2025/03/28

死んだアナグマの営巣地が気になり昼も夜も訪れるイエネコ(キジトラ白足袋)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年4月中旬〜下旬

シーン0:4/10・午後14:06・晴れ・気温30℃(@0:00〜) 
シーン0:4/10・午後14:26・晴れ・(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の二次林で、越冬中に死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで監視し続けています。 
春になって落葉樹の若葉が芽吹き始めました。 

この時期なぜか頻繁に出没するようになったイエネコFelis silvestris catus)の映像をまとめました。 


シーン1:4/14・午後20:58・気温15℃(@0:07〜) 
右から来た猫が巣口Rの横に座り込むと、キョロキョロと辺りを見回しています。 
監視カメラの存在にも気づいたようで、カメラ目線でしばらく凝視しました。 
巣口Rをちらっと見下ろしたものの、あまり興味を示しませんでした。 

暗視動画はモノクロですけど、この個体の体色模様はおそらくキジトラですね。 
足先だけ白く目立ち、まるで白足袋(または白い靴下)を履いているようです。 
この特徴があれば、個体識別ができそうです。 
この個体を「キジトラ白足袋」と名付けることにしました。 

近所の民家で飼われているイエネコが夜の散歩で遠征しに来たのでしょう。 
外見で性別を見分けられませんが、春はネコも交尾期ですから、雄猫♂が交尾相手の雌猫♀を探し求めているのかもしれません。 

やがて立ち上がると、手前に向かって立ち去りました。 


シーン2:4/16・午前3:05・気温8℃(@1:07〜) 
2日後の未明にも、同一個体と思われるキジトラ白足袋が現れました。 
巣口Rを見下ろして匂いを嗅いでから左の巣口Lへ向かいました。 
その動きに反応して、対面に設置した別のトレイルカメラが起動しました。 
巣口Lに顔を突っ込んで長々と匂いを嗅いだものの、巣内には侵入しませんでした。 


シーン3:4/16・午前3:05・気温7℃(@1:46〜) 
別アングルの監視カメラで撮れた映像です。 
左から来たキジトラ白足袋が巣口Lに顔を突っ込んで頻りに匂いを嗅いでいます。 
巣穴Lの奥で「いざりタヌキ」が餓死しているのではないかと私は疑っているのですが、その死臭をネコも嗅ぎつけたのかもしれません。 
あるいは、野ネズミが巣穴Lに住み着いていて、猫はそれを狩ろうと通い詰めているのかもしれません。 
その後も巣口Lに佇んで周囲を警戒しています。 


シーン4:4/16・午前3:06・(@2:46〜) 
左へ立ち去りました。 
足先が4本とも白いことがよく分かります。 


シーン5:4/16・午前3:06・(@2:54〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Rに生えたマルバゴマキ灌木の根元の匂いを嗅いでから、巣口Rを覗き込んでいます。 
その巣口Rをピョンと飛び越えると、右奥の林内に入って行きました。 

立ち止まって振り返ると、暗闇に猫の白い目がギラギラと光って見えます。 
夜行性動物の網膜の奥にあるタペータム層がトレイルカメラの赤外線を反射しているのです。 


シーン6:4/16・午後17:27・くもり・気温22℃(@3:33〜) 日の入り時刻は午後18:19。 
まだ明るい夕方に、キジトラ白足袋が左からやって来ました。 
自然光下で見て、体色の模様がしっかり確認できました。 

アクセストレンチから巣口Lに忍び寄ると、トンネルの奥を覗き込んでいます。 
中に入ろうとはせず、左へ戻って行きました。 


シーン7:4/16・午後17:27・くもり・気温23℃(@4:04〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
次は巣口Rに回り込んでから、奥を覗き込んでいます。 
その場で毛繕いを始めました。 

周囲を警戒してから右へ立ち去りかけたものの、広場の右端で座り込んで右を凝視しています。 
辺りで鳴き騒いでいるカラスを警戒しているのかもしれません。 


シーン8:4/17・午前5:04・気温10℃(@5:03〜)日の出時刻は午前4:58。 
日の出直後でもまだ暗いらしく、監視カメラが暗視モードで起動しました。 
右から来たキジトラ白足袋が巣口Lに忍び寄ると、その奥を覗き込んでいます。 

猫が立ち去る際に、キジ♂(Phasianus versicolor)が隣接する農地でケンケーン♪と鳴く大声が聞こえました。(@5:34〜) 


