2018/02/20
羽化に失敗したクロマダラエダシャク ?(蛾)
2016年5月中旬・午後17:56
里山の山腹の草地を歩いていたら、カナムグラの茂みの中でシャクガ科エダシャク亜科Abraxas属の蛾を見つけました。
前翅前縁中央にある灰色の斑紋の中に黒い輪っか状の紋があるので、ユウマダラエダシャクは除外できます。
採集した標本の交尾器を調べないとこれ以上は絞り込めないそうです。が、例えばクロマダラエダシャク(Abraxas fulvobasalis)かもしれません。
よく見ると、左の翅がクシャクシャになっている個体でした。
焦げ茶色の蛹から左翅が上手く抜け出れず、引っかかったまま羽化後の翅伸展が正常に進まなかったようです。
薄暗いので、後半はハンディカムの補助照明を点灯してみました。
指で蛾に触れてみて、この状態で少しでも飛べるかどうか確かめてみればよかったですね。
左翅に挟まっている羽化殻を採集するつもりだったのに、直後に他の被写体に気を取られてしまった私はすっかり忘れてしまいました…。
カナムグラはキタテハの食草として有名ですけど、Abraxas属の蛾の幼虫の食草ではありません(少なくとも公式の記録では記載なし)。
終齢幼虫になると食餌植物を離れて草むらに隠れ粗い繭を紡ぐのかな?
あるいは成虫が羽化殻から抜け出ようと暴れながら、蛹を引きずってここまで辿り着いたのかもしれません。
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