2026/08/28

鉄橋下にある溜め糞場の近くでホンドタヌキの死骸を見つけた!

 



2025年4月下旬・午後15:40頃・晴れ 

川に架かる鉄橋の下を久しぶりに訪れ、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場を定点観察しに来ました。
残雪は完全に溶けていて、冬の積雪で倒伏していた常緑の笹薮も再び立ち上がっていました。 
新鮮な糞は追加されておらず、古い糞塊は乾いていました。 
まだ早春で気温も低いので、糞虫やハエなどは1匹も活動していませんでした。 
どうやら最近では溜め糞場として使われていないようです。 
その理由がすぐに判明します。 

鉄橋の下の獣道と思われる踏み跡を進んで行くと、抜け落ちた獣毛が地面に散乱していました。 
獣道には不燃ゴミも散らばっていて見苦しいのですが、必ずしも誰か不届き者(ヒト)が不法投棄したとは限らず、タヌキが拾い集めてきた可能性も高いです。 

更に進むと、野生動物の死骸がミイラ状になって横たわっていました。 
死んでからだいぶ日数が経っています。 
約2ヶ月前の前回は、この死骸を見ていません。 
残雪の下に埋もれていて気づかなかったのか、それともその後に死んだ個体なのでしょうか。 
死亡時期を推定するのは難しくて分かりませんが、記録的な大雪が積もった冬の間に、溜め糞場に通うホンドタヌキが行き倒れて死んだのではないかと想像しています。 
死骸の発見現場は、人通りが多い河川敷の遊歩道の結構近くでした。 
春になって飼い犬を散歩に来たヒトがタヌキの死骸を見つけ、目立たぬようにこの笹薮に運んで捨てた可能性もありそうです。 

死骸を食べて分解する昆虫類が全く見つかりませんでした。 
ハエの成虫も来ていませんし、蛆虫も群がっていません。 
まだ気温の低い早春で昆虫がそもそも活動していないからなのか、それとも分解者の昆虫が死骸を食べ尽くした後なのか、両方の理由がありそうです。 
素人目には、タヌキやカラスなどの大型(中型?)スカベンジャーが死骸の腹部を食い荒らした後のような気がします。 
雪国で冬の間に死んだとすると、死骸に集まる虫の種類から死亡時期を推定するという昆虫法医学の手法が使えなくなります。 
バクテリアによる分解(腐敗)も低温下ではかなり遅くなります。

死骸は干からびていて、死臭もありませんでした。 
下腹部の損傷が激しく、タヌキの性別を見分けられそうにありません。 
すでに死骸の分解がかなり進んでいて、毛皮からパッチ状に体毛が抜け落ちている段階です。 
その抜け毛が風で飛ばされて、周囲に散らばっていたのだと分かりました。 
春の繁殖期になると野鳥がその抜け毛を拾い集めて、巣の産座として再利用するはずです。 
その様子をトレイルカメラで記録したかったのですが、鉄橋という重要インフラに怪しげな機材を設置すると怒られそうなので、諦めました。 

干からびて白骨化が進んでいる死骸の頭部を持ち上げて、よく調べてみました。 
野生動物の死骸に素手で触れるのは衛生的に危険ですから、ありあわせのビニール袋を右手に被せて、即席で手袋の代用としました。 
全身が死後硬直のまま干からびていました。 
前脚の爪が黒いのは、土をよく掘るからでしょうか。 
顔が除肉されていて体毛もほとんど抜け落ち、歯が剥き出しになっています。 
眼球はもうスカベンジャーに食べられたようで、眼窩が空洞でした。 

死んだホンドタヌキの頭部を調べたのは、損傷を調べて頭骨標本にできるかどうか検討したのです。 
ロードキルと違って死骸の状態が良さそうなので、頭部だけ採集して頭骨の標本を作ることにしました。 
この日は採集用具を持って来なかったので、改めて出直します。 


