2026/01/05

ニホンアナグマはイチョウの落果(銀杏)を食べるか?【トレイルカメラ】給餌実験

 



2024年10月中旬 

イチョウの種子は被食型の動物散布で分布を広げることが知られています。
私が調べたタヌキの溜め糞場でも秋になるとイチョウの種子が未消化のまま含まれていました。 
イチョウの熟した果肉(正確には外種皮)からは酪酸由来の糞便のような独特の酷い悪臭がしますが、種子散布者となる野生動物の興味を引くためだと考えられています。 
野生動物がイチョウの落果を丸呑みにして食べるシーンを撮るのが次の目標です。 
しかし、人通りの多いイチョウ並木の下にトレイルカメラを設置するのは無理そうです。
そこで、ちょっとした給餌実験をして、イチョウの種子散布を調べてみることにします。 


シーン1:10/10・午後13:17・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン1:10/10・午後13:55・晴れ・気温26℃(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
イチョウ並木の下に熟して落ちていた果実、銀杏ぎんなんを道中で6個だけ拾い集めてきました。 
(ちなみに、まだ黄葉していませんでした。)
アナグマの巣口L、Rの中間地点にひとまとめにした銀杏を置いてみました。 
ここはホンドタヌキも頻繁に通う獣道にもなっています。 
給餌した銀杏をタヌキやアナグマが食べてくれるかな? 
この二次林にイチョウの木は全く生えていません。



シーン2:10/12・午後16:38・晴れ・気温19℃(@0:12〜) 
2日後、営巣地に侵入したタヌキを追い払うために巣穴Lから出てきたアナグマ(前の記事を参照)が、セットをうろついています。 
ようやく私が給餌した臭い銀杏を嗅ぎ当てました。 
興味津々のアナグマが鼻先を付けて銀杏の匂いを嗅ごうとすると、地面で銀杏(イチョウの熟果)が転がってしまいます。 
しかし、結局アナグマは銀杏を食べませんでした。 



シーン3:10/12・午後16:38(@1:12〜) 
別アングルで設置した監視カメラは、薄暮のためモノクロで録画していました。
残念ながら、ギンナンを給餌した地点が、手前のミズキ枯木の陰になって見えません。 
アナグマが銀杏(イチョウ落果)の匂いを長々と嗅ぎながら鼻先で転がしたものの、食べず仕舞いでした。 


シーン4:10/12・午後16:56(@1:51〜)
約20分後に、アナグマが再び銀杏の匂いを嗅ぎに来ました。 
地面に転がっていたイチョウの落果を見つけると、前脚で押さえながら食べようとしましたが、やはり食べませんでした。 

しばらくすると、別個体のアナグマが巣穴Lの入口から外に出てきました。 
個体識別ができていませんが、この2頭は親子(母子)なのかな? 
給餌場に後から合流した個体も、ギンナンの匂いを嗅いだだけで、やっぱり食べませんでした。 


シーン5:10/21・午後16:56・晴れ・19℃(@2:52〜)
シーン5:10/21・午後13:18・晴れ・18℃(@3:03〜) 
給餌期間を終えた現場の様子です。 
給餌した銀杏(イチョウ落果)が少し散らばっていたものの、食べられないまま残っていました。 
イチョウの果肉には天然の防腐剤が含まれているのか、カビが生えたり腐ったりもしていませんでした。 
異臭を嫌ってアナグマが銀杏を土で埋めることもありませんでした。 
我々ヒトのように単純な糞便臭と誤認する訳ではないようで、銀杏の上に自らの排泄物(糞尿)でマーキングすることはありませんでした。


【考察】 
当地のアナグマは銀杏(イチョウ熟果)の強烈な匂いが気になるようですが、2頭とも食べませんでした。 
私の知る限り、この辺りでイチョウの木は次々に伐採されて雄株しか残っていません。
もしかすると当地のアナグマは銀杏(イチョウの果実)を見るのも匂いを嗅ぐのも初めてなのかもしれません。 

やはりイチョウの種子散布者の本命は、アナグマではなくタヌキなのでしょう。 


日暮れに止まり木から飛び降りて地上の虫を狩るフクロウ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年10月中旬・午後17:05頃・気温19℃・日の入り時刻は午後17:07 

平地の二次林にあるニホンアナグマの営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、フクロウStrix uralensis)が日没直前に登場しました。 
この地点でトレイルカメラにフクロウが写ったのは初めてですが、以前に鳴き声を聞いたりカラスに追い回されている姿を見たりしていました。 



アナグマの巣口Rの横に生えた落葉灌木マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)に留まったフクロウが、真下にある野ネズミの巣穴をじっと見下ろしていました。 
待ち伏せ猟を始めるようです。 

しばらくすると、フクロウは止まり木から地面に音もなく飛び降りました。 
両足の鉤爪で何か小さな獲物を捕らえたようですが、どうやら野ネズミではなく昆虫のようです。 
その場で食べると、左に少し移動して、落枝の上に留まり直しました。 

3分後にも監視カメラが再び起動したのですが、何も写っていませんでした。(映像は割愛) 
フクロウがセットから飛び立つ動きに反応して起動したようです。 

狩りの様子を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:02〜)


【考察】 
暗くなるのを待ち切れず、薄暮の時間帯にもフクロウは狩りをするのですね。
小さな虫を狩るフクロウは初めて見ました。

関連記事(2年前の撮影)▶ 

一時期はアナグマの営巣地で野ネズミが夜な夜なウロチョロ活動していたのに、最近ではほとんど見かけなくなりました。 
フクロウなどの捕食者によって次々に狩られてしまったのでしょう。
逆に、ネズミが大発生する場所というのは、捕食者が不在のいびつな生態系(生物多様性が低い)と言えます。


【アフィリエイト】 
・神垣健司『森の賢者 フクロウ

2026/01/04

山中で水溜りの岸を歩くニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月中旬・午後19:40頃・気温13℃ 

山中の湿地帯にある水溜りSに、ある晩ニホンイタチMustela itatsi)が久々に(4ヶ月ぶり)やって来ました。 
今回は水溜りSを泳いで近道したりしないで、水際の岸をぐるっと歩いて手前に立ち去りました。 

尻尾が胴体の半分よりも長ければ、チョウセンイタチなのだそうです。 


つづく→

ランダムに記事を読む