2023/06/14

イタヤカエデの葉は自励振動しやすい?

 

2022年10月上旬および11月上旬

野外でときどき、植物の葉がずっと揺れ続けているのを見かけることがあります。 
風が吹いて植物の群落全体がザワザワと揺れるのは珍しくありませんが、枝葉の中で1枚だけ(あるいはごく小数)揺れるのが気になります。 
幼少時はこれを見て不気味に思ったり怖かったりしたのですが、この現象は自励振動と呼ばれます。 
葉柄に弾性があるために、力が加わると振動するのですが、ある角度で一定の微風を与えると振動が減衰しなくなります。
一定のリズムで強弱をつけた風が吹いている訳ではないという点がポイントです(非振動入力が振動に変換される)。
理屈が分かれば何も怖くありません。

自励振動の動画を撮り溜めたら面白そうと思い、野外で見かけたら撮るようにし始めました。 
まだサンプル数が少ないので偶然かもしれませんが、イタヤカエデの葉がよく自励振動するようです。 


シーン1:10月上旬 
峠道の横に自生するイタヤカエデの木で、枝先についた緑の葉の1枚だけが規則正しく左右に振動しています。 
この1枚だけ、受風面の角度が自励振動の発生条件に合致しているのでしょう。 
その葉には、虫食い穴(食痕)がありました。 


シーン2:11月上旬 
1ヶ月後、山中で(スギ林の林縁で)黄葉したイタヤカエデが秋風に吹かれて自励振動していました。 
枝についたままの黄葉の中で、特定の数枚だけ規則的に揺れ続けています。 

イタヤカエデの葉は特に自励振動しやすい形状なのでしょうか? 
おそらくそうではなくて、色々な向きに葉が付いているために、どれかは風の向きに同期してしまうのでしょう。 
他の植物でも自励振動する例を今後も動画で記録してみるつもりです。 

子供の頃に昔話や民話を読んでいたら、葉っぱの自励振動現象を引き起こす妖怪が登場したと記憶しています。 
今となってはその妖怪の名前を思い出せず、ネット検索しても出てきません。 
何かご存知の方(民俗学者?)がいらっしゃいましたら、教えてください。 
科学が未発達な時代でも、不思議なことがあったら何らかの説明をしないと納得できず不安になります。
民俗学的あるいは宗教学的な説明というのは、不安解消のために必要だったのでしょう。
例えば、皮膚がいつの間にか切れているのに血も出ないという謎の怪奇現象を説明するのに、「かまいたち(鎌鼬)」という想像上の妖怪を作り出したのは秀逸だと思います。


 

▲解説動画 
【身近な科学】地縛霊のせい?勝手に揺れる葉っぱの秘密を解説!【自励振動】 / 米村でんじろう[公式]/science experiments

2023/06/13

クルミが無くなれば給餌場に滅多に来なくなる野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月上旬〜中旬 

2回目に給餌した40個のオニグルミ堅果を全て持ち去った後の野ネズミ(ノネズミ)の行動をまとめました。


シーン1:11/8・午後21:18・気温6℃・(@0:00〜) 
野ネズミが空荷で雑木林の斜面を駆け下りました。 
餌場のクルミはもう無くなったようです。 


シーン2:11/8・午後22:23・気温6℃・(@0:07〜) 
65分後、野ネズミは画面右の斜面で餌を探し歩いていました。 
カラマツの背後を通って左斜面へ移動。 

その間、餌場の凹みを謎の昆虫(直翅目?)が徘徊していました。 


シーン3:11/13・午後22:28・気温10℃(温度異常?)・(@0:33〜) 
5日間も野ネズミはご無沙汰でした。 
カラマツ根元の給餌場にクルミが無いと学習すると、訪問頻度が激減します。 
餌場が空になった後も、未練がましく給餌場に戻って来るということはなくなりました。

カラマツの根際(右下)に居た野ネズミが勢い良く幹を少し駆け上がったものの、すぐに林床へ戻りました。 
木登りが得意ならヒメネズミApodemus argenteus)と判明するのですが、アカネズミApodemus speciosus)もこのぐらいなら出来そうな気がします。 

冷たい小雨がぱらつく中を、最後はシシガシラ群落に覆われた右斜面をトラバースして右に姿を消しました。 


※ 赤外線の暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施しています。 


カバエダシャク♂(冬尺蛾)の見事な保護色がバレると…

 

2022年11月上旬・午後13:45頃・晴れ

里山の雑木林を飛び回っていた蛾が林床の落ち葉に着陸しました。 
イタヤカエデの黄色い落ち葉に乗っていた蛾にズームインすると、カバエダシャク♂(Colotois pennaria ussuriensis)でした。 
触角が羽毛状なので、この個体の性別は♂と見分けられます。 

晩秋で冬尺蛾のシーズンが始まりました。 
今期初見のカバエダシャクになります。 

褐色(茶色)の翅が落ち葉に対して見事な保護色になっている他、前翅の外縁に浅い鋸歯が入っているおかげで、隠蔽擬態となっています。 
(翅の外縁が直線状よりも、ゆるくギザギザが入っている方が翅の輪郭が分かりにくくなります。)
落ち葉の上で動かなければ、見つけ出すことはほぼ不可能でしょう。
目立たない姿が、その生物の色や模様によって達成されている場合、これを保護色と言い、姿形や行動によって行われる場合を擬態と言う。両者を兼ね備えている場合も当然ながらある。(wikipediaより引用)

イタヤカエデの落ち葉と一緒にそっと拾い上げても、カバエダシャク♂は飛んで逃げませんでした。 
しかし私が親指で翅に軽く触れた途端に、準備運動無しで飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


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