2013年6月中旬
スズバチの飼育記録
育房内で変態した蛹の体が黒くなり自発的に蠕動するようになったので、いよいよ羽化が間近に迫ったと判断しました。
泥巣を平らな透明ガラス板に伏せて置き、元の状態をなるべく再現してみました。
ガラス板越しに育房内の様子が観察できるかと思ったのですが、蜂の子が動くとガラス板が土で汚れて見えなくなってしまいました。
スズバチ(Oreumenes decoratus)成虫が羽化脱出する瞬間を昨年は動画に撮れたのですが、今年は10秒間隔のインターバル撮影で泥巣の監視を続けました。
運良く羽化が写っていた前後109枚の写真を選び(8:16〜8:34 am)、30倍速の早回し映像を制作しました。
10秒間隔では長過ぎたようで、残念ながら蜂の姿は3コマしか写っていませんでした。
いざ脱出が始まるとあっという間です。
脱獄の直前に泥巣がゴトゴト動いています。
泥壁を中から唾液で濡らして軟化しながら掘っているようには見えません。
単に大顎で齧っているようです。
羽化した蜂はすぐに歩いて移動しました。
脱獄時刻は8:33 am。
歩道の縁石から泥巣を丸ごと採集した際に、泥巣の縁が少し欠けてしまいました。
連日、同様の方法で監視を続けたのですが、ガラス板に接した泥巣の縁の隙間からほとんどのスズバチ成虫は脱出してしまいました。
厚い泥壁を大顎で掘り進んで脱出口を開けたのは一匹だけで、しかもその羽化シーンは撮り損ねました。
この泥巣は寄生被害を全く受けておらず、確認できただけで計5匹のスズバチ成虫が羽化しました。
今思うと、昨年スズバチが泥巣から羽化する瞬間を動画に撮れたのはビギナーズラックだと痛感しました。
一番下に敷いた黒い台に描かれた正三角形の繰り返し模様の一辺は17mm。 |
脱獄の瞬間。前に羽化した蜂の脱出孔も見える。 |
今後に向けて撮影の改善策を考えました。
- 泥巣の下に小型マイクを仕込んでおいて、羽化する蜂が中から泥壁を齧る音を検知して監視カメラが撮影を始めるように工夫すれば撮影の無駄が省けるかもしれません。
- 脱出の前兆を検知できたらインターバル撮影ではなく動画で記録すべきです。今回よりも短い5秒間隔のインターバル撮影ではカメラの耐久性能が心配です。
- 採集した泥巣の縁に隙間があれば、やはり予め埋めておく必要があります。乾けば硬く固まり蜂の子に対して毒性が無さそうな材料として、紙粘土はどうかな?(100円ショップで入手可)
- 羽化した蜂が室内に逃げ出す前に捕獲できれば性別などの情報が得られます。蚊帳の中で飼育・撮影する方法を考えました。
0 件のコメント:
コメントを投稿