2015/11/10

ムモンホソアシナガバチ♀同士の栄養交換



2015年8月中旬

石灯籠内で営巣するムモンホソアシナガバチの定点観測記録#3


まる一ヶ月(31日)ぶりに様子を見に行くと、コロニーは小規模のままなのに、ムモンホソアシナガバチParapolybia indica)♂(雄蜂)が羽化していました。
雄蜂はほっそりした体型で長い触角の先がカールし、顔色が白いのが特徴です。
いつものように、初めは赤外線の暗視カメラで暗い石灯籠内部を撮ります。
在巣の蜂の構成は♀3♂1で、育房を点検して回ったりおとなしく身繕いしたりしていました。

次に白色LEDを点灯すると、♂は複眼が黒いので羽化したばかりと判明。
巣盤上部に居る2匹の♀成虫間で口づけを交わし栄養交換しています。

※ 動画では撮影した順番を入れ替えて編集しました。(メインのトピックを先に紹介)

つづく→#4:発達の悪いムモンホソアシナガバチの巣




【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』を読むとホソアシナガバチの順位性について驚くことが書いてありました。
ホソアシナガバチの社会は、一頭の女王と、10数頭の働きバチによって構成されている。女王は、働きバチにたいして絶対的優位の立場にあるが、働きバチのあいだには、ほぼ直線的な順位関係がみられ、早く羽化した個体ほど劣位の地位を占める。(中略)既知のアシナガバチ属では、新しく羽化した個体ほど劣位となる傾向があるのとくらべ、まったく逆の関係になっている。
ホソアシナガバチの分業の特色は、肉団子、蜜、巣の材料など、すべての採集活動が、最初に羽化した3〜4頭の下位グループの働きバチに集中していることである。 (p205より引用) 
私もいつかホソアシナガバチの巣の構成員を個体標識して確かめてみたいものです。


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