2026/07/07

早春の強風に乗って帆翔する2羽のトビ(冬の野鳥)

 

2025年3月中旬・午前10:45頃・晴れ 

里山の上空を2羽のトビ(Milvus migrans)が鳴かずに黙って飛んでいました。 
強い春風に乗って帆翔していますが、飛んでいる高度はそれほど高くありません。 
私を偵察するように、真上を飛んでくれました。 
2羽のトビは互いに攻撃(縄張り争い)することはなかったので、♀♂番(つがい)なのですかね? 
早春の時期なので求愛飛翔を期待したのですけど、特別な飛び方はしていませんでした。 

晴れた青空には白い雲が浮かんでいます。 
山腹の斜面はまだ雪で覆われていました。


【考察】
トビは身近な猛禽ですけど、何年経っても断片的な観察に留まっています。
私のフィールドでは、ノスリよりもトビの数は少ないです。
「巣はどこにあるのか?」とか「留鳥のトビが雪国の冬でもスカベンジャーとして死骸を見つけて食べていけるのか?」などの疑問が分からないままです。
トビが飛び回るよりもはるかに高高度の上空にドローンを飛ばし続けて、広い空域を見下ろすように望遠レンズで常時監視すれば、ブレークスルーになるのではないか?と妄想しています。
回転翼の騒音が猛禽にストレスを与えてしまうでしょうか?

2026/07/06

雪原の巣穴に出入りする1〜3頭のホンドタヌキ家族群:3月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月中旬

シーン0:3/10 
雪国の休耕地でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の家族が暮らす巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 

タヌキが1〜3頭で営巣地に往来する様子をまとめました。 
面白い行動はすでに個別の記事にしたので、残り物になります。 


シーン1:3/11(@0:03〜) 
未明に3頭のタヌキが雪原を一緒に行動しています。 
タヌキは主に夜行性なので、目の輝板(タペータム)が発達しており、トレイルカメラの照射する赤外線をよく反射して、目が白く光って見えます。 
1頭の個体だけ、タペータムの反射が両目ともに失われていることがよく分かります。 
両目失明個体(ヘルパー♀)と、両親の♀♂ペアから成る家族群だと考えています。 

順番に巣口を点検してから、雪原を右へ立ち去りました。 
このとき両目失明個体は、縦列の2番目を歩いています。


日の出時刻は午前5:54。
朝に3頭の家族が順番に帰巣しました。 
明るい時間帯は、タペータムの反射の有無による個体識別ができなくなってしまいます。 

昼過ぎに、単独個体が帰巣しました。 
いつの間にかタヌキの出巣シーンを撮り漏らしたのか、それとも4頭目のタヌキなのか、不明です。 
別アングルに設置した監視カメラが不調で、何も写っていなかったからです。 

よく晴れた午後は巣口で日光浴しているのか、タヌキが巣口でぐるぐる向きを変えたり、周囲を警戒したりしています。 


シーン2:3/14(@3:01〜) 
昼下がりの入巣シーン。 


シーン3:3/21(@3:07〜) 
雪解けが少し進んでいます。 


タネツケバナの花蜜を吸うコシボソハナアブの一種

 

2026年4月下旬・午前11:45頃・くもり 

二次林の林縁で小川の横に咲いたタネツケバナに訪花している小さな昆虫がいました。 
腹部が細長いので、てっきりコンボウヤセバチの仲間だと思って撮影したのですが、映像を見直すと蜂(膜翅目)ではなくハナアブの仲間(双翅目)でした。 

細長い腹部をゆっくり上下に動かしながら、花蜜や花粉を舐めています。 
ハナアブが飛び去った後は、レンズを近づけてタネツケバナの花序や葉を接写しました。 

いつもお世話になっている「ハナアブの世界」サイトで調べると、Bacchini (コシボソハナアブ族)のようです。 
さらにAllobaccha (ツマグロコシボソハナアブ属)とBaccha (コシボソハナアブ属)に細分化されるようですが、標本を精査して見比べないと私にはわかりません。 
「ツマグロ」かどうかは、おそらく翅の先端に黒紋の有無で区別するのでしょう。
今回は側面から撮ったので、素人目にははっきりしませんでした。 
(背側から見下ろして接写したかったです。)

最近手に入れた『ハナアブハンドブック』でも早速調べてみました。(p20〜21)
成虫発生時期の情報を信頼すれば、4月下旬に撮れた個体はAllobacchaではなくBaccha属のようです。
つまり候補としては、マダラコシボソハナアブ(Baccha maculata、5〜10月)またはムモンコシボソハナアブ(Baccha laphrieformis、4〜10月)となります。
さらに別属Episyrphusにも似た体型の種類がいるらしいのですが、発生時期が7〜8月と遅いので除外しました。(p59)


【考察】 
現場で私が騙されたように、コシボソハナアブはコンボウヤセバチと似ています。 
しかし、ベーツ型擬態とは言えないと私は考えます。 
なぜなら、擬態のモデルと想定されるコンボウヤセバチはフィールドでは数が少なくレアな寄生蜂なので、捕食を試みて痛い目に遭う(刺される)経験をする捕食者がほとんどいないはずだからです。 
したがって、擬態者のコシボソハナアブが捕食を免れて、より一層モデルに似てくるように進化することは期待できないでしょう。 
つまり、ベーツ擬態では説明できず、「他人の空似」に過ぎないと私は思います。 
もっと漠然と、「なんか蜂っぽい体型だな…」と鳥が思って忌避する(捕食を思いとどまる)可能性はありそうです。 
いずれにせよ、個々の事例を実験で確かめないで安易にベーツ擬態と決めつけたがる風潮には問題があります。 


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