2026/08/11

アセビの花蜜を吸うセグロアシナガバチ創設女王

 

2025年4月中旬・午後12:20頃・晴れ 

民家の庭に植栽されたアセビセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が訪花していました。 
正当訪花で吸蜜しています。 
この時期の♀はまだワーカーではなく、越冬後の創設女王ですね。 

春風が吹いて馬酔木の花序が揺れ続け、虫撮りには不向きの条件でした。 
風が止むまで待っていたら、セグロアシナガバチ♀は奥の花序に回り込んでしまい、姿が見えなくなりました。 
他の訪花昆虫も飛び回っていたのに、じっくり撮影できず残念でした。


【考察】
ツツジ科のアセビには、ジテルペノイドのグラヤノトキシン類(アセボトキシン)という有毒成分が含まれています。
花蜜にも含まれるので、それを摂取した訪花昆虫への毒性が心配になります。
Perplexity AIに訊いてみました。

Q: グラヤノトキシンは昆虫などの無脊椎動物に対しても有毒か?

A: はい。**グラヤノトキシンは昆虫にも毒性を示し得ます**。ただし、毒性の強さは昆虫種・グラヤノトキシンの同族体・摂取量によって大きく異なり、「無脊椎動物全般に一様に有毒」という意味ではありません。

## 昆虫での実証例

- **セイヨウミツバチ(Apis mellifera)**  
  *Rhododendron ponticum* の花蜜に相当する濃度のグラヤノトキシンI(GTX I)を摂取させた実験では、摂取後6時間以内に急性死亡が生じました。24時間LC50は約 \(0.212\ \mu\mathrm{g/mg}\) と報告されています。グラヤノトキシンIII(GTX III)単独では、同じ条件で明瞭な毒性は確認されませんでした。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)
- **単独性ハナバチ(Andrena carantonica)**  
  死亡率への明瞭な影響は検出されなかった一方、過剰なグルーミングや麻痺様の行動など、**亜致死的な悪影響**が増加しました。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)
- **マルハナバチ(Bombus terrestris)**  
  同じ実験では、生存率・行動ともにほとんど影響を受けず、比較的高い耐性を示しました。したがって、ハナバチ類の中でも応答は種特異的です。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)
- **植食性昆虫**  
  ツツジ科植物のグラヤノイド系ジテルペンには、昆虫に対する摂食阻害・殺虫作用が報告されており、グラヤノトキシンIはツツジ科植物を食害するアザミウマ類にも毒性・忌避性を示すとされています。cite [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37149121/)

## 作用機序

グラヤノトキシンは、神経や筋肉の**電位依存性ナトリウムチャネル**に作用します。通常なら活動電位の後にチャネルは不活性化しますが、グラヤノトキシンはその不活性化を妨げ、ナトリウム流入と脱分極を持続させます。結果として、神経・筋の異常興奮、運動失調、麻痺、場合によっては死亡につながります。cite [pmc.ncbi.nlm.nih](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3404272/)

昆虫の電位依存性ナトリウムチャネルも脊椎動物のものと基本的によく似ているため、標的が存在すること自体は合理的です。実際、イカやザリガニの軸索を用いた電気生理学的研究でも、グラヤノトキシンによるナトリウムチャネルの持続的な活性化が示されています。cite [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6286960/)

## ただし「昆虫に有毒」の解釈には注意

重要なのは、以下の要因で感受性がかなり変わることです。

1. **同族体の違い**  
   GTX Iはミツバチに強い毒性を示しましたが、GTX IIIでは同じ作用が明瞭でない場合があります。

2. **昆虫種の違い**  
   セイヨウミツバチや一部の単独性ハナバチには有害でも、マルハナバチでは耐性が見られました。ナトリウムチャネルの構造差、吸収・代謝、解毒能力などが関与すると考えられます。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)

3. **摂取経路と濃度**  
   花蜜として経口摂取した場合と、注射・局所投与・細胞外からの曝露では毒性が異なります。自然花蜜濃度で影響が出る昆虫がいる一方、葉を食べる植食者では、組織中濃度や摂食量が重要になります。

4. **昆虫以外の無脊椎動物についてはデータが少ない**  
   クモ、ダニ、甲殻類、軟体動物、環形動物などについて、グラヤノトキシンの種別LC50や野外での影響を体系的に調べた研究は、昆虫ほど蓄積していません。したがって、**「昆虫には毒性が実証されているが、無脊椎動物全般については不明な部分が大きい」**というのが妥当です。

なお、ツツジ科植物の花蜜中グラヤノトキシンは、植物にとっては植食者防御物質である一方、送粉者にも影響し得るため、植物—送粉者間の選択圧や耐性進化に関係する可能性があります。*Rhododendron* の葉では花蜜や花弁より高濃度で検出される傾向も報告されています。cite [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37149121/)

**結論としては、グラヤノトキシンは昆虫、特に一部のハナバチや植食性昆虫に対して有毒または忌避的に作用します。しかし、毒性は分類群・種・化学型・曝露量に強く依存し、他の無脊椎動物群への影響はまだ十分には解明されていません。**



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2026/08/10

春の林内で2頭のニホンアナグマ♂が深夜徘徊中にバッタリ出会うと…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬・午前3:35頃・気温8℃ 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝を自動撮影カメラで見張っています。 
未明にニホンアナグマ♂(Meles anakuma)が登場しました。 
鼻面が短い顔つきと筋骨隆々の体型から、♂と分かります。 
春はアナグマの交尾期なので、♂は交尾相手の♀が暮らす営巣地(セット)を夜な夜な訪ね歩いているのです。 (夜這い)

右岸の手前と奥から2頭のアナグマ♂が別々に歩いて来ました。 
暗闇でも互いの存在に気づいたようで、すれ違いながらジェジェジェ♪(またはカカカ…♪)と軽く吠えました。 
二度目のニアミスでは鳴き声を発しませんでした。 
激しい喧嘩にはならなかったので、この2頭は顔見知りの兄弟ではないかと想像しています。 
営巣地(セット)以外で、2頭のアナグマが出会ったのは初見です。 

その後は水路に沿って水際の匂いを頻りに嗅ぎ回っているものの、対岸に渡ろうとはしませんでした。 
ホンドタヌキやニホンザルと違って、幅2mの排水溝をニホンアナグマは飛び越えることができないようです。 
アナグマは水が怖いのか、泳いで渡ることもありませんでした。 


※ アナグマ♂の鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

春山の雪解け水で溢れた水溜りで水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬・午前0:10頃・気温6℃ 

里山の湧水湿地にある水溜りを自動センサーカメラで再び見張り始めました。 
春になって雪解けが進むと、辺り一面が水浸しになりました。 
画面の手前から奥に向かって山の斜面を見上げるアングルなのですが、山腹でこの区画だけが平坦になっているのです。 

深夜にフクロウStrix uralensis)が登場しました。 
フクロウは留鳥ですけど、今季初見になります。 
記録的な大雪が降った冬を無事に越してくれて一安心。 

水溜りの右端に降り立っていたフクロウが辺りをキョロキョロ見回すと、大きな目の輝板(タペータム)が赤外線を反射して白く光って見えます。 
やがて警戒を解くと、羽ばたきながら少し歩いて後ろ向きになり、水面に嘴を浸して雪解け水を飲んだようです。 

春の水場に集まるカエル(ヒキガエル?)を捕食しに来た可能性もありますかね? 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
フクロウまでやや遠くて、監視カメラの照射する赤外線が届かず、かなり暗い映像です。 
前半では自動色調補正し、後半ではオリジナルの動画でリプレイ。 


つづく→

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