前回の記事:▶ ホンドタヌキの巣穴を見つけた!
2023年5月下旬・午後13:25頃・晴れ
トレイルカメラを設置するため、巣穴の発見から数日後にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の営巣地にやって来ました。
前回と同じく動画を撮りながらゆっくり巣穴に近づくと、無邪気なタヌキ幼獣が巣口aで出迎えてくれました。
黒っぽい毛皮の幼獣は、もう自力で立って巣内を歩き回っています。
幼獣の目は既に開いているのにヒトを恐れる素振りはあまりなく、鳴き声も発しませんでした。
落ち着きなく動き回るのできっちり数えられませんでしたが、計5〜6頭の幼獣でした。
親ダヌキは巣内で寝ているのか、それとも採餌のために外出しているのかな?
巣口aの外にはスギナが疎らに生えています。
平凡社『日本動物大百科1哺乳類I』でタヌキの繁殖について調べると、
年1回出産、産子数1〜8でふつう4〜5子、交尾期2〜4月、出産期5〜6月、妊娠期間59〜64日。(p116より引用)
今回観察した子ダヌキが5〜6頭ということは、ほぼ平均的(やや多め)な産仔数のようです。
隣りにあるもう一つの巣穴bには今回もタヌキは居ませんでした。
ここはトレイルカメラを設置しにくい場所で、工夫が必要でした。
いつもは立木の幹にトレイルカメラをくくりつけてハイアングルで設置するのですけど、巣穴まで少し遠くなってしまいます。
今回はローアングルで設置することにしました。
初夏の原っぱでは雑草の草丈が高く生い茂るので、ローアングルではなかなか視界を確保できません。
もちろん草刈りするのは簡単ですけど、子育て中の親ダヌキを怖がらせたくありません。
巣口付近の環境をあまり撹乱すると、親タヌキが警戒して引っ越してしまいそうです。
仕方なく、巣穴から少し離れた地面にトレイルカメラを置いてみることにしました。
普通の三脚を原っぱに立てて長期間置くと目立ってしまうので、目立たないようローアングルの三脚を自作しました。
工作というほどではありませんが、ペットボトルのキャップにキリで穴を開けます。
三脚と同じ直径のボルトをホームセンターで買ってきて、キャップの穴に通し、ナットやワッシャーで締めておきます。
そのネジにトレイルカメラを固定しました。
カメラが倒れないよう重りとしてペットボトルに水を満タンに入れました。
穴を掘ってペットボトルを埋めれば更に安定したかもしれません。
この工作は私の発明ではなくて、確か動物写真家の本を読んで知りました。(思い出したら追記します。)
タヌキや誰かヒトがカメラを持ち去ったりしないように、盗難防止の対策が必要です。
持参した重いコンクリートブロックを横に置いて、ワイヤーロックでカメラをくくりつけました。
昼間は風揺れによる誤作動が多いだろうと予想し、夜間のみ監視するようタイマー設定しました。(午後18:00〜午前6:00 )
さて、どんな映像が写るか楽しみです。
実はトレイルカメラを設置した日はすぐに帰宅せずに、離れたところから望遠で隠し撮りを試みました。
遠くの木陰にブラインドを張り、中に身を隠して日没まで粘ったものの、タヌキが巣穴に出入りする様子を撮影できませんでした。
タヌキの営巣地を遠くから見ると雑草が背高く生い茂り、巣穴がほとんど見えませんでした。
タヌキは主に夜行性ですから、やはり無人の自動センサーカメラに監視・撮影を任せた方が良さそうです。