シーン9:4/17・午前5:04・気温10℃(@5:40〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Lを覗き込んで匂いを念入りに嗅いでいます。 
キジ♂が母衣打ちで縄張り宣言する鳴き声は(@6:08〜)。 
猫が野生のキジを獲物として狩ることはあるのでしょうか? 
しかし、このイエネコ個体はキジ♂の鳴く声を聞いても狩りモードに入るどころか、巣口L横の獣道に座り込んで左後足で痒い顔を掻きました。 


シーン10:4/19・午前5:12・雨天・気温8℃(@6:40〜)日の出時刻は午前4:55。 
2日後の小雨が降るまだ暗い早朝に、いつものキジトラ白足袋が現れました。 
今回は2つの巣口R、Lの横を素通りしました。 


シーン11:4/19・午前5:12・雨天・気温9℃(@6:56〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Lの点検をしないで、奥の獣道を右へ立ち去りました。 


シーン12:4/20・午後12:50・晴れ・気温28℃(@7:22〜) 
翌日の昼下がりにも、キジトラ白足袋が参上。 
忍び足で右に立ち去りかけたものの、画面の右端に座り込みました。 
やがてその場にゴロンと横臥して、自分の足を舐めました(毛繕い)。 
アナグマの旧営巣地で猫がこれほどリラックスして長居するということは、この時期は誰も住んでいないのでしょう。 


シーン13:4/20・午後12:52・晴れ・気温29℃(@8:15〜) 
右端に居座っていたキジトラ白足袋がようやく左下手前に立ち去る姿が写っていました。 


シーン14:4/21・午前10:35・くもり・気温24℃(@8:42〜) 
翌日も昼前に登場。 
獣道を右から来たらしく巣口Lの横を素通りして左へ向かいます。


シーン15:4/21・午前10:35・くもり・気温22℃(@8:49〜) 
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。 
巣口Rを跨いで右へ向かうと、広場の右端に座り込んで右をじっと見据えています。 
近くの植林地で伐採作業をするチェーンソーの騒音が響き渡っているので、猫は警戒しているようです。 
最後にようやく立ち上がって右へ歩き出しました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
同一個体のイエネコが死んだアナグマの旧営巣地に昼も夜も頻繁に現れるようになりました。
春は猫の交尾期でもありますから、♀を探し求める雄猫♂なのかもしれません。
あるいは野ネズミなどの獲物を狩ろうと探索しているのでしょうか。

猫は2つの巣穴のうち巣口Lに興味を示し、顔を突っ込んで頻りに匂いを嗅いでいます。
巣穴Lの奥深くで下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が餓死したのではないかと私は疑っているのですが、その死臭をネコも嗅ぎつけたのかもしれません。
しかし猫が巣穴Lに侵入することは一度もありませんでした。
イエネコは肉食獣ですが、一般的に自分で狩った新鮮な獲物しか食べず、よほど飢えていない限り死骸の腐肉を食べることはありません。

しかし後半になると、猫は巣口への興味を失ったようで、匂いを嗅いだりしないで素通りするようになりました。

キジトラ白足袋は営巣地の端に座り込んで、のんびり長居するようになりました。
アナグマの旧営巣地で猫がこれほどリラックスして長居するということは、この時期は誰も住んでいないのでしょう。 
アナグマの死後にタヌキの♀♂ペアがこの巣穴を乗っ取るかに見えたのですが、結局は住み着かなかったようです。
(巣穴が腐乱死体で汚染されて事故物件になったから忌避した?)





2025/03/27

吸水(ミネラル摂取)後にホバリングしながら空中で排泄するビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の麓でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が低く飛び回っていました。 
入山口付近で沢の水が流れ出るわだちの泥濘の上をホバリングしながら低く飛び、濡れた枯草や草の根などあちこちに着地しては口吻で味見しています。 
やがて気に入った場所が見つかると、1箇所に留まって吸水を始めました。 

地面に倒伏した枯草に止まり、濡れた表面を口吻の先で舐めています。 
口吻の先端が枯草から外れると、再び探り当てようとするので、ビロウドツリアブ♀が自発的に舐めている行動で間違いありません。
吸水およびミネラル摂取の行動と思われますが、水たまりの泥を直接舐めないのはなぜでしょうか? 
枯草の繊維が毛細管現象で泥水を吸い上げてくれ、濾過した水を飲めるのかもしれません。 
ビロウドツリアブ♀は大量の水を飲んでいるはずですが、吸水中に余分な水分を腹端から排泄(排尿)することは一度もありませんでした。 

ビロウドツリアブの口吻は黒くて細長い(真っ直ぐ)のですが、その先端部をよく観察すると、左右二股の先割れ状態になっていることに気づきました。
吸水しながら、この口吻先端部を頻りに開閉しています。 (I⇔Y⇔T) 
こんな口吻の動きを他の昆虫で見たことが一度もありません。

