2011/02/27

キボシアシナガバチ女王の巣を冷やす扇風行動



2008年6月中旬・気温24℃

山道のガードレール側面に営巣しているキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)の定点観察日記。
この巣は普段ガードレール沿いに茂ったススキの葉に隠れて少し陰になっています。
撮影のためにススキをどけたら強い直射日光が巣に当たるようになったせいか、休んでいた女王が動き出しました。
巣房の温度を触角で点検して回り、巣房を冷やす軽い扇風行動を披露してくれました。
ガードレールに映った影絵も実に美しい。
直後に簡易温度計で測った気温は約24℃で体感もそれ程暑くありません。
ガードレールに触れても熱さを感じません。
気温/巣温そのものではなくて、巣温変化(上昇)を感知して解発される行動なのかもしれない。


《参考》 
学研『図解自然観察シリーズ 飛ぶ食べる育つ 昆虫たち1:ハチ・アリ・アブ』p20 によると、別種フタモンアシナガバチの場合 
「フタモンアシナガバチの巣は高温環境に作られるので、巣の周りの気温が45℃前後になることもある。巣温が30℃前後になると、巣温を下げるために、羽を振動させて風を送る行動を始めるが、更に温度が上がると、水を持ち帰って巣房につけ、気化熱で温度を下げる。」 




《追記》 
ここで創設女王の姿を見たのはこの日が最後でした。
巣房は15室まで増え産卵も確認できたのに、アリに捕食されたのか卵は全て無くなっていました。
女王の身に何かあったのか、不適切な営巣地と判断して見捨てたのでしょうか。
6月一杯で廃巣と判断して巣を採集し、観察を打ち切りました。
別の巣を観察対象に切り替え、本シリーズはまだ続きます。

つづく→シリーズ#9

ガードレールに営巣するキボシアシナガバチ創設女王



2008年6月中旬

ガードレール側面に営巣しているキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)の定点観察日記。
前回の観察から一週間後に再訪。
創設女王は初期巣の上に乗って休息中でした。
スーパーマクロモードで近寄るとやや緊張した様子で巣を点検して回ります。
この日は決して逃げませんでした。
巣房数は約12個で産卵済み。
幼虫は確認できず。

つづく→シリーズ#8

ガードレールに営巣するキボシアシナガバチ女王



2008年6月上旬

定点観察中の場所(アシの葉裏)から全く離れた山間部の車道のガードレールで別個体のキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)女王が営巣していました。
波型にオーバーハングして巣に雨が掛からない場所を選んだようです。
前面に生い茂ったススキの葉も目隠しになっています。
金属面を基質としてパルプ製の巣柄がしっかり付いているのですが、どんな接着物質を使っているのだろう? 


同定用にストロボを焚いて激写したら女王が歩いて巣から少しだけ離れました。
こちらを警戒しているものの、飛び去ることはありませんでした。
巣房を数えようとしたが良いアングルを確保できず(約11室で産卵済み)。
これから巣房に繭の黄色いキャップが出来たら人目に付いて駆除されないか心配です。
道とは逆の面に営巣したらより安全だったろう(キボシアシナガバチにとって)。
今後この巣も観察対象に加えます。

つづく→シリーズ#7

ランダムに記事を読む