2021/10/04

ノスリが樹上で鳴き交わす声を声紋解析してみる(野鳥)

 

2021年7月中旬・午後14:45頃・晴れ
前回の記事(15日前の撮影):▶ スギ樹冠で鳴き続ける♪ノスリ(野鳥)

山麓でスギ(杉)の梢に止まっていたノスリButeo japonicus)が、林縁を歩いて来る私の姿を遠くから目敏く見つけると警戒し、ピーエ、ピーエ♪と甲高い声で鳴き始めました。 
この辺りを縄張りとしている(おそらく近くで営巣している)ペアのうちの1羽がお気に入りの止まり木で周囲を見張っているのです。 
冒頭のシーン(@0:00 〜 0:25)ではニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)たちがチー…ジー…♪と絶え間なく鳴き続ける蝉しぐれ♪がうるさいのですが、耳を澄ますとノスリの鳴き声も聞こえます。 

 ※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

嘴の動きと鳴き声が同期しています(リップシンクロ)から、この個体の鳴き声で間違いありません。 
ただし、初めは被写体まで遠いので、鳴き声が少し遅れて届きます。 

止まり木にもう少し近づいて撮影してみましょう。 
ノスリは樹冠で少しバランスを崩しかけたものの、なんとか体勢を立て直しました。 
嘴を大きく開けて鳴く際に、口内が少しピンクに見えました。 

私は未だ自信を持って個体識別できないのですが、同じ止まり木で鳴いていた前回の写真と見比べると別個体のような気がします。 
ただし、撮影した時間帯が違うので、光の当たり方で羽の色の印象が異なって見えるだけかもしれません。 (前回は夕日を浴びていた)

単独で鳴いていた前回と異なり、今回は近くにいる別個体とピーエ、ピーエ♪と鳴き交わしていました。 
もう1羽がどこにいるのか、残念ながら見つけられませんでした。 
おそらくつがいのパートナーではないかと思うのですが、巣立った幼鳥かもしれません。 
幸い後半はニイニイゼミの合唱(蝉しぐれ)があまり聞こえなくなりました。 
単調な鳴き声でも2羽の音程が微妙に違う点が興味深く思いました。 
被写体のノスリは、少し低い音程で鳴いています。 
ノスリは一般的に体格が♀>♂らしいので、鳴き声の音程が違っても不思議ではありません。 
逆に、今後は鳴き声の音程から個体識別できるかもしれません。  

撮影後に私が横を通り過ぎるとノスリは鳴き止みました。 
今回は私を追いかけてきたりディスプレイ飛翔で威嚇してくることはありませんでした。 
もうお互いに顔馴染みなので、私のことをある程度は信頼してくれているようです。

実はもう1羽が近くの灌木林に潜んでいて、私が知らずに横を通りかかると慌てて飛び去りました。 
その辺りに営巣木があるのかな?(要確認) 
もう1羽を動画に撮り損ねてしまったのが、残念無念。 
フィールドでこうした突発的な出来事にも対応するには、常に動画を撮り続けながら行動しないといけません。
ドライブレコーダーのように1人称目線で記録できるアクションカメラが欲しくなります。