チョウ類の場合は、泥などを舐めている(mud-puddling)のは主に♂です。 
性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニア塩など)を摂取していると考えられてます。 
しかし、今回のビロウドツリアブは、左右の複眼が離れている♀でした。 

蛭川憲男『水場に集まる生きものたち: 里山から高原、山地の自然』という本には、吸水するビロードツリアブの写真は掲載されていませんでした。 
しかし、長野市松代町の水場で1994年〜2004年に観察された計72種類の虫をまとめた中に、ビロードツリアブが含まれていました。(p21「表2:水場へ集まったチョウ類以外の生きもの」) 

インターネットで検索すると、ビロウドツリアブの吸水行動を写真に撮ったブログがいくつかヒットしました。 
関連記事()▶  
ビロウドツリアブ♂吸水20200319 @KONASUKEの部屋 
ビロードツリアブの吸水行動 @居眠り蛸の自然観察 

しかし、ビロウドツリアブの性別を♀と見分けた上で記述している例や、口吻の先端部が開閉していることを記述したブログは見つかりませんでした。 

ビロウドツリアブ♀は吸水中も休むことなく高速で羽ばたき続けていますが、枯草に足を掛けているので、ホバリングではありません。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみても(@2:22〜)、ビロウドツリアブ♀の羽ばたきが高速過ぎて、ほとんど止まって見えます。 
これはストロボ効果と呼ばれる現象です。 
ビロウドツリアブは同じ枯草にしがみついたまま、ゆっくり向きを変えながら吸水しています。 
おかげで私が動かなくても、色んな角度から吸水シーンを撮影することが出来ました。 

ときどき別種のハナアブやハエ?など他の昆虫が飛来して、吸水するビロウドツリアブ♀に興味を示し、ニアミスすることがありました。(@17:26〜、@25:30〜) 
しかし、ビロウドツリアブ♀はほぼ無反応で、一心不乱に吸水を続けています。

長々と吸水してからようやく満足したのか、ビロウドツリアブが飛び立ちました。 
後脚だけ後ろ向きで、残りの4本脚は前方に揃えて飛んでいます。 
離陸直後に、ホバリング(停空飛翔)しながら空中で脱糞しました! 
黄色く濁った液体を1滴ポトリと排泄しました。 
ビロウドツリアブの体と比べると、結構大きな水滴でした。 
執念の長撮りが報われた瞬間です。 

その後は低空ホバリングで高度を保ちながら、段階的に方向転換して(ヨー回転)周囲を見回しています。 
ところが、ビロウドツリアブ♀は先ほどと全く同じ枯草に止まり直して、羽ばたきを止めずに吸水を再開しました。 
よっぽど、この枯草のミネラル含有量が多くて気に入ったのでしょう。 

素人目には羽ばたくカロリー消費がおそろしく無駄だと思うのですが、不安定な足場で体勢を保つには、羽ばたき続けないといけないのでしょう。 
天敵(捕食者)に襲撃されそうになったら直ちに飛んで逃げられるように、準備運動(アイドリングの羽ばたき)を怠らないようにしているのかもしれません。 
もうひとつ別の解釈を思いつきました。 
高速羽ばたきによる下向きの強風(ダウンウォッシュ、downwash)で濡れた枯草からの蒸発を促進し、毛細管現象による泥水の吸い上げを促進していたのかもしれません。 

ビロウドツリアブの吸水行動を初めて観察できて、感動しました。
ハイスピード動画のパートが第三者(視聴者)にはいくらなんでも長過ぎて退屈かもしれません。
撮影者の私は思い入れが強いので、いくらでも見てられます。
編集でカットするのが忍びなくて、そのままお届けします。
愚直に長撮りしたおかげで、吸水後に排泄する決定的瞬間も記録することが出来ました。


ソメイヨシノの桜吹雪【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:00頃・くもり 

堤防路に沿って植栽されたソメイヨシノの桜並木が花盛りです。 
満開を過ぎて葉桜になり始め、春風が吹くと白い花弁が次々に舞い散ります。 
ソメイヨシノは、若葉より先に花が咲く性質がある品種の桜です。 
風下の地面は、薄い桜色の散った花弁が大量に敷き詰められています。 

夕暮れ時の桜吹雪を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:30〜) 
桜吹雪をどのぐらい引きの絵で撮るべきか迷います。 
ズームインした方が個々の花弁がよく見えるのですが、画角を横切る花弁の数は減ります。 
いざ撮影を始めると風が弱まったりして、なかなか難しいです。
「散る桜 残る桜も 散る桜」良寛和尚

関連記事(10年前の撮影)▶ この桜吹雪が目に入らぬか〜!【ハイスピード動画】

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