2021/10/03

湿地帯に散乱するアメリカザリガニの大量死骸を処理するクロクサアリ♀の大群

 

2021年7月上旬・午後15:30頃・くもり 

大雨の後で氾濫原の水が引くと、死んだアメリカザリガニProcambarus clarkii)が湿地帯にたくさん散乱していました。 
大量死の原因が気になるところですけど、私には死因が分かりません。(※ 追記参照)
泥だらけの遊歩道の一区画に集中して転がっていた4匹の死骸を動画で記録しました。 
なぜかここにだけクロクサアリLasius fuji)のワーカー♀が死骸に群らがっていました。 
甲殻類のアメリカザリガニは硬い外骨格で守られていますが、割れた隙間からクロクサアリが潜り込んで死肉を細かく千切り、巣に持ち帰っています。 
(ざり)かに道楽を楽しんでいます。 

アリも泥の上を歩くのは嫌なようで、倒伏した枯れ草(ヨシ?)の茎の上を歩きやすい高速道路として行列を作り、巣と往復していました。 
行列を追跡してクロクサアリの営巣地をしっかり突き止めるべきでしたね。 
堤防に自生する灌木の根際があやしいです。
(クロクサアリの)巣は樹木の根部にある。行列を作って樹木に生息するアブラムシに集まり、甘露を定常的な餌にしている。(『アリハンドブック』p61より引用)
ザリガニのハサミだけが転がっていたりすることもありました。 
冒頭に登場する死骸は、まるで映画『エイリアン』のフェイスハガーを連想する造形でした。 

ニクバエ科の一種もザリガニの死臭に誘引されて飛来しました。 
しかし、ハエはクロクサアリの大群に遠慮して順番待ちしている印象です。
つづく→死んだアメリカザリガニに群がり解体運搬するクロクサアリ♀【10倍速映像】



※【追記】 

小宮輝之(監修)『鳥の落としもの&足あと図鑑』という図鑑では、「ばらばらになったザリガニの殻は、サギの食痕」と写真つきで紹介していました。

このザリガニの殻は、ゴイサギが吐き出したペリットが雨などでくずれて散らばったものと考えられます。しかし、鳥はみんないつも丸のみというわけではなく、足指で押さえてくちばしでちぎったりして消化しにくい部分などを先に取り除くことも。器用なカラスなどは中身をきれいに食べ、殻だけを残したりもします。(p128より引用)

確かに現場の湿地帯や隣接する溜池では、ダイサギやアオサギなどのサギ類をよく見かけます。(ゴイサギは滅多に見かけません。)

今回見つけたアメリカザリガニの死骸は、鳥のペリットではなさそうです。

カラスの仕業(食痕)かもしれませんが、捕食シーンを直接観察してみないことには分かりません。

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