2024/10/07

ナツメの落果を拾って種子を採集

前回の記事:▶ ナツメの種子散布者としてのホンドタヌキ 


2023年12月上旬 

民家の庭に植栽されたナツメの木を新たに見つけました。 
樹高が高くなり過ぎないように上部が伐採されていて、痛々しい樹形です。 
完全に落葉し終わった枝先に、茶色に熟した核果が鈴なりに実っています。 
木の下には多数の落果が散乱していました。 

撮れた写真を見ると、クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が1匹、ナツメの落果に乗っていました。 
撮影したときには気づかず、ナツメの果汁を吸汁しに来ていたのかどうか、不明です。 

スギ防風林にあるタヌキの溜め糞場wbcに未消化のまま排泄されたナツメの果皮および種子がまとまって見つかったことから、ホンドタヌキがこの庭まで遠征してきてナツメの落果を食べ漁った可能性があります。 
2点間の直線距離は約550mでした。
もっと遠い地点(約800m)にもナツメの庭木がありました。
トレイルカメラを設置して、秋の夜長にナツメの落果を食べに来る野生動物を撮影できたら面白そうです。 

クロヤマアリ♀が1匹、ナツメの落果に乗っていました。

公道に転がっていたナツメの落果を3個だけ拾って持ち帰りました。 
果肉を水で洗い流して細長い種子を取り出し、よく乾燥させました。 
ナツメの種子の標本として保存します。 
今後、野生動物の糞分析や胃内容物調査で種子散布を調べる際に比較対照となります。 

山渓ハンディ図鑑4『樹に咲く花:離弁花2』でナツメを調べると、
果実/核果。長さ1.5〜2.5cmの楕円形で、10〜11月に暗紅色に熟す。核は卵形〜長楕円形で両端が鋭くとがり、不規則な縦の溝がある。核は長さ1〜1.2cm(p511より引用)

私が採取した種子は、図鑑の記述よりも少し大きい(長い)ようです。



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