ノスリの鳴き交わす声を声紋解析してみる

オリジナルの動画ファイルからいつものように音声をWAVファイルとして抽出し、鳴き交わしている部分を適当に4ヶ所切り出してからスペクトログラムを描いてみました。





風切り音のノイズが混入したり、背後でシジュウカラ?が鳴いていたりしたのですが、意外にきれいな声紋が得られました。
動画の被写体となった個体をAとして、少し離れたところで鳴いている別個体をBと呼ぶことにします。
ABAまたはABの順で鳴いている声紋です。
ピーエ♪と尻下がりで鳴く度に「へ」の字の形で記録されています。
近くで鳴いているAの方が鳴き声の倍音構造(への字が縦に重なる)が明瞭に描かれていました。
2羽の音程の違いが「へ」の字が描かれる位置の高低で示されると期待したのですが、意外にも素人目には違いがよく分かりませんでした。
それよりも興味深いことに、個体Bが鳴いた声紋の倍音構造がAよりもシンプルでした。
(下から2番目の約4kHz成分がBでは抜け落ちています。)
絶対音感が無くて音響学の用語を知らない私には、緻密な記述ができません…。
Bが少し遠い所で鳴いているせいだけではない気がします。
もしもノスリAとBがいつも決まってこのように鳴くとすれば、声紋から個体識別できそうです。
♀♂番の性別による違いなのか、それとも声変わり前後の違い(幼鳥→成鳥)なのか、いずれにせよ面白いですね。
あるいは、鳴き声に込められた意味・文脈によって違うのかもしれません。
とりあえず、見た目でもノスリを個体識別できるようにならないといけません。

【追記】
15日前に全く同じ止まり木の梢で私に対して警戒声を発していた個体の鳴き声も声紋解析してみたところ、Aと同じパターンでした。


2021/10/03

湿地帯に散乱するアメリカザリガニの大量死骸を処理するクロクサアリ♀の大群

 

2021年7月上旬・午後15:30頃・くもり 

大雨の後で氾濫原の水が引くと、死んだアメリカザリガニProcambarus clarkii)が湿地帯にたくさん散乱していました。 
大量死の原因が気になるところですけど、私には死因が分かりません。
泥だらけの遊歩道の一区画に集中して転がっていた4匹の死骸を動画で記録しました。 
なぜかここにだけクロクサアリLasius fuji)のワーカー♀が死骸に群らがっていました。 
甲殻類のアメリカザリガニは硬い外骨格で守られていますが、割れた隙間からクロクサアリが潜り込んで死肉を細かく千切り、巣に持ち帰っています。 
(ざり)かに道楽を楽しんでいます。 

アリも泥の上を歩くのは嫌なようで、倒伏した枯れ草(ヨシ?)の茎の上を歩きやすい高速道路として行列を作り、巣と往復していました。 
行列を追跡してクロクサアリの営巣地をしっかり突き止めるべきでしたね。 
堤防に自生する灌木の根際があやしいです。
(クロクサアリの)巣は樹木の根部にある。行列を作って樹木に生息するアブラムシに集まり、甘露を定常的な餌にしている。(『アリハンドブック』p61より引用)
ザリガニのハサミだけが転がっていたりすることもありました。 
冒頭に登場する死骸は、まるで映画『エイリアン』のフェイスハガーを連想する造形でした。 

ニクバエ科の一種もザリガニの死臭に誘引されて飛来しました。 
しかし、ハエはクロクサアリの大群に遠慮して順番待ちしている印象です。
つづく→死んだアメリカザリガニに群がり解体運搬するクロクサアリ♀【10倍速映像】

強風に乗って遊ぶハシボソガラスの群れ(野鳥)ウィンドサーフィン

 

2021年7月中旬・午後14:30頃・晴れ(強風) 

山麓の農村部に聳え立つドイツトウヒ(別名オウシュウトウヒ)の樹上にハシボソガラスCorvus corone)の群れ(5羽)が集まっています。 
枝からフワリと飛び立つと、強風に煽られて流される遊びを飽きずに繰り返していました。
空中に浮いた2羽で鬼ごっこが始まりました。 
ウィンドサーフィンを楽しむ合間に、奥の電線にも3羽のカラスが休んでいました。 
飛び立つと強い逆風で押し戻される感覚にスリルを味わっているのでしょう。 
空中で互いに追いかけっこしています。 

カメラのマイクにも強い風切り音♪が聞こえます。 
手持ちカメラで立って撮影している私も強風で煽られ、どうしても手ブレしてしまいます。 
体幹をもっと鍛える必要がありますね。 
関連記事(5、8年前の撮影)▶  
台風の強風で遊ぶハシボソガラスの群れ【野鳥】 
ハシボソガラスの風乗り遊びと屋上への就塒前集合(野鳥)


ハシボソガラスが止まっていた常緑針葉樹の高木にズームインすると、枝から細長い未熟な松ぼっくりが下向きにたくさん垂れ下がっていました。 

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