2006年7月上旬
▼前回の記事
チャイロスズメバチに乗っ取られたキイロスズメバチの初期巣:前編
穴の直径(15mm)が狭いので、チャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)と寄主のキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)は入口ですれ違うことができません。
チャイロ女王が一時的に巣の外に出てキイロのワーカーの出入りを許します。
チャイロはホストの巣に浸入すると、ホストの女王や懐かないワーカーが巣に入れないように妨害し、じれて攻撃してくる者を殺すらしい。
後編につづく。
2006年7月上旬
巣入口のボルト穴に大きなチャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)女王が外向きに陣取っています。
そのため帰巣したキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー3匹が中に入れないでいます。
どうやら巣の乗っ取りが進行中で、寄主(ホスト)の創設女王は既に殺されている模様。
チャイロの卵はキイロのワーカーに子育てさせるらしい(社会寄生性スズメバチ)。
つづく→中編。
【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
(社会寄生する)条件的一時寄生種としては、日本のチャイロスズメバチが有名である(中略)チャイロスズメバチの場合、私がこれまでに観察した例では、他種に寄生したコロニーの営巣規模は一般に小さいことが知られており、一方、初めから自力営巣したとみなされるコロニーは、最大規模の営巣をしていることが多い。このことは、越冬後の女王のなかで、自力による巣づくりに遅れをとったり、質的に劣った個体が、自力営巣をあきらめて、寄生者としての道を選択するという可能性も考えられる。(p108-111より引用)
チャイロスズメバチでは、相手の働きバチが羽化してまもないもので、数が多くない巣を乗っ取る。(p115より引用)
2006年6月下旬
プレハブ小屋の壁と天井の角にあるボルト穴(直径15mm)からキイロスズメバチのワーカーが飛び立ちました。
2匹目は初飛行なのか、飛び去る前に入口穴の位置を記憶するような行動を示しました(定位飛行)。
キイロスズメバチ女王はこのように安全で閉鎖的な空間に初期巣を作ることが多いのだそうです。
その後、この初期巣はチャイロスズメバチ女王に攻撃を受け乗っ取られてしまいました。
つづく→「チャイロスズメバチに乗っ取られたキイロスズメバチの初期巣:前編」