2019/12/15

走って道を渡るキジ♂(野鳥)



2019年8月中旬・午後17:21

私が川沿いの堤防上の道を歩いていると、目の前の道をキジ♂(Phasianus versicolor)が慌てたように走って横切りました。
それまでは左側の草むらで採食していたようです。
最後は堤防の藪に駆け込んで隠れました。
道端の草むらに隠れていたスズメが驚いて少しだけ飛び上がりました。

一瞬の出会いを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
スピードを上げて走っているキジ♂は、視野を安定させるために頭部を前後に動かしません。

【参考】岩波科学ライブラリー『ハトはなぜ首を振って歩くのか』




私が夏に見かけるキジ♂は、いつもほっそりしたスリムな体形です。
これは若鳥♂なのか、それとも縄張り争いに明け暮れる春の繁殖期は体を膨らませていた(虚勢を張っていた)だけなのか、どちらなのでしょう?
暑い夏に換羽すると羽毛の量が減るのかな?


▼関連記事(前年の夏に撮影)
ソバ畑から逃走するキジ♂(野鳥)


キジ♂(野鳥)@逃走:道横断

エンジュの花で採餌中のオオハキリバチ♀に飛びついて交尾を迫る雄蜂♂



2019年8月上旬・午後16:00

民家の裏庭で満開に咲いたエンジュの蝶形花で採餌するオオハキリバチ♀(Megachile sculpturalis)を撮っていると、面白いシーンが撮れました。
この♀は腹部下面のスコパに黄色い花粉を満載しています。

訪花中の♀に背後から♂がいきなり飛びつき、2匹は一緒に落下しました。
オオハキリバチには儀式的な求愛行動は無く、いきなり♀を捕まえて交尾を試みるようです。
しかし♀が交尾拒否したのか、♂はすぐに諦めて飛び去りました。
顔色が白い雄蜂♂が最後に写っています。
偶然撮れた一瞬の出来事なので、1/5倍速のスローモーションでまずはご覧下さい。
その後に等倍速でリプレイ。

花盛りのエンジュの木ではオオハキリバチ♀が採餌活動に勤しむ間、多数の雄蜂♂が交尾相手を血眼になって探しつつ飛び回っています(探雌飛翔)。
既に交尾を済ませて採餌活動に専念している♀にとって♂はセクハラを繰り返し仕事の邪魔をする存在(お邪魔虫)でしかありません。


【参考図書】
佐々木陽一『オオハキリバチの交尾戦略―♂はどのようにして♀を獲得するか』(『無名のものたちの世界III』p40-70に掲載された総説)

オオハキリバチは雄性先熟です。
先に羽化した♂は、遅れて羽化してくる♀といち早く交尾するために巣の近くでひたすら待ち伏せ、♂同士が争うのだそうです。
処女♀をめぐる♂同士の闘争において大型の個体が有利ということが既に分かっています。
この先は私しぐまの想像ですが、あぶれた小型の♂は巣の近くでは勝ち目が無いので、♀が採餌する花の周囲で待ち伏せて、少ないながらも♀と交尾するチャンスに賭けているのかもしれません。
あるいは、このエンジュの大木のどこかに小さな樹洞があって、そこにオオハキリバチの巣があるという可能性も考えられます。




2019/12/14

クロウリハムシの食前トレンチ行動と脱糞【10倍速映像】



2019年8月上旬・午後16:57〜18:00


▼前回の記事
クロウリハムシがカラスウリの葉でトレンチ行動を始めるも…

河川敷でマサキの生垣を覆うように繁茂したキカラスウリの群落でクロウリハムシAulacophora nigripennis)が葉の表側に静止していました。

これから食餌を始めそうなので、食前にやるトレンチ行動の一部始終を微速度撮影で記録してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
お急ぎの方は冒頭をスキップして@2:40からご覧下さい下さい。

トレンチ行動とは、植食性昆虫の一部が食前にやる下処理です。

自分のまわりに円形の溝を掘って、しばらく待ってから内側だけを食べる。
例のトレンチ行動というやつで、植物たちの緊急防御物質(摂食阻害物質)を少しでも減らそうという魂胆。 (森昭彦『イモムシのふしぎ ちいさなカラダに隠された進化の工夫と驚愕の生命科学 (サイエンス・アイ新書)』p152より引用)



このキカラスウリの葉は少し高い位置に生えていたので、三脚の高さを最大まで伸ばしても残念ながらベストな撮影アングルを確保できませんでした。
欲を言えば真上から見下ろすアングルで撮りたかったのですが、仕方がありません。
食草キカラスウリの葉を蔓ごと一部採取して花瓶に活けた状態では切り口から摂食阻害物質が水に流出してしまうため、飼育下で観察しようとしてもクロウリハムシがトレンチ行動をやらなくなってしまうかもしれません。
どうしてもフィールドで撮影しないといけないのです。

撮影開始時にクロウリハムシは葉の縁に近い所に止まっていて、周囲には既に丸い噛み傷のようなものも見えました。
何度も繰り返して念入りに丸い弧を描くのでしょうか?
気になるのは、これから食べるであろう部分にリーフマイナー(潜葉虫、葉もぐり虫、絵かき虫)の食痕のようなものが見えることです。
もっときれいな葉を選べば良いのに、クロウリハムシは無頓着なのでしょうか?

実はクロウリハムシは純粋な草食性ではなくて捕食者でもあるのかな?


それとも撮影前にクロウリハムシ自身が少し食べたのかな?
どうも今回は見逃した点がいくつかあるようなので、次回は飛来したクロウリハムシが食べる葉を選ぶところから観察したいものです。

やがてクロウリハムシが腹端を持ち上げると、白くて細長い糞をニュルニュルと排泄しました。(@1:13)
金魚の糞のように、しばらく腹端(肛門?)に付着しています。
その後はしばらく静止しているだけです。
別個体が近くの葉に飛来し、少し徘徊して飛び去りました。
再び脱糞しました。(@2:31)


急に眠りから覚めたように体の向きを変えると(@2:44)、葉の縁から新たに猛然とトレンチ行動を始めました。(@2:51)
葉の表面を口器で噛んで浅い溝を掘り、その溝は円弧を描いていきます。
ただしコンパスで描いたような真円ではなく、大雑把な形でした。
後ろ向きになると、トレンチ行動をしながら腹端から白くて細長い糞をニュルッと排泄しました(@3:24)
これから食べる部分を自分の排泄物で汚しても、気にならないのでしょうか?
昆虫の衛生観念はよく分かりません。
円弧を描き終わると、身繕いを始めました。(@4:08)
つづいて横向きで脱糞。(@4:12)

トレンチを掘りながら丸く一周してもハキリバチの巣材集めとは異なり、葉をくり抜いた訳ではなくて表面に傷をつけただけです。

これ以降は後ろ姿でひたすら静止しているだけのように見えますが、葉を食べているのかもしれません。
このアングルでは肝心の口元が見えないのが残念です。
身繕いをしているのは(@5:00)、口元に付着した植物の粘液(防御物質)を拭き取っているのかもしれません。
葉を食べながら?また脱糞しました。(@5:04)
再び脱糞。(@5:53)

今回は別個体が飛来しても干渉されず、トレンチ行動をじっくり観察することができました。
排泄の頻度が高いことが意外でした。
自分が排泄した糞を払い除けながら葉を食べ進むのか、見届けることができませんでした。
納得できる作品が撮れるまで、また来年もチャレンジするつもりです。


クロウリハムシ@キカラスウリ葉上+トレンチ行動
クロウリハムシ@キカラスウリ葉上+トレンチ行動

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