2025/10/19

獲物を待ち伏せ中に身繕いするヒメキンイシアブが飛び立つまで【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年7月中旬・午後14:20頃・くもり 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道で、見慣れないアブを見つけました。 
ユキツバキの群落に混じって生えているオオバクロモジ灌木の葉に乗っています。 
撮った写真をGoogleレンズで画像検索してもらうと、ヒメキンイシアブChoerades japonica)と正体が判明しました。 
いつもお世話になっている「ムシヒキアブ図鑑サイト」に掲載された標本写真を参照すると、ヒメキンイシアブは複眼の形状に性差はないようです。 
腹部に黄色と黒の鮮やかな横縞模様があるのは、「24時間戦える勇気のしるし」ではなくて、ハチに似せた警告色(またはベーツ擬態)なのでしょう。 
私も初めは黒い蜂かと思いました。

どうやら獲物を待ち伏せしているようで、辺りをキョロキョロと油断なく見回しています。 
6本足で葉の上に立ったまま一歩も動かないのですが、待ち伏せ中はトンボのように首をグリグリ動かすだけでなく、全身を少しねじって、何か虫が飛来する度に向き直ることもありました。 

ときどき前脚で顔(複眼)を拭ったり、左右の前脚を互いに擦り合わせたりして、身繕い(化粧)しています。 

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:19〜) 
いきなり左へ飛び去り、戻ってきませんでした。 
狩りの成否は不明です。


【追記】 
この個体の性別が私には分からないのですが、♂だとすると、縄張りを張って♀を待ち伏せしていたのかもしれません。



2025/10/18

種子散布実験の給餌箱の近くにチラッと登場したツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年7月下旬・午後19:15頃 

山林の倒木に設置した給餌箱を見張っている無人センサーカメラに、ある晩真っ黒な獣がチラッと写りました。 
体のほんの一部が写っただけですが、ツキノワグマUrsus thibetanus)ですね。 
手前に向かってのっそり歩いて行ったようです。

この時期はウメの種子を給餌しておいたのですが、野ネズミがすべて持ち去った後で、餌箱は空っぽでした。 

クマが空の餌箱に興味を示さずに立ち去ったのも当然です。 
おそらく何も匂いがしなかったので、餌箱に気づかなかったのでしょう。
下手したら、ツキノワグマに(意図せずして)餌付けして良くない問題をもたらすところでした。 


見応えのないしょうもない動画ですけど、この地点にツキノワグマが来たという証拠映像は私にとって非常に大事な情報です。 
トレイルカメラの保守管理のために現場入りするときも、よりいっそう緊張感を持って警戒するようになりました。 

画面の背後はスギ植林地になっていて、その林床にスギの朽ちた倒木が転がっていました。 
その朽ちたスギ倒木を壊して虫を探した痕跡がありました。 
おそらくツキノワグマの仕業なのでしょう。 

※ クマの気配が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

ビワの種子を採る

2024年6月中旬 

ビワ(枇杷)の果実が旬なので、食後のデザートで熟果を食べました。 
薄甘い果肉を食べながら、種子を吐き出します。 
1個の果実に複数の種子(平均21/4=5.25個)が含まれていました。
集めた種子を水洗いしながら、こびりついた果肉を古い歯ブラシで擦ってみたら、種子の皮が少し剥がれてしまいました。 
よく乾燥させた種子を方眼紙上で写真に撮りました。 

種子散布や糞分析の資料として保存します。
例えば、タヌキの溜め糞にビワの種子が未消化のまま含まれているかもしれません。


以下の写真は水増しではなくて、同じ物を逆側からも撮影したものです。
ストロボ光の当たる角度で見え方が少し変わるので。

フィールドベスト図鑑『日本の有毒植物』によると、ビワの種子には青酸配糖体のアミグダリンが含まれているので要注意とのことでした。
知らなかったのですが、ビワはバラ科に属する帰化植物です。

私が食べるビワの果実は庭木から採れるもので、甘みが弱くて、あまり美味しいと思ったことがありません。 
しかし果肉の甘みが増すような品種改良もされているそうです。 


【追記】 
ビワの果実はてっきり核果だと思っていたのですが、Perplexity AIに確認してみたら、仁果に分類されるのだそうです。 
植物学は難しいですね。 
ビワ(枇杷)の果実は核果ではありません。分類上、ビワは「仁果(にんか)」に属しています。仁果はリンゴやナシと同じく、花床(花托)が発達して可食部になる果実のことであり、ビワもこのグループに含まれます。一方、モモやウメのように固い核(種)を果皮が包むタイプのものが「核果」と呼ばれます。この違いは、可食部がどの花の構造から発達するか、種子のまわりにどのような組織ができるかで決定されます。


【考察】
ビワの種子は被食型の動物散布で分布を広げます。 
果実を丸呑みにした動物が移動した先で種子を未消化のまま排泄し、運が良ければ新天地で実生が発芽します。
果実の形態分類は異なっても、仁果、液果、核果はいずれも被食型動物散布なのです。

NHKの動物番組「ダーウィンが来た!」でビワの種子散布を扱った回が2023年に放送されました。 
果実が実るビワの木に監視カメラを設置したり、市民科学の手法で視聴者から提供された情報も含めると、ビワの種子散布者として、鳥類ではカラスとワカケホンセイインコ、哺乳類ではハクビシン、タイワンリス、イノシシなどが判明したそうです。 

私もこれから自分なりに調べてみるつもりです。
たとえ二番煎じでも、自分の住む地域(フィールド)で自分で実際に調べてみることが大切です。
ささやかながらも新しい発見がきっとあるはずです。


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