2022/11/24

ブラックベリーの熟果から吸汁するキイロスズメバチ♀

 

2022年8月上旬・午前10:20頃および午後17:00頃・くもり 

民家の裏庭で熟したブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)の液果にキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も集まり、食害していました。 
大顎で黒い熟果を噛んで、滲み出る甘い果汁を舐めています。 
ブラックベリー熟果には齧られた食痕が残ります。 

なぜか一か所で落ち着いて吸汁しないで、忙しなく飛び回ることが多いです。 
他の種類のスズメバチ類(モンスズメバチおよびコガタスズメバチ)も来ているからでしょうか?
関連記事(同所同日の撮影)▶  
ブラックベリーの完熟果実から吸汁するモンスズメバチ♀
もしかして未だ完全には熟していないのかな?  
他所様の庭の収穫物を勝手に味見する訳にはいかないので、確認できませんでした。 

夕方にも現場を再訪すると、数は減ったもののキイロスズメバチとモンスズメバチ♀が依然としてブラックベリーの果汁を舐めていました。 

ライバルを排除する占有行動が見られなかったのは、程よく分散した餌資源が潤沢にあるためでしょう。 
(とても守り切れない。金持ち喧嘩せず。) 
例えば、ブラックベリーの群落を忙しなく飛び回るキイロスズメバチ♀が吸汁中のモンスズメバチ♀を見つけても、近くでホバリングするだけで追い払わずに自分は近くの別な熟果に降り立ちました。
(体長はキイロスズメバチ≒モンスズメバチ)

スズメバチ類の成虫は固形物を飲み込めないので、果汁を啜るだけです。
ブラックベリー液果の種子散布には貢献しませんから、植物の視点からも食害と言えそうです。
スズメバチに噛まれた傷口から熟果が自然に発酵するでしょうか?

 

2022/11/23

溜め糞場でタヌキ・アナグマの匂いに興味津々のニホンカモシカ幼獣【トレイルカメラ】

 

2022年8月上旬・午前11:30・気温31℃ 

スギ林道の溜め糞場sにニホンカモシカCapricornis crispus)の幼獣が右から歩いて登場しました。 
新機種のトレイルカメラはセンサーの感度が驚くほど向上したおかげで起動が早く、野生動物の登場シーンをしっかり記録してくれます。 
この個体は角が細くて体格も華奢なので幼獣のようですが、どうして単独行動しているのでしょう? 
近くに母親が居るのかな? 
乳離れしたのか、毛並みが良く健康そうです。 

杉の木の根元の匂いを嗅いでいるのは、誰かヒトが立ち小便した跡が残っているのかもしれません。 
ここにはホンドタヌキとニホンアナグマが別々に排泄した溜め糞があり、約11時間前にアナグマは尻の臭腺であちこちの下草にマーキングしていました。 
同じ山林で暮らす野生動物の匂い付けをカモシカの幼獣は興味津々で学んでいるようです。 
成獣になるとカモシカはタヌキやアナグマの溜め糞場に対してこれほど強い興味を示さなくなります。 
カモシカも縄張り内の決まった場所で排便するのですが、私は未だ夏季にカモシカの溜め糞を見つけたことがありません。
カモシカの溜め糞場もトレイルカメラで監視してみたいものです。

後半になるとニホンカモシカ幼獣はカメラの左下でも長居しています。
何をしているのか残念ながら死角で見えません。 
林道脇の崖の土を舐めて塩分補給しているのではないか?と思いついたものの、確かめるには林道の逆側にもう1台の監視カメラを設置する必要があります。 

オオセンチコガネ♂の水難事故

 

2022年8月上旬・午前11:30頃・晴れ 

里山の林道にできたわだちの水溜まりでオオセンチコガネ♂(Phelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)が立ち往生していました。 
地上を歩いていて水溜りにうっかり落ちてしまったのか、それとも飛来したオオセンチコガネ♂が水溜りの眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
現場は里山の中腹にある平坦になったスギ植林地(カラマツが点在)を通る林道です。 
周囲でやかましく鳴いているのはエゾゼミ♂♪です。 

水溜まりに突き刺さった細い落枝にオオセンチコガネ♂がしがみついていました。 
止まり木の天辺から飛び立てば脱出できるはずなのに、困ったように何度も昇降を繰り返しています。 
離陸用の足場としては細過ぎるのか、飛び立つ前にバランスを崩してしまいます。 
背面は美しい赤紫のメタリックカラーに輝き、腹面にも美しい金属光沢があります。 
前脚の跗節に棘状の突起があるので♂と判明。 

飛ぶのを諦めたオオセンチコガネ♂は、小枝を下に伝って自発的に水中へ潜ってしまいました。
陸生甲虫のオオセンチコガネは足に水かき用の毛が密生していないので泳げません。 (水中で前に推進できない)
水底を歩いて岸に辿り着こうとしても、浮力のせいで爪先のグリップが効かず、うまく歩けません。 
泳げないのならむしろ「金づち」のように沈んでしまう方が水底を歩けて良いのです。 
遂に水中でひっくり返ってしまいました。 
不格好に水面を浮いて、目の前にある極細の落枝を必死で掴もうとしています。 (文字通り「溺れる者は藁をも掴む」) 
元の極細落枝には戻れず、なんとかスギ落葉によじ登って水面から顔を出しました。 

水中で呼吸がどれだけ続くのか、溺死の危機です。 
見かねて最後は救出しました。 
もし水溜りに捕食性の水生昆虫がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。 
轍に溜まった濁った水中にはボウフラ(蚊の幼虫)しか居ませんでした。 

甲虫の中には水中に進出したグループもいますが(水生昆虫)、足に水かきがあったり、鞘翅と後翅の隙間に空気の泡を貯めておいて呼吸したり、様々な適応進化の結果です。 
オオセンチコガネは純粋な陸生のようで、泳ぎも潜りも下手糞と分かりました。 
(泳ぐ能力を調べるために水溜りに放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。)

タヌキとアナグマの溜め糞場sに向かう道中だったので、もし新鮮な溜め糞があれば放虫して行動を観察するつもりでした。 
しかし、この日は新鮮な糞が残っていなかった(糞虫に運び去られた後だった)ので、オオセンチコガネ♂をそのまま家に持ち帰って飼育することにしました。 
糞虫の専門家は野外で排便(野糞)して自分の人糞を糞虫トラップの誘引材にすることもあるそうです。 
このとき私に便意があれば「セルフィー」に挑戦したかもしれませんが、朝フィールドに出る前にしっかり済ませてきていました。 

興味深いことに、同じ日に別の場所で同様の水難事故に再び遭遇しました。 


 

↑【おまけの動画】 
もう少し長い完全版をブログ限定で公開しておきます。 
小枝の天辺からじきに翅を広げて飛び立つだろうと予想した私は、実はハイスピード動画に切り替えて撮影していました。(@0:19〜0:35) 
ところが細い小枝は足場が安定しないのか、いつまで経っても飛び立とうとしません。 
スローモーションにする意味がないので、早回し加工して等倍速に戻してお見せします。 (手ブレが酷いです。) 
飛べないと分かった私は、通常のFHD動画モードに戻して撮影を続けました。

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