2012年9月中旬
林道の草むらに張られたジョロウグモ(Nephila clavata)の網で主の♀がだらんと力無くぶら下がっていました。
脱皮中なのかと思い近づくと、なんとシリアゲムシに捕食されていました!
ヤマトシリアゲ♂秋型(Panorpa japonica、俗名ベッコウシリアゲ)のようです。
食事中のヤマトシリアゲ♂の口吻を側面から撮ろうとしたものの、どうしても死角になってしまいます。
獲物に実際に口を付けているかどうか不明です。
同じ網に小型のジョロウグモ♂が数匹同居していました。
餌食となった♀は外雌器が未熟な亜成体でしょうか?
クモの外雌器を接写していたら、ヤマトシリアゲ♂が逃げて、すぐ下の網に付いた枯葉に止まりました。
威嚇するように?翅を回しています。
ジョロウグモ♀の腹面に褐色の体液が流れています。
糸疣や外雌器から流血しているのでしょうか?
しばらく待てばシリアゲムシが獲物の元に戻るかと期待したのですが、うっかり網を揺らしてしまい、飛び去ってしまいました。
シリアゲムシはクモの網に引っかかった虫を横取りすることが知られています(wikipediaより)。
それにしても、武器を持たないシリアゲムシが粘着性の網と危険な毒牙を回避しつつどうやって大型のジョロウグモ♀を仕留めたのか非常に興味があります。
初めに思ったように、脱皮中の無防備な状態を狙うしかないように思います。
実はシリアゲムシには秘密の武器があるのかな?(噛むと強力な毒液が注入されるなど)
ちなみにサソリの尻尾のような交尾鉤は狩りの武器ではありません。
あるいは下手人は別にいるのかもしれません。
クモバチが狩り(麻酔手術)に失敗して刺し殺してしまったとか?
【追記】
『日本動物大百科9昆虫II』p170によると、
シリアゲムシ科の成虫は傷ついたり死んだ昆虫をおもに餌とするが、果実を吸汁することもある。時にはクモの巣にかかった獲物をくすねることもある。
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