2012年2月上旬
大雪が降り積もったケヤキの樹上に一羽のシジュウカラ(Parus minor)を発見。
鳴きながら枝から枝へ忙しなく飛び回り、食べ物を探しています。
枝先に付いたイラガ(Monema flavescens)の繭を見つけて啄くも割れません。
諦めたと思ったら再挑戦…やはり硬くて非力なシジュウカラでは歯(嘴)が立ちません。
止まっている枝が細過ぎるため、シジュウカラが啄く動作で枝がしなり上手く力が入らないようです。
もしかしたら細い枝先を選んで繭を作るというのがイラガの対野鳥生き残り戦略の一つなのかもしれません。
2年前の観察でも、枝先で越冬するイラガの硬い繭はシジュウカラによる攻撃を耐えました。
関連記事→「イラガの繭を突付くシジュウカラ」
しかしイラガ繭も決して無敵ではなく、キツツキ(アカゲラ)が難なく攻略したのを先日見ています。
関連記事→「アカゲラ♀がイラガの繭を砕いて採食【野鳥】」シジュウカラは隣の木に移動しました。
手前の生い茂った枝が邪魔でよく見えませんが、何やらキツツキのように幹を繰り返し啄いています。
小枝に移動し、嘴を擦り付け飛び去りました。
腹部の黒線が太いので♂と分かりました。
【追記】
余談ですが、前蛹で越冬するイラガの耐寒性メカニズムについて『冬尺蛾:厳冬に生きる』p193に興味深い記述がありました。
イラガは、夏の間は体内に栄養がグリコーゲンの形でたくわえられている。そして、気温の低下によってグリセリンに変化してゆく。(中略)越冬中はグリセリン(凍害防御物質)を多量に保持したまま過ごし、翌春を迎えるとともに再びグリセリンはグリコーゲンに変化してゆく。グリセリンの増えた11月には実験的に-200℃前後の極低温にも耐えられる。
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