2019/12/15
エンジュの花で採餌中のオオハキリバチ♀に飛びついて交尾を迫る雄蜂♂
2019年8月上旬・午後16:00
民家の裏庭で満開に咲いたエンジュの蝶形花で採餌するオオハキリバチ♀(Megachile sculpturalis)を撮っていると、面白いシーンが撮れました。
この♀は腹部下面のスコパに黄色い花粉を満載しています。
訪花中の♀に背後から♂がいきなり飛びつき、2匹は一緒に落下しました。
オオハキリバチには儀式的な求愛行動は無く、いきなり♀を捕まえて交尾を試みるようです。
しかし♀が交尾拒否したのか、♂はすぐに諦めて飛び去りました。
顔色が白い雄蜂♂が最後に写っています。
偶然撮れた一瞬の出来事なので、1/5倍速のスローモーションでまずはご覧下さい。
その後に等倍速でリプレイ。
花盛りのエンジュの木ではオオハキリバチ♀が採餌活動に勤しむ間、多数の雄蜂♂が交尾相手を血眼になって探しつつ飛び回っています(探雌飛翔)。
既に交尾を済ませて採餌活動に専念している♀にとって♂はセクハラを繰り返し仕事の邪魔をする存在(お邪魔虫)でしかありません。
【参考図書】
佐々木陽一『オオハキリバチの交尾戦略―♂はどのようにして♀を獲得するか』(『無名のものたちの世界III』p40-70に掲載された総説)
オオハキリバチは雄性先熟です。
先に羽化した♂は、遅れて羽化してくる♀といち早く交尾するために巣の近くでひたすら待ち伏せ、♂同士が争うのだそうです。
処女♀をめぐる♂同士の闘争において大型の個体が有利ということが既に分かっています。
この先は私しぐまの想像ですが、あぶれた小型の♂は巣の近くでは勝ち目が無いので、♀が採餌する花の周囲で待ち伏せて、少ないながらも♀と交尾するチャンスに賭けているのかもしれません。
あるいは、このエンジュの大木のどこかに小さな樹洞があって、そこにオオハキリバチの巣があるという可能性も考えられます。
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