2021/08/09

サシガメ?を捕食したツチガエルが反撃され吐き出す

 

2021年6月上旬・午後16:50頃・くもり 

里山の池Lの畔にある急な崖を登りかけたところでツチガエルGlandirana rugosa)がじっとしていました。 
池から遠ざかる方向にときどき(不定期に)跳ぶので、何をしているのだろうと不思議に思い、少し離れたところから長撮りしてみました。 
どうやらツチガエルは獲物を待ち伏せしているのだと分かりました。 

冒頭でツチガエルは左前肢で素早く左目を拭きました。 
このとき左目を一瞬引っ込めました。 
顔に登ってきた微小なクロアリを払い除けたのかもしれないと想像したものの、背側からのアングルでは定かではありません。 

しばらくすると、崖を向いていたツチガエルが急に方向転換し、斜面の下に向き直りました。 
続けざまに2回跳んで、崖を斜めに少し降りました。 
地面を走って逃げる黒い虫を追いかけながら素早く跳びついて、狩りに見事成功しました。 
ピンクの長い舌を伸ばして捕食したのです。 
それまで私は獲物の存在に気づきませんでしたが、ツチガエルは右斜め後方を徘徊する虫を目敏く発見したことになります。 
狩りの決定的瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:54〜) 

ところがツチガエルはせっかく捕らえた獲物を飲み込まず、慌てて前足を使って掻き出すようにすぐ吐き出しました。 
口内で手痛い反撃に遭ったようです。 
ツチガエルは口を半開きにしたまま、逃げる獲物を呆然と見送ります。 
どうやら口内を刺されたようで、ピンクの舌先の表面に水疱が見えました。 (単なる唾液の泡かもしれません。)

無事に虎口を逃れた獲物は、飛ばずに崖を走り去りました。 
映像を何度見直しても、獲物の正体がはっきり分かりません。 
黒いサシガメの一種ではないかと思うのですけど、どうでしょうか? 
サシガメも通常のカメムシのように緊急時に(自衛のために)悪臭を放出するのかな?
毒針をもつ蜂やアブの可能性もありますかね? 
どなたか見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。 

酷い目に遭ったツチガエルは、これに懲りて(学習して)似た見た目の黒い虫をもう二度と捕食しないはずです。
関連記事(9年前の撮影)▶ 毒虫アオバアリガタハネカクシを捕食したトノサマガエルが嘔吐

同一個体の観察を続けると…。


2021/08/08

リンゴ園でヨシ筒の巣箱に出入りするマメコバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後15:10頃・晴れ
▼前回の記事:探雌飛翔中のマメコバチ♂を襲うセイヨウミツバチ♀の謎【ハイスピード動画】
リンゴの花を受粉してくれるマメコバチOsmia cornifrons)のために、リンゴ園ではヨシ筒を束ねた巣箱を設置しています。 
ヨシの茎の切り口が巣口になっていて、その周囲を小さなマメコバチ♀♂が多数飛び回っていました。 
ハチの動きがあまりにも素早くて、ただ見ているだけでは何が起きているのかよく分かりません。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:31〜) 
ホバリングしている個体の多くは雄蜂♂でした。
関連記事▶ リンゴ園に設置された巣箱に群がり交尾相手♀を探すマメコバチ♂の群飛【HD動画&ハイスピード動画】
たまに♀が巣箱に飛来します。 
♀は腹部下面のスコパに黄色い花粉を付けて巣に搬入し、貯食します。 
何百本も束ねてあるヨシ筒の中で一体どうやって♀は自分の巣を見分けているのでしょう? 
♀も迷子になっているのか、実際に巣に入る帰巣シーンは撮れていませんでした。 
あるいは羽化後に未だ自分の巣をどこにするか決めかねていて、物件を探している段階(営巣地探索)なのかもしれません。 

 一方、♀が出巣するシーンは一度だけ撮れていました。(@0:47) 
巣口から頭を先にして出て来ると、周囲のヨシ茎束にぶつかりながら飛び去りました。 
次の採餌に出かけ、リンゴの花で花蜜や花粉を集めてくるのです。
この♀は巣を離れる際に定位飛行をしなかったので、自分の巣の位置をしっかり記憶済みということになります。 

興味深いことに、探雌飛翔中の♂は巣箱に飛び交う♀に飛びついて交尾を挑むことは一度もありませんでした。 
おそらく採餌に忙しい♀はすべて交尾済みなのでしょう。 
雄性先熟のマメコバチの♂は、後から羽化してくる処女♀を巣口で待ち構えて交尾するチャンスに賭けているようです。 
私は未だマメコバチ♀♂の交尾シーンを観察できていません。
一度だけ、リンゴの花の上で♀に交尾を挑み断られた♂を見たことがあります。
関連記事(別のリンゴ園で撮影)▶ マメコバチ♂の探雌飛翔と♀の交尾拒否



【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』を読むと、マメコバチの生態について解説してありました。
 ツツハナバチ類はハキリバチ科に含まれる小型のハナバチ類で、春先に限って活動を行う。(中略)この仲間は、中空になった竹筒や植物の茎内に営巣するものが多い。
 巣にはいくつもの部屋を作り、その部屋ごとに花蜜を練ったものを溜め込んで一つずつ卵を産みつける。部屋の仕切り材には、その辺で切り取った植物の葉を噛んでペースト状に柔らかくしたものを使う。東北地方のリンゴ、サクランボ果樹園では、敷地内の一角にヨシの茎を多数束ねたものを置き、(中略)コツノツツハナバチ(マメコバチ)Osmia cornifronsを飼育している場所がある。ミツバチが活動しにくい春先でも活発に活動し、果樹の花を受粉してくれるためだ。(p177より引用)
マメコバチの暮らしを紹介してくれる本は貴重です。

 

水田から飛び立ち空中で脱糞するアオサギ(野鳥)

 

2021年6月上旬・午後16:25頃・晴れ 

水を張った田んぼにアオサギArdea cinerea jouyi)がいました。 
冒頭でいきなり右足で嘴を掻きました。 (冠羽が逆立ったのは風のせい?) 
長い足でゆっくり緩急をつけて水田を歩き回り、獲物を探しています。 
捕食シーンが撮れるかと期待したのに、急に方向転換してから飛び立ってしまいました。 
アオサギの背後の農道で採食していた2羽のハクセキレイのうちの1羽が突然こちらに向かって飛んできたので、アオサギもつられて逃げたようです。 
力強く羽ばたいてアオサギは田んぼを飛び去り、高度をぐんぐん上げていきます。 
飛びながらグヮー、グヮー、と鳴き声を発しました。(@1:36) 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
その後、飛びながら白い液状便を大量に排泄しました。(@2:00)
   

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