♀と一緒にエタノール液浸標本にしました。

シリーズ完。







腹面:外雌器

前日現場で撮った腹面:外雌器+垂体?

2012/11/24

イシサワオニグモ♀を曳くフタモンクモバチ♀




2012年8月中旬

下山中に、クモバチが狩った獲物を曳いて林道を横断するところに出くわしました。
鮮やかなオレンジ色のクモの歩脚の根元を咥え、後ろ向きに歩いて運んでいます。
獲物は少し持ち上げて運ぶため、歩脚の先以外は地面に引き摺ることはありません。
砂利道を横切った後で獲物を置いて休憩。
疲れたのか、身繕いしています。
獲物を残したまま飛び去りました。
営巣地の行き先を偵察に出かけたのかもしれません。
その隙に拉致被害者を調べてみると、イシサワオニグモ♀成体(コガネグモ科)と身元が判明。
毒針に刺され完全に全身麻痺状態です。
大きさの比較対象として一円玉を並べてみます。




その場でじっと待つと、蜂が戻って来ました。
私を警戒しているのか、獲物をなかなか見つけられないでいます。
獲物を取り戻すと、再麻酔することなく直ちに運搬再開。
七つ道具のピンセットを取り出す暇があれば、再麻酔手術を観察するために獲物を押さえて運搬を邪魔できたはずです。
クモバチの毒針に手を刺されると相当痛むらしいので、素手でやる勇気がありませんでした。
蜂は林道を横切り路肩のちょっとした崖を登り切ると潅木帯を越えました。
そこで小休止すると、獲物を地面に置いて再び偵察飛行へ出かけました。
留守中アリに獲物を盗まれないための対策として獲物を草葉に挟む行動は全く見られませんでした。

運搬再開した蜂がそのまま切り立った崖を下ろうとしていたので、私も決断を迫られました。
そのまま営巣地まで追跡するには危険で無理な状況です。
どうしてもクモバチを同定したい一心で、営巣行動の観察は諦めて泣く泣く採集しました。
かなり大型の黒いカリバチで一瞬オオモンクロクモバチ♀かと思ったのですが、眉紋というか複眼と触角の間にあるお洒落な橙色の部分が目立ちます。
腹部に黄色(橙色)の帯があり、翅も半透明の黒色です。


標本

第3腹節の2紋が黄褐色。

複眼内縁が黄褐色。

胸部側面

腹部側面

腹端の毒針側面。死後は毒針が伸びていた。

胸背

右翅

左翅

腹面

クモバチ科♀の触角は死後にゼンマイ状にカールする。


オオモンクロクモバチ♀の個体変異なのかな?と勝手に思いつつ、いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSに投稿して問い合わせたところ、青蜂@管理人さんより以下の回答を頂きました。

写真のクモバチは、フタモンクモバチ(フタモンベッコウ)(Parabatozonus jankowskii)ではないでしょうか。蜂類画像一覧の画像は顔面が写っていませんが、資料によると「複眼内縁、第3腹節の2紋は黄褐色」とあります。 オニグモを狩るというのも一致しますね。
日本最大のクモバチらしい。
自分でもすっかり忘れていましたけど、実は2009年に同種の♂を撮っていました。

関連記事はこちら→「ヤブガラシの蜜を吸うフタモンベッコウ♂」

つづく→「フタモンクモバチ♀に狩られ麻痺状態のイシサワオニグモ♀を調べる
」

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