2011/02/28
キボシアシナガバチの個体標識
2008年7月上旬
キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)初期巣の定点観察。
ワーカーがじきに羽化してくるので、個体識別のために創設女王の胸部背中にマーキングを施しました。
100円ショップで買ったアクリル塗料(シルバー)を試しました。
アシナガバチの参考書には爪楊枝で塗ると書いてありましたが、その辺に生えていた笹の新芽を抜き取って楊枝代わりにしてみます。
しかし腰が弱くて使い難い。
もっと堅い草の茎が良さそうです(ナイフで鉛筆削りの要領で先を尖らせる)。
尖った先端部(点)ではなくて面で蜂に軽く触れるように塗りました。
わざわざ捕獲するのが面倒で(却って危険な気がした)、そのままマーキングしました。
未だマーキングに不慣れなので撮影しながらの作業は難しくて実は少し失敗しました。
女王が警戒して巣の上を動き回るとやり難くなります。
結局カメラを止めてやり直しです。
塗料を体に塗りすぎるとすぐに身繕いで払い落としてしまいます(映像なし)。
前脚で塗料の塊を掻き取り口で拭い捨てたので経口毒性を心配しましたが、どうやら無事のようです。
翅に少し付いてしまったのも失敗。
飛行に影響しては困ります。
女王は明らかに嫌がっているものの、巣を離れて逃げたり攻撃したりすることはなく、こちらが身の危険を感じることは一切ありませんでした。
※ ワーカーへのマーキングは危険性(攻撃性)が全く異なるそうなので、真似する人はくれぐれもご注意ください。
一時捕獲が必要なようです。
<参考書>
『日本の昆虫3:フタモンアシナガバチ』文一総合出版・山根爽一
(扱う種は違いますがフィールドワークのバイブルです)
《追記》
この塗料は耐久性に欠けることが後日判明し、マーキングに失敗しました。
確立したノウハウというよりも、失敗も含めた素人のフィールドワーク(試行錯誤)日記として御笑覧下さい。
『雄太昆虫記 ぼくのアシナガバチ研究所日記』では白い修正液でマーキングしていました。
つづく→シリーズ#21
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キボシアシナガバチ創設女王:肉団子の給餌
2008年7月上旬
笹の茎に営巣するキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)創設女王d。
咀嚼した肉団子を女王が各巣房の幼虫に与えて回ります。
巣房から身を乗り出して餌を催促する大きな幼虫は終齢(老熟幼虫)かな。
鳥の育児みたいで微笑ましいですね。
肉団子を全て給餌し終ると女王は少し身繕いしてからすぐに外出。
次の餌を狩りに行ったのでしょう。
肉団子は巣に保存出来ないので(腐ってしまう)、幼虫の求めに応じて狩りを行う必要があります(随時給餌)。
この日の巣房数は約18室(繭4、幼虫8、卵6)。
茎に近い巣の下部から順に発生が進み、成長に応じて巣房の長さ(奥行き)も増しています。
本種キボシアシナガバチとヤマトアシナガバチの特徴として、幼虫が育って蛹になると鮮やかな黄色の繭を紡ぎ巣房表面を塞ぎます。
つづく→シリーズ#20
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給餌
キボシアシナガバチ創設女王が肉団子を咀嚼
2008年7月上旬
ナンブアザミの葉裏に営巣したキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)女王eの観察記録。
<前半>
巣房に顔を突っ込んでじっとしている女王の姿をよく見ます。
ただの休息なのか、巣房を点検・掃除しているのか、それとも幼虫と栄養交換(後述)しているのだろうか。
観察中ににわか雨が降ってきました。
木の葉に遮られて林床には雨粒は殆ど落ちてきません。
多少の雨は気にせずに蜂は外出するようです。
<後半>
アシナガバチの幼虫は肉食なので、主に鱗翅目の幼虫を狩って肉団子にして与えます。
単独性カリバチの一括給食に対してアシナガバチ/スズメバチの逐次給食は社会性を獲得した重要なステップと考えられています。
幼虫には歯が無いので、成虫が肉をよく噛み砕いてから与える必要があります。
幼虫が若齢のうちは肉汁を吐き戻して与えるらしい。
女王自身は
自分で花蜜を採餌する他、幼虫からのアミノ酸に富んだ液体状の吐き戻しをもらって(栄養交換)栄養補給します。
ちなみに創設女王の胸部背中に個体識別のマーキング(銀色のアクリル塗料)を施してあります。
つづく→シリーズ#19
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