つづく→ 


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二次林の樹上に設置したトレイルカメラを敵視して激しく攻撃するハシブトガラスの謎(野鳥)

 



2025年4月下旬・午前7:20頃・晴れ・気温10℃ 

二次林でホンドタヌキとニホンアナグマが利用している営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
2つの巣穴L、Rを見下ろすように、木の幹にカメラを固定しています。 

ある朝、前触れもなくその監視カメラを1羽のカラスが激しく攻撃していました。 
レンズの至近距離で黒い鳥が翼を大きく広げて、カメラを激しく引っ掻いてから飛び去りました。 
頭部の嘴が見えなかったので、カラスの種類を見分けられませんでしたが、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のカー♪という澄んだ鳴き声が聞こえます。  

しばらくすると、カラスが再びカメラを攻撃しに戻ってきました。 


【考察】 
トレイルカメラをあちこちに設置して何年も撮影してきましたが、これほどカメラを敵視する攻撃的なハシブトガラスは初めてです。 
好奇心旺盛な個体が見慣れないカメラを調べている、というよりも明らかに攻撃的で、(嘴でつついたり?)足で執拗に引っ掻く音が聞こえました。 
幸いトレイルカメラは頑丈な作りで、壊されずに済みました。 

この時期の日中に、最も頻繁にセットを訪れていたのはハシブトガラスでした。(映像公開予定) 
明るい昼間はトレイルカメラは赤外線も照射しませんし、無音で起動しますから、昼行性のカラスの気に障ることはないはずです。 
しかも、同じ位置に何年も固定してあるので、森で暮らす野鳥もその存在にすっかり慣れていたはずです。 

今回カラスがトレイルカメラを攻撃した理由をいくつか考えてみました。 
(1)飛来したカラスが、トレイルカメラ(7.5 × 4.3 × 10.4 cm)の狭い上面に留まろうとしたのでしょうか? 
そうだとしても、理由が分かりません。
小鳥ならともかく、カラスほど大きな鳥が留まれる奥行きがないのです。
(2)トレイルカメラが固定木の幹と接した角にクモが白い糸で小さな住居網を張っていることがあります。 
それを目ざとく見つけたカラスが、クモを捕食しようとしていたのかもしれません。 
(3)森林性のハシブトガラスが、近くの樹上に巣を作って繁殖するつもりなのかもしれません。 
親鳥が自分たちの巣の近くで見つけた怪しい物を排除しようとしたのかな? 
セットで暮らすホンドタヌキの家族をカラスが威嚇することもありました。(前回の記事を参照) 

反対側から狙うアングルでもう1台のトレイルカメラがセットを監視していたのですが、残念ながらこのシーンは撮れていませんでした。 


つづく→

2026/08/27

春の池を泳ぎ回るクロゲンゴロウが水中でオタマジャクシやミズカマキリとぶつかっても捕食せず

 

2026年4月下旬・午後13:45頃・晴れ 

山麓にある池HでクロゲンゴロウCybister brevis)が浅い岸辺を活発に泳ぎ回っています。 
餌となる死骸や獲物を探し回っているのでしょう。 
ところが、水中でオタマジャクシ(ヤマアカガエルRana ornativentris)の幼生)の群れに次々とぶつかっても、獲物として狩ることはありませんでした。 

次にクロゲンゴロウ成虫は、獲物を待ち伏せしているミズカマキリRanatra chinensis)と衝突しました。 
濁った水中でミズカマキリの長い呼吸管が見えます(赤丸@1:12〜)。
共に捕食者なのに、何事もなく離れました。 
ミズカマキリが前脚の鎌でクロゲンゴロウを獲物として狩るには手強すぎる相手だったのでしょう。
撮影中の私は、ミズカマキリの存在に気づきませんでした。

越冬明けのクロゲンゴロウは、餌ではなく交尾相手の異性を求めて池の中を泳ぎ回っているのかもしれません。
しかし、私はこの池でクロゲンゴロウの求愛や交尾行動をまだ一度も見たことがありません。


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