2013年6月下旬
キアゲハの飼育記録2
『日本の昆虫1:ギフチョウ』p32より
アゲハチョウ科の幼虫の特徴として、嫌な臭いを出す臭角(肉角)をもつことがあげられる。頭部と前胸部の間から二叉突起を出し、嫌な臭いを発散させる。キアゲハ(Papilio machaon)終齢幼虫をつつくと橙色の臭角を伸ばし、独特の強い芳香を放ちます。
食草であるセリ科植物由来の成分と思われますが、個人的には悪臭というよりも若干良い匂いのような気もします。
撮影中は綿棒でつついて刺激しましたが、指で体を摘み上げる方が効果的でした。
臭角が引っ込んで節間に収納される様子が面白く、しつこくつついてしまいました。
同じオオハナウド群落から採集してきたキアゲハ終齢幼虫3匹のうち、接触刺激に対して臭角を伸ばしたのは1匹だけでした。
他の2匹はどういう訳か反応しません。
- 単なる個体差?
- 前蛹になる前兆?(食欲は旺盛なので眠ではありません。)
- 寄生されている? (確かに後日、1匹の蛹から寄生蜂が羽化してきました。ただし、寄主が幼虫期に臭角を伸ばせなかった個体かどうか追跡確認つまり個体識別していません。)
つづく→「キアゲハ終齢幼虫の脱糞」
関連記事(8年後の撮影)▶ キアゲハ幼虫は触られた側の臭角を長く伸ばす?
【追記】
学研の写真図鑑『チョウ:くらしとかいかた』p27によると、
【追記2】
『チョウのはなしII』p69(第11章:幼虫の保身術)によると、
【追記3】
藤丸篤夫『アゲハチョウ観察事典』を読むと、臭角の自衛効果について、少なくともナミアゲハ幼虫の場合は懐疑的に書かれていました。
コカマキリに捕食された終齢幼虫およびコアシナガバチに捕食された4齢幼虫の写真も掲載されていました。
【追記】
学研の写真図鑑『チョウ:くらしとかいかた』p27によると、
(アゲハチョウ類の)幼虫の出すくさい角は、人には通じてもアシナガバチなどにはききめがない。角にかまわず食べてしまう。
【追記2】
『チョウのはなしII』p69(第11章:幼虫の保身術)によると、
キアゲハではイソ酪酸と2-メチル酪酸が臭気成分となっています。
【追記3】
藤丸篤夫『アゲハチョウ観察事典』を読むと、臭角の自衛効果について、少なくともナミアゲハ幼虫の場合は懐疑的に書かれていました。
コカマキリに捕食された終齢幼虫およびコアシナガバチに捕食された4齢幼虫の写真も掲載されていました。
臭角は、敵から身を守るためのもので、とくにアシナガバチにたいしてきくといわれています。(中略)臭角があれば、かならずアシナガバチから身を守れるとはいえないようです。(p16より引用